エーデルヴァイス夫人は笑わない

緋島礼桜

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エーデルヴァイス夫人について2

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   ◆







 夫人を好きな方などいらっしゃいませんよ。

 いつもムスッとして何を考えているかわからないんですもの。

 その割には細かいところに目がいく人で、私が夜中こっそり外へ散歩に行こうものならわざわざ起きて来て。

 「何故このような時間に出ていくの?」と怒鳴られましたの。

 私だってたまには気分転換したいことだってあるというのに…。




 ええ、夜の外出は禁止でしたわ。

 何でも以前、エーデルヴァイス夫人が嫌で夜逃げした人がたくさんいたとかで…。

 それで一切禁止になっていますの。




 他にも食堂には夫人がいつでもつまめるよう焼き菓子を常に置いておかなくてはいけないとか。

 客室に飾ってある人形やぬいぐるみは大切なものだから決して動かしてはいけないとか。

 夫人と旦那様の部屋は、何があっても絶対に入ってはならないとか。




 一つ一つが細かい注文ばかりで…。

 嫌になって逃げ出した方々の気持ちがよくわかりますわ。



 あら、私?

 私は最後まで勤めてやりましたわ。

 だって…こんな意地悪ばかりの夫人の、寂しい最期を絶対にみてやりたいって思いましたもの。

 

 まあ……最期は看取りましたけれど……。

 まさかあんな最期だとは思いませんでしたわ。

 そのことに関しましては、さすがに少しばかり同情もしたくなりましたわね。






   ◆







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