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再会①
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ご両親に挨拶を済ませた私たちは転移陣で塔に戻った。
受け入れてもらえたことが嬉しくて、ケビンに抱き着いて年甲斐もなく大きな声を上げて泣いてしまった。
「ケビン……うぅっ……よ、良かった……。わたし、この世界にいて良いんだって、言ってもらえたみたいで……グスッ……うれしいよぉ~! うわぁ~ん――」
みっともないけれど、この世界にも私の味方がいるのだと思うと泣かずにはいられなかった。勿論一番の味方はケビンだけど、お母様に抱きしめてもらって本当に心から安心出来た。あのご両親だからケビンはこんなに素敵に育ったのだと改めて実感し、まだ会って間もないのにすっかり私はお母様のことが大好きになった。
「アンジェリカの居場所は俺の腕の中だぞ」
真面目な顔をした私の一番の理解者が冗談めかしてそんなことを言うから、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。あぁ、幸せだなあ。
――私がこの世界にやって来た日が二人の初めて出会った記念日だということで、丁度一年経った今日、婚姻届けを提出するために国王陛下にご挨拶に伺うことにしていた。
前国王陛下の妹であるお母様も付いて来てくれると言うことでとても心強い。国王陛下はとても優しくて、異世界から来たという私の話を信じて下さった。
生涯独身だと思っていた変わり者の従兄弟の元に嫁いでくれて感謝すると仰った陛下は、ケビンのことを大切に思ってくださっているのだろうことが言葉の端々から感じられた。ケビンに出会うことが出来て、たくさんの優しい人たちに恵まれてこの国に来て良かったと改めて実感した。
国王陛下は反対することなく婚姻を認めて下さり、私は無事にアンジェリカ=ピスタチオ辺境伯夫人になった。
お母様は実家である王宮でゆっくりしてから帰ると言うことで、私たちは先に塔に戻らせてもらうことにした。
塔に戻ると私たちは夫婦になった喜びで胸が押しつぶされそうなほどの幸せを感じていた。部屋に入るなり強く抱きしめられて唇を奪われる。早急に舌を絡め取られ、呼吸も飲み込まれる。いきなりのことで上手く鼻呼吸が出来ず息苦しさを覚えた私は、ケビンの分厚い胸板を叩いた。
「ふっ、ちゅっ……、うむっ……ぷはっ」
「すまない、感極まってしまって……」
「いきなりでびっくりしただけで、嫌ではなかったから謝らないで?」
「アンジェリカっ!」
塔を入って直ぐの場所で謁見の衣装のまま口付けを交わし合う。聞こえるのはお互いの吐息とクチュクチュという水音だけ。ここには私たち二人しかいない。夫婦になった喜びを分かち合う。角度を変えて何度も何度も唇を吸い舌を絡ませる。
「アンジェリカ、口を大きく開けて舌を突き出して」
ケビンの声に従うようにおずおずと口の外に舌を突き出す。こんなことはしたないとは思うけれど、これが気持ちの良い行為だと私はもう知っている。
「そう、上手だ……んちゅっ」
突き出した舌を軽く吸われてからすぐに硬く尖らせたケビンの舌でなぞるように刺激される。ピチャピチャといやらしい音がして、お互いに興奮が高まる。
「ふっ、あぁっ……んんぅっ」
出した舌を口に招き入れられて扱くようにされると腰がゾクゾクと粟立つ。混ざり合ったどちらの物とも分からない唾液を流し込まれそれをコクリと飲み下すと、いつの間にか不埒なケビンの手が私の胸をやわやわと揉みしだいていて、服の上からでも分かるくらい胸の先端が尖ってしまっていた。我慢できなくなるからと、結婚するまではキス以上のことをしてこなかったというのに、私の身体は随分正直なようだ。ケビンの指が先端を掠めた時に、電流のような快感がビリッと走り抜けた。
「あっ……、やあっ……あぁんっ……」
これ以上はダメだ。ケビンを止めなくては。
「ケ、ケビンっ……、今はこれ以上はっ……」
「はぁっ……。漸くアンジェリカと名実ともに夫婦になることが出来たというのに……。これ以上続けたら押し倒してしまいそうだな」
そう言ってケビンは私を解放してくれた。お互いに普段着る服より畏まった衣装を身に纏っていたので、それぞれ着替えを済ませることにした。
「しばらく風呂場には近寄らないでもらえるか?」
「シャワーでも浴びるの?」
「アンジェリカのおかげで昂り切ったコイツを鎮めるんだが見るか?」
コイツと言って指をさした先はケビンの股間で……。顔を真っ赤にさせた私は「馬鹿っ!」と叫んで自室に籠った。後ろからクスクスと愉快そうな笑い声が聞こえているから、揶揄われたのだということが分かって少しだけムッとした。
先に婚姻は済ませたけれど、これからは結婚式の準備などで忙しくなるだろう。しかし結婚式に関してはお母様が色々と手配してくださるということなのでお言葉に甘えることにした。
「結婚式までに子供を授かってしまったらドレスや式の準備に色々影響がでてしまうから、アンジェリカちゃんのことを大切に思うなら我慢なさいね?」
半年後の結婚式まで初夜はお預けとお母様に念を押された私は顔を真っ赤にし、ケビンはガッカリと肩を落としていた。
受け入れてもらえたことが嬉しくて、ケビンに抱き着いて年甲斐もなく大きな声を上げて泣いてしまった。
「ケビン……うぅっ……よ、良かった……。わたし、この世界にいて良いんだって、言ってもらえたみたいで……グスッ……うれしいよぉ~! うわぁ~ん――」
みっともないけれど、この世界にも私の味方がいるのだと思うと泣かずにはいられなかった。勿論一番の味方はケビンだけど、お母様に抱きしめてもらって本当に心から安心出来た。あのご両親だからケビンはこんなに素敵に育ったのだと改めて実感し、まだ会って間もないのにすっかり私はお母様のことが大好きになった。
「アンジェリカの居場所は俺の腕の中だぞ」
真面目な顔をした私の一番の理解者が冗談めかしてそんなことを言うから、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。あぁ、幸せだなあ。
――私がこの世界にやって来た日が二人の初めて出会った記念日だということで、丁度一年経った今日、婚姻届けを提出するために国王陛下にご挨拶に伺うことにしていた。
前国王陛下の妹であるお母様も付いて来てくれると言うことでとても心強い。国王陛下はとても優しくて、異世界から来たという私の話を信じて下さった。
生涯独身だと思っていた変わり者の従兄弟の元に嫁いでくれて感謝すると仰った陛下は、ケビンのことを大切に思ってくださっているのだろうことが言葉の端々から感じられた。ケビンに出会うことが出来て、たくさんの優しい人たちに恵まれてこの国に来て良かったと改めて実感した。
国王陛下は反対することなく婚姻を認めて下さり、私は無事にアンジェリカ=ピスタチオ辺境伯夫人になった。
お母様は実家である王宮でゆっくりしてから帰ると言うことで、私たちは先に塔に戻らせてもらうことにした。
塔に戻ると私たちは夫婦になった喜びで胸が押しつぶされそうなほどの幸せを感じていた。部屋に入るなり強く抱きしめられて唇を奪われる。早急に舌を絡め取られ、呼吸も飲み込まれる。いきなりのことで上手く鼻呼吸が出来ず息苦しさを覚えた私は、ケビンの分厚い胸板を叩いた。
「ふっ、ちゅっ……、うむっ……ぷはっ」
「すまない、感極まってしまって……」
「いきなりでびっくりしただけで、嫌ではなかったから謝らないで?」
「アンジェリカっ!」
塔を入って直ぐの場所で謁見の衣装のまま口付けを交わし合う。聞こえるのはお互いの吐息とクチュクチュという水音だけ。ここには私たち二人しかいない。夫婦になった喜びを分かち合う。角度を変えて何度も何度も唇を吸い舌を絡ませる。
「アンジェリカ、口を大きく開けて舌を突き出して」
ケビンの声に従うようにおずおずと口の外に舌を突き出す。こんなことはしたないとは思うけれど、これが気持ちの良い行為だと私はもう知っている。
「そう、上手だ……んちゅっ」
突き出した舌を軽く吸われてからすぐに硬く尖らせたケビンの舌でなぞるように刺激される。ピチャピチャといやらしい音がして、お互いに興奮が高まる。
「ふっ、あぁっ……んんぅっ」
出した舌を口に招き入れられて扱くようにされると腰がゾクゾクと粟立つ。混ざり合ったどちらの物とも分からない唾液を流し込まれそれをコクリと飲み下すと、いつの間にか不埒なケビンの手が私の胸をやわやわと揉みしだいていて、服の上からでも分かるくらい胸の先端が尖ってしまっていた。我慢できなくなるからと、結婚するまではキス以上のことをしてこなかったというのに、私の身体は随分正直なようだ。ケビンの指が先端を掠めた時に、電流のような快感がビリッと走り抜けた。
「あっ……、やあっ……あぁんっ……」
これ以上はダメだ。ケビンを止めなくては。
「ケ、ケビンっ……、今はこれ以上はっ……」
「はぁっ……。漸くアンジェリカと名実ともに夫婦になることが出来たというのに……。これ以上続けたら押し倒してしまいそうだな」
そう言ってケビンは私を解放してくれた。お互いに普段着る服より畏まった衣装を身に纏っていたので、それぞれ着替えを済ませることにした。
「しばらく風呂場には近寄らないでもらえるか?」
「シャワーでも浴びるの?」
「アンジェリカのおかげで昂り切ったコイツを鎮めるんだが見るか?」
コイツと言って指をさした先はケビンの股間で……。顔を真っ赤にさせた私は「馬鹿っ!」と叫んで自室に籠った。後ろからクスクスと愉快そうな笑い声が聞こえているから、揶揄われたのだということが分かって少しだけムッとした。
先に婚姻は済ませたけれど、これからは結婚式の準備などで忙しくなるだろう。しかし結婚式に関してはお母様が色々と手配してくださるということなのでお言葉に甘えることにした。
「結婚式までに子供を授かってしまったらドレスや式の準備に色々影響がでてしまうから、アンジェリカちゃんのことを大切に思うなら我慢なさいね?」
半年後の結婚式まで初夜はお預けとお母様に念を押された私は顔を真っ赤にし、ケビンはガッカリと肩を落としていた。
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