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しおりを挟むそんな話が日常茶飯事な店である。
この店だけではなく、他の店舗でも。
どれだけ防犯対策してもキリが無い。
度肝を抜かれたことは何度もある。
「もう一人居たのよ」
悔しそうに警備員は言った。
女子高生は二人組で一人が捕まえられたのを見てもう一人は見捨てて逃げたらしい。
よくある話だ。
「その程度の関係だったんでしょう。どうぞ」
スタッフ用の店の絆創膏を渡す。
手を爪で引っ掻かれたらしい。
傷は小さいが深く感じた。
結局、今回の件は未成年であることなど諸々の理由で警察に被害届は出さなかった。
もちろん、被害届を出したこともある。
後日、改めて青い顔の両親が菓子折を持って女子高生と共に謝罪に来た。
退学の危機やらを免れたのだから、当然ではある。
それ招いたのは自分自身だけれど。
退学は免れたが、自分を見捨てた相手と学校で会うのは非常に気まずいだろうなと思った。
涙ながらに謝罪する両親が女子高生の戒めになればと思う。
今回は親がまだまともで良かった。
意外と開き直り横柄な態度の親も多くいる。
だから、今回はまだ良い、なんて感覚が麻痺しそうだ。
そして、私が休日明けの出勤早々、学生バイトが面白そうに話してきた。
「43?」
その年齢が珍しくてちょっと驚いた。
この店だけでなく、この大型商業施設全体的に万引き犯は10~20代が多いだからだ。
盗んだ商品は数も金額的にも低い。
「スリルよね」
ベテランスタッフが言った。
「日常生活に欲求不満で、盗むスリルが快感になっちゃってるの」
「病気、ですね」
正直言うとタチが悪いなと思った。
物欲からの万引きとは違う。
「今まで見つからなかっただけで結構やってると思う。それと、本部から担当が来るって」
本部からの担当、わかりやすく言えば防犯対策の担当だけれど、このような時の対応をするのが主な仕事である。
話せば良い人だが、かなりの強面で体格も大きいので寄りつきにくい感じがする。
以前の職歴を聞いたら納得するような人選だった。
「被害届は出さないけど、その代わりに親を呼ぶことになったから。今日、父親が来るって」
「父親、って43の親なら…」
「70後半だそうよ」
その場にいたスタッフが皆引いた空気が流れた。
年老いた父親が叱られるのだ。
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