Night and Light ~異能バトルは突然に~

愛川 駿輔

文字の大きさ
6 / 7
序章

仲間

しおりを挟む
「なにせ不意打ちでやられたものでな、永井と保能も連れ出すのに苦労したものだ。本部の周辺は異能者達の町もあるし、他の局もあるから心配なんだが」
「お、おい。ならそいつらは大丈夫なのか? そこには学校もあるんじゃないのか。それに残りの隊長の部下達はどうした」
それは予想外だ。予想外すぎる。
異能者達の法律とも言える場所が、テロリスト共に占拠されているなんて誰が予想できる。
「待て待て。一気に質問をするな一つずつ答えていくぞ」
はぁと呆れたようにため息をつく風切さん。
いや、呆れているのはこっちの方なんだが。
「まずそんな事態になったのは、ほかの隊長達が殆ど不在の時に狙われたからだ。私達が急いで帰還したときにはもう遅かった。残った隊員達は抵抗はしたようだが、全滅を避けるため撤退したそうだった。他局のものはそもそも一部のものしか戦闘技術をもっていなしな。おかげで今は他の隊長達と連絡するすべがない。ちっ、せめて局長と連絡がつけば……。あと、他局や住民達や生徒達のことだが恐らく殺されていることはないだろう」
「……なぜそんなことが言い切れる」
「奴らにとってもあそこが機能しなくなるのは、最も避けたい事態の筈だ。生徒達はいくらでも利用価値があると考えるだろう。育てて兵士にでもするとか」
兵士って、そいつらは戦争でも起こす気なのか? と冗談を言おうとしたが、それは最早冗談の域を出ていることに気付き、言うのをやめる。
「なるほど分かった。……そういえばさっき言っていた局長とは誰だ?」
他の情報に耳がいってしまい思わず聞き流してしまっていた。
「ん? ああ、局長は私達隊長の指揮監督のような者だ。つまり隊長の隊長と言うことだな。その時は出張していて不在だったのだが」
さっきの紹介では誰が指揮しているのか謎だったがそんな人がいたのか。
「それでだ、光。今までの話で分かると思うが、情け無いことに
今私達はボロボロだ。ボロボロでさらにバラバラだ。だから、大きな戦力がいる」
言われなくても分かっている。訳のわからないいざこざに巻き込まれて腹も立っているし、両親が死んだなどにわかに信じられないことを言われて戸惑っている。だがここまで聞いたらこいつらの言いたいことは分かる。
「私達に力を貸してくれ」
と、言いペコリと頭を下げる風切さん。
あぐらのままだが。しかし、俺は即答する。
「当たり前だ」
「……そうか。ありがとう」
「もし、風切さんの話が本当なら、俺の親はそいつらに殺されたことになる。それを聞いて黙ってられる訳がない。真相を知りたいし、本当ならそいつらは殺す。俺は復讐のために戦うことになるぞ。それでも良いのか?」
「もちろんだ。復讐は何も生まないなんて、きれい事を言うつもりはないし、復讐は達成したらちゃんと相手の不幸を生んでいるからな」
言われてみれば、そうだなと感心してしまう。その発想はなかったな。
「じゃっ、光は私達の仲間になったってことで良いんだね-?」
パンっと、手を叩き顔を突き出して尋ねてくる。
顔の距離が異様なほどに近いし、こいつもいきなり名前呼びか。
「ま、まぁそういうことだな」
「やったぜーー! てってれー! 光が仲間になったー!」
「光さん、これからよろしくお願いします」
「……よろしく」
さっきまで黙っていた3人も喋りだす。こいつらも意外と空気は読めるらしい。仲間と言うことで良いのだろう。やはり、こいつらも一緒に戦うのだな。
「ああ…よろしく」
「では、決まりだな」
「あの、それと、……偉そうなことを言っといてなんだが、俺まだ戦い方とか、力の使い方とか全くの素人なんだが……戦力になるのか?」
それを聞くと風切さんはニヤァと悪人のような笑みを浮かべた。
「安心しろ。全てを骨の髄まで叩き込んでやる」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...