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【省吾が聖人で田辺さんがおまけだったらIF】②
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「あの――」
うちに発言権なんてないとは思うけど、気になるから声を上げる。
「お嬢さん、どうかなさいましたかな?」
すぐに返事をしてくれたのは神殿長だった。王子様は北川のことを見詰めたままうちのことは無視! 露骨すぎて逆にウケるww
「話を聞いた限り、北川が聖人で間違いないんですよね?」
「はい。ショウゴ様が聖人様ですね」
「ですよね! それでですね、うちってば巻き込まれただけのただの一般人な訳じゃないですか?」
うちがそう言うと北川は置いてかないでって感じでうちを見てきた。でも生BLは捨てがたいけど、このままここにいるのはどうかと思うし、ここで怯んじゃったらせっかく声を上げた意味がなくなっちゃうから、ごめんって思いつつ無視して続ける。
「この話し合いって、一般人のうちが聞いたら不味いと思うんですよね――。場違いっていうか――」
「北川は気の毒だとは思うけど、うちは聖人でも何でもなくてただの一般人ですし~、ここで魔王討伐の話とか、瘴気の話とか聞いていても役に立てる訳でもないじゃないですか? それにうちらって、元の世界にはもう戻れないって言うし、北川は聖人だし忙しくなりそうだけど、うちは一般人としてここで生きて行かなきゃならないってことじゃん? だから取り合えず住むところと仕事を探さなきゃって思ってて――」
うちがそう言いかけると、北川の腕を掴んだままの王子様がやっとうちの方を見てくれた。早く北川と二人っきりになりたいんだろうね? さっきまで無視してた癖に、うちがこの部屋を出たいって匂わせたら、速攻で喰いついてきた! そんな怖い顔しなくても、うちは北川には興味ないんで、睨まんで欲しいww
「タナベ殿、あなたはわたし共の聖女召喚に巻き込まれた、言わば被害者です。あなたの最低限の生活は、国が責任を持ってサポートさせて頂きますのでご心配には及びません」
王子様が言うには、黒髪黒目ってこの世界にはいなくって、目立っちゃうから魔法で茶色に変えてから街に住むようになるらしい。うちは元々そこまで真っ黒じゃないけど、それでも変えた方が良いんだって。召喚の影響でか、言葉は理解できるし字も読み書きできるみたいだから、この世界の常識とかをお城で教えてもらって自立出来る知識を蓄えてから、何の仕事をしたいかとか決めて、住むところとかも手配してくれるって。
確かにこの世界のこと何にも知らないのにいきなり街に出て、生活出来るかって聞かれたら分かんないとしか言えないし、少しの間お城でお世話になることにした。
北川は本当は神殿で暮らさないとなんだけど、王子様がごねちゃってお城に住んで神殿に通うことになってたww 王子様もうぞっこんじゃん!
「北川、聖人? 大変そうだけど頑張ってね! 魔王討伐とか、めったに経験出来ないんだし、終わったら話きかせてね」
完全に他人事なうちは北川にそう声を掛けるけど、北川は何かブツブツ言ってる。えっ? 何?
「……ふつうはさ、こういう場合、美少女の田辺さんが聖女だろ……。なんで地味な男の俺が聖人なんだよ……。しかも王子は俺の腕ずっと離さないし……。ヒロインそこにいんじゃん! 田辺さんも田辺さんで、完全に他人事だし、本当に意味が分かんねえ。何でこうなった!? そもそも、魔法陣で引っ張られてたのって田辺さんだったじゃん……。何で助けようとして巻き込まれた俺の方が聖人なんだよ……」
うわぁ……。めっちゃ病んでるぅ~! 気持ちは分かるよ!? でも、ごめんだけどうちにはどうすることも出来ないし、スルーするしかないっしょ。ごめん北川! 頑張ってね、バイバイ!
王子様が手配してくれた侍従さんに案内されて、うちはお城のゲストルームに間借りすることになった。身一つで来ちゃったから、必要な下着とか衣類とかも用意してくれてまさに至れり尽くせり。
疲れたしお風呂に入ろうとしたら、この部屋担当のメイドさんが体を洗ってくれるとか言って一緒に入ろうとするから、それは丁寧にお断りしたよ――。お姉ちゃんいるし、女同士で一緒に入るのは抵抗ないけど、洗われるとかは恥ずかしいから無理。それに使い方だけ教えてもらったら自分で出来るし! 今はここにいるけど、うちはいずれはお城を出る身だし贅沢を覚えたら良くないしね。庶民の感覚を忘れるのはダメだ。
うちに発言権なんてないとは思うけど、気になるから声を上げる。
「お嬢さん、どうかなさいましたかな?」
すぐに返事をしてくれたのは神殿長だった。王子様は北川のことを見詰めたままうちのことは無視! 露骨すぎて逆にウケるww
「話を聞いた限り、北川が聖人で間違いないんですよね?」
「はい。ショウゴ様が聖人様ですね」
「ですよね! それでですね、うちってば巻き込まれただけのただの一般人な訳じゃないですか?」
うちがそう言うと北川は置いてかないでって感じでうちを見てきた。でも生BLは捨てがたいけど、このままここにいるのはどうかと思うし、ここで怯んじゃったらせっかく声を上げた意味がなくなっちゃうから、ごめんって思いつつ無視して続ける。
「この話し合いって、一般人のうちが聞いたら不味いと思うんですよね――。場違いっていうか――」
「北川は気の毒だとは思うけど、うちは聖人でも何でもなくてただの一般人ですし~、ここで魔王討伐の話とか、瘴気の話とか聞いていても役に立てる訳でもないじゃないですか? それにうちらって、元の世界にはもう戻れないって言うし、北川は聖人だし忙しくなりそうだけど、うちは一般人としてここで生きて行かなきゃならないってことじゃん? だから取り合えず住むところと仕事を探さなきゃって思ってて――」
うちがそう言いかけると、北川の腕を掴んだままの王子様がやっとうちの方を見てくれた。早く北川と二人っきりになりたいんだろうね? さっきまで無視してた癖に、うちがこの部屋を出たいって匂わせたら、速攻で喰いついてきた! そんな怖い顔しなくても、うちは北川には興味ないんで、睨まんで欲しいww
「タナベ殿、あなたはわたし共の聖女召喚に巻き込まれた、言わば被害者です。あなたの最低限の生活は、国が責任を持ってサポートさせて頂きますのでご心配には及びません」
王子様が言うには、黒髪黒目ってこの世界にはいなくって、目立っちゃうから魔法で茶色に変えてから街に住むようになるらしい。うちは元々そこまで真っ黒じゃないけど、それでも変えた方が良いんだって。召喚の影響でか、言葉は理解できるし字も読み書きできるみたいだから、この世界の常識とかをお城で教えてもらって自立出来る知識を蓄えてから、何の仕事をしたいかとか決めて、住むところとかも手配してくれるって。
確かにこの世界のこと何にも知らないのにいきなり街に出て、生活出来るかって聞かれたら分かんないとしか言えないし、少しの間お城でお世話になることにした。
北川は本当は神殿で暮らさないとなんだけど、王子様がごねちゃってお城に住んで神殿に通うことになってたww 王子様もうぞっこんじゃん!
「北川、聖人? 大変そうだけど頑張ってね! 魔王討伐とか、めったに経験出来ないんだし、終わったら話きかせてね」
完全に他人事なうちは北川にそう声を掛けるけど、北川は何かブツブツ言ってる。えっ? 何?
「……ふつうはさ、こういう場合、美少女の田辺さんが聖女だろ……。なんで地味な男の俺が聖人なんだよ……。しかも王子は俺の腕ずっと離さないし……。ヒロインそこにいんじゃん! 田辺さんも田辺さんで、完全に他人事だし、本当に意味が分かんねえ。何でこうなった!? そもそも、魔法陣で引っ張られてたのって田辺さんだったじゃん……。何で助けようとして巻き込まれた俺の方が聖人なんだよ……」
うわぁ……。めっちゃ病んでるぅ~! 気持ちは分かるよ!? でも、ごめんだけどうちにはどうすることも出来ないし、スルーするしかないっしょ。ごめん北川! 頑張ってね、バイバイ!
王子様が手配してくれた侍従さんに案内されて、うちはお城のゲストルームに間借りすることになった。身一つで来ちゃったから、必要な下着とか衣類とかも用意してくれてまさに至れり尽くせり。
疲れたしお風呂に入ろうとしたら、この部屋担当のメイドさんが体を洗ってくれるとか言って一緒に入ろうとするから、それは丁寧にお断りしたよ――。お姉ちゃんいるし、女同士で一緒に入るのは抵抗ないけど、洗われるとかは恥ずかしいから無理。それに使い方だけ教えてもらったら自分で出来るし! 今はここにいるけど、うちはいずれはお城を出る身だし贅沢を覚えたら良くないしね。庶民の感覚を忘れるのはダメだ。
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