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1王様とタマゴ
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昔々、ある栄えた国の王様がタマゴを作りました。
それは鳥の卵なんかじゃありません。
ニンゲンのタマゴです。
人間の赤子くらいの大きさです。
王様は魔法や錬金術が得意で、それにのめり込み過ぎてお后様や子どもを持ちませんでした。
しかし、いくら魔法や錬金術ができても、流れる時間に抗うことは難しく、跡取りを作ることにしました。
それがこのタマゴです。
たくさんの失敗の末、ようやくタマゴができました。
そして、タマゴから一人の王子が生まれました。
王様の魔法や錬金術を受け継ぐことができる能力と賢さ、美しい外見と武芸に優れるための強靭な体。
王様の理想を全て叶えた王子。
王子は王様の言う通りに勉学や武芸に励みながら成長していきました。
王子は王様から褒められることが嬉しいので頑張りました。
けれど、王子が成長していく度、王様と会う時間が減っていきます。
王子が十五の年齢になると、一日に一度会えるかどうかになりました。
ある日、王子は王様が入ってはならないと言っていた部屋の扉が開いていることに気付きました。
恐る恐る扉を覗くと地下へと階段が続いていました。
階段を降りていくと、牢屋のような部屋がいくつか並んでいました。
その牢屋を覗くと中にいた何かが奇声を上げました。
王子は驚きました、動物かと思いましたが、違うようです。
しかし、それは人間でもありません。
人間と鳥が混ざったような、見たことの無い、何かの生き物でした。
一匹だけではなく、他の牢屋にもいくつかいるようです。
王子は牢屋の奥に扉を見つけました。
扉を開けると、そこは色んな道具が置かれた部屋でした。
王子は道具から、錬金術の実験室だとわかりました。
机の上の大きなガラス容器に入ったソレが、王子の目を引きつけました。
それは大きなタマゴでした。
とろみのある液体の中に漬けられ、ほど良い温度で温められています。
王子はタマゴの横に置かれた紙を見ました。
それはタマゴについて作り方など色々と書いてあります。
『より優秀な王子を!』
走り書きのように書かれていましたが、それが王子の目に飛び込んできました。
王子は母親がいないことが不思議でした。
王様は王子の母は王子を生んだ後、病で亡くなったと言いました。
しかし、そのことで悲しんでいる王様を一度も見たことが無く、お城の中でそのような女性が存在したという痕跡が何も無かったので、違和感があったのです。
大きな衝撃が頭にぶつかったような感覚でした。
王子はふらつき棚にぶつかってしまいました。
棚から色んな道具や本が落ちていきます。
落ちて転がるそれらを王子はしばらく見つめ、王子は呼吸を整えると、意を決したようにガラスの容器からタマゴを取り出しました。
そして、王子は――――――
お城にけたたましい鐘の音が響き、兵隊たちが忙しく走り回ります。
王様から王子を捕らえよとの命令でした。
本来なら、城内で逃げた者は王様の魔法でお城から出られないようにしてしまうので、簡単に捕まえることができます。
しかし、今回は王様の能力を受け継ぐ王子が相手です。
とっくに王子はお城を出て行っているのかもしれません。
今までになく激しく怒り狂う王様を見れば、王子を捕らえないと自分たちの首がいくつあっても足りません。
おまけに、牢屋にいた化け物たちを王子は解放していたため、お城で暴れるそれらを倒すことにも兵隊の数を奪われてしまいました。
兵隊たちは城下で王子を探し、そして、国中を探し回りました。
しかし、王子は見つかりません。
王子はとっくにこの国から逃げ去っていました。
残されたのは一人ぼっちの王様と割れたタマゴでした。
それは鳥の卵なんかじゃありません。
ニンゲンのタマゴです。
人間の赤子くらいの大きさです。
王様は魔法や錬金術が得意で、それにのめり込み過ぎてお后様や子どもを持ちませんでした。
しかし、いくら魔法や錬金術ができても、流れる時間に抗うことは難しく、跡取りを作ることにしました。
それがこのタマゴです。
たくさんの失敗の末、ようやくタマゴができました。
そして、タマゴから一人の王子が生まれました。
王様の魔法や錬金術を受け継ぐことができる能力と賢さ、美しい外見と武芸に優れるための強靭な体。
王様の理想を全て叶えた王子。
王子は王様の言う通りに勉学や武芸に励みながら成長していきました。
王子は王様から褒められることが嬉しいので頑張りました。
けれど、王子が成長していく度、王様と会う時間が減っていきます。
王子が十五の年齢になると、一日に一度会えるかどうかになりました。
ある日、王子は王様が入ってはならないと言っていた部屋の扉が開いていることに気付きました。
恐る恐る扉を覗くと地下へと階段が続いていました。
階段を降りていくと、牢屋のような部屋がいくつか並んでいました。
その牢屋を覗くと中にいた何かが奇声を上げました。
王子は驚きました、動物かと思いましたが、違うようです。
しかし、それは人間でもありません。
人間と鳥が混ざったような、見たことの無い、何かの生き物でした。
一匹だけではなく、他の牢屋にもいくつかいるようです。
王子は牢屋の奥に扉を見つけました。
扉を開けると、そこは色んな道具が置かれた部屋でした。
王子は道具から、錬金術の実験室だとわかりました。
机の上の大きなガラス容器に入ったソレが、王子の目を引きつけました。
それは大きなタマゴでした。
とろみのある液体の中に漬けられ、ほど良い温度で温められています。
王子はタマゴの横に置かれた紙を見ました。
それはタマゴについて作り方など色々と書いてあります。
『より優秀な王子を!』
走り書きのように書かれていましたが、それが王子の目に飛び込んできました。
王子は母親がいないことが不思議でした。
王様は王子の母は王子を生んだ後、病で亡くなったと言いました。
しかし、そのことで悲しんでいる王様を一度も見たことが無く、お城の中でそのような女性が存在したという痕跡が何も無かったので、違和感があったのです。
大きな衝撃が頭にぶつかったような感覚でした。
王子はふらつき棚にぶつかってしまいました。
棚から色んな道具や本が落ちていきます。
落ちて転がるそれらを王子はしばらく見つめ、王子は呼吸を整えると、意を決したようにガラスの容器からタマゴを取り出しました。
そして、王子は――――――
お城にけたたましい鐘の音が響き、兵隊たちが忙しく走り回ります。
王様から王子を捕らえよとの命令でした。
本来なら、城内で逃げた者は王様の魔法でお城から出られないようにしてしまうので、簡単に捕まえることができます。
しかし、今回は王様の能力を受け継ぐ王子が相手です。
とっくに王子はお城を出て行っているのかもしれません。
今までになく激しく怒り狂う王様を見れば、王子を捕らえないと自分たちの首がいくつあっても足りません。
おまけに、牢屋にいた化け物たちを王子は解放していたため、お城で暴れるそれらを倒すことにも兵隊の数を奪われてしまいました。
兵隊たちは城下で王子を探し、そして、国中を探し回りました。
しかし、王子は見つかりません。
王子はとっくにこの国から逃げ去っていました。
残されたのは一人ぼっちの王様と割れたタマゴでした。
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