【R18】ショートケーキHoney~異常な程溺愛してくる彼氏に私の心臓が持ちません~

しろ

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蓮side/so far

告白/蓮side.7

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待ちに待った高校の入学式。
俺と美優は同じクラスだった。…というのは、実は入学前から知っていた。高校のデータベースにハッキングして事前に確認していたからだ。もし別々のクラスならデータをいじって変更する必要があったけど、運良く同じクラスだったので手間が省けた。

学校の敷地内にあるホールで行われた入学式では、出席番号順で着席する為、美優の隣の席だった。すぐ隣に美優がいる。それだけで俺の心臓はどうにかなりそうだった。

高校の真新しいブレザーの制服を身に纏った美優は凄く可愛い。そう思うのは俺だけじゃないらしく、チラチラと美優に向けられる視線に苛々する。

入学式では在校生代表で美優の従兄(久遠大智)が挨拶を務めた。久遠が壇上から美優に笑顔を向け、美優もまたニコニコと微笑み返している様子に更に怒りと焦りが募る。

やっと美優と一緒に居られるのに、このままじゃ他の奴に取られてしまう…。

そんな焦りが俺を追い込んだのか、入学式の後教室に移動して行ったホームルームで俺は覚悟を決めた。


「甘音美優さん、好きです!
俺の誕生日1月15日で苺の日なんだ。美優は1月22日のショートケーキの日だろ?これって運命だよね?だからお願い、付き合ってください。」

そう言って差し出した手は少し震えていた。
もっとカッコ良くスマートに言いたかったが、これが限界だった。

「えーっと…」
驚きと困惑で美優の瞳が揺れていた。

俺の後ろの席にいる省吾が「あちゃー」っと頭を抱えていたが気にしない。

担任に邪魔をされ自己紹介の時間になり
「相澤蓮です。俺、美優にしか興味ないんで」と、クラスの男子へ牽制を忘れない。

自己紹介が美優の番になった時「ちょっと待って!」とポケットを漁る。よし、ボイスレコーダーのスイッチ良し。

「美優、ごめんね。いいよ」

美優は少しむくれた顔で俺を一瞥し自己紹介をする。

「甘音美優です。並木中から来ました。みなさんと仲良くなれると嬉しいです。よろしくお願いします」

うわぁー。めちゃくちゃ可愛い。
いつも少し離れた場所から声を聞いていたし、性能の良いボイスレコーダーでも、生声とは比べ物にならない。

今すぐ抱き締めたい気持ちをぐっとこらえ、隣の席の美優を見つめる。合法的に堂々と美優を見つめる事ができる喜びに思わず口元がニヤケる。

ホームルームの後、俺は早速美優に話しかけた。

「美優、さっきの返事聞かせて?」

「あ、あのっ!相澤君…!」

「なぁに?美優っ♪」

「私達……初対面だよね?」

「そうだね。美優の瞳にちゃんと映るのは初めてかな。嬉しいっ」

実際にはファミレスでハンカチを貰った時に会っているけど、美優から見たら‘一般人A’であって‘相澤蓮’として認識されたのは今回が初めてだ。

「は?…えっと、まだ出会って数時間だよね?」

「美優は覚えてないかもしれないけど、出会ったのは1年前だよ」

「ごめんなさい、覚えてない…。私相澤君の事知らないから返事はできないよ」

「じゃあこれから知っていって。ね、付き合おう」

「ごめんなさい」

美優が頭を下げたのを見て、一気に血の気が引いた。

「待って!待って!やっぱり返事は保留にして!美優に振られたら俺何するかわかんないよ?ね、お願い。俺の事知ってから返事ちょうだい」

やっと一緒に居られるのに、美優に拒絶されたら監禁するしかなくなってしまう。いや、本音は誰にも見せずに閉じ込めてしまいたいんだけど…。

美優と俺が将来の大事な話をしているのに、伊村由妃や久遠大智の邪魔が入る。
今まで美優のガードマンをしていた事は感謝するが、これからは俺が側にいるから不要だ。

美優を俺の元から連れ出してしまう二人に、心底苛々する。思わず力が入り、真っ二つに折れたシャーペンが足元を転がった。

「蓮…初日から飛ばしすぎだよ…」

「省吾うるさい」
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