237 / 683
第九幕 転生歌姫の学園生活
第九幕 10 『クラブ見学6』
しおりを挟む
最後に演劇クラブと合唱クラブを見学するために、大講堂へとやって来た。
大講堂は、舞台のような教壇を中心として、半円状・階段状に席が設けられている。
たしかにこれなら、劇などを行うこともできそうだ。
ここと、小ホール、大ホールを用いて学園祭などで公演したりするらしい。
私たちが講堂の中に入ると、壇上の両端それぞれに両クラブが集まっていた。
まずは演劇クラブに顔を出すことに。
「こんにちわ~、見学に来ました~」
「まあ!……まさか、かのエーデルワイス歌劇団の御方にお越しいただけるとは…!」
迎えてくれたのは、女性としてはスラッと背の高いキレイ系の先輩。
おそらくこの人が代表なのだろう。
演劇クラブと言うだけあってハキハキとした喋り方だが、どこか大仰で芝居がかった感じもする。
「あ、ウチのことはご存知なんですね」
「それはもちろん!この王都に住まう者でエーデルワイスの名を知らぬ者などおりませんよ。ましてや我々にとっては憧れの存在なのですから!」
「そ、そうですか、ありがとうございます」
ちょっと照れる。
「あ、申し遅れました!私は当演劇クラブの部長をしております、オーレリーと申します」
「よろしくお願いします。……オーレリー先輩、どうか他の新入生に接するのと同じように話していただければ…」
「…そう?それじゃ、そうさせてもらうわね。それにしても、ホントにカティアさんに来てもらえるとは……あれ?でも、エーデルワイス歌劇団の劇には……」
「……はい、私は劇には出たことが無いですね」
流石に演劇やってる人なら知ってるよね……
「そうよね。歌姫やってるとはいえ、あなたみたいに舞台映えする娘がなんで出てこないんだろう?って思ってたのよね」
「あ、それ私も不思議だった」
「そう言えばそうですわね」
「あ~……その、私って演技がヘタで……」
厚い壁を乗り越えなければ、希望を持つことは出来ないのだ。
しかし!
私には秘策がある!
歌姫である私だからこその一手が!
「先輩、ミュージカルってご存知ですか?」
「ミュージカル?いえ、知らないわ」
やっぱり、この世界には無いみたいだね。
簡単にコンセプトを説明する。
私にとって大事なのは、セリフが全編通して歌であるという点なので、そこをより強調する。
先輩は興味を持ってくれたらしく、フムフムと頷きながら私の説明を聴いてくれた。
「セリフが歌に……面白そうじゃない!」
おお…!予想以上の好感触だ!
シクスティンさんに説明した時も、なかなか食い付きは良かった。
その後もエーデルワイス歌劇団の稽古の様子や、裏話を教えてあげたりしたら凄く喜んでくれた。
見学としては通し稽古を見せてくれた。
私の目から見ても結構ハイレベルで、学園の卒業生をスカウトするのも有りかも…と思った。
次に、同じく大講堂で活動している合唱クラブを見学することに。
私としてはここが本命と考えていた。
「ようこそ合唱クラブへ!私は部長のクラリスよ、よろしくね!」
「「「よろしくお願いします!」」」
部員は二~三十名くらいかな。
あとは私達の他にも新入生が何人か見学に来ていた。
「さて、早速だけど私達の活動内容を説明するわね…」
説明してもらったところによると……まあ、合唱クラブと聞いて想像できる範囲ではあった。
学園祭や合唱コンクールでの入賞を目指して普段は練習を行っているとの事。
王都で行われる合唱コンクールでは、ここ数年連続で入賞を果たしており、界隈では有名らしい。
「あのエーデルワイス歌劇団の歌姫であるカティアさんが入ってくれれば、より盤石になること間違いなしよね」
「ん~、でも私、合唱ってやったこと無いんですよね……息を合わせて、声を揃えて…と言うのは、また違った難しさがあるのでは?」
「もちろんそれはそうだけど、ちゃんと練習すれば大丈夫よ。カティアさんなら基本は問題ないし、すぐに合わせられるようになるわよ。それに、独唱部もあったりするのよ。それこそカティアさんなら即戦力だわ」
へえ…ソロパートもあるんだ。
それならすぐにでも出来そうだけど、折角だから皆で声を揃えて歌うのを楽しみたいな。
「じゃあ、見学に来てくれたことだし、コンクール向けに練習してる曲を一曲歌いましょうか」
そして先輩たちが実際に合唱を聞かせてくれたんだけど…
凄い……
これだけの人数が、全くズレることもなくハーモニーを奏でるのはまさに圧巻だった。
私もあの中に混じって一緒に歌いたいと思い、もう殆ど入部の意志は固まっていた。
「どうだった?自分で言うのもなんだけど、中々のものでしょう?」
「はい!凄く感動しました!」
「本当に素敵でしたわ」
「確かに凄かったわ。私は音痴だから羨ましいわね…」
え?ステラって音痴なの?
イメージ沸かないなぁ……
「でもステラは歌うこと自体は好きでしょ?ご機嫌な時は、よく鼻歌歌ってるもんね」
「な!?ちょ、ちょっと!もう…恥ずかしいからバラさないでよ、シフィル…」
あらら、真っ赤になっちゃって…可愛いな。
「それじゃあ折角だから、あなた達の歌も聞かせてくれない?」
「あ、いいですよ!」
「「「私達はパスで~」」」
と言う訳で、私と…あと何人かの新入生がそれぞれ歌を披露することになった。
そこで、私は運命の出会いを果たすことになる。
大講堂は、舞台のような教壇を中心として、半円状・階段状に席が設けられている。
たしかにこれなら、劇などを行うこともできそうだ。
ここと、小ホール、大ホールを用いて学園祭などで公演したりするらしい。
私たちが講堂の中に入ると、壇上の両端それぞれに両クラブが集まっていた。
まずは演劇クラブに顔を出すことに。
「こんにちわ~、見学に来ました~」
「まあ!……まさか、かのエーデルワイス歌劇団の御方にお越しいただけるとは…!」
迎えてくれたのは、女性としてはスラッと背の高いキレイ系の先輩。
おそらくこの人が代表なのだろう。
演劇クラブと言うだけあってハキハキとした喋り方だが、どこか大仰で芝居がかった感じもする。
「あ、ウチのことはご存知なんですね」
「それはもちろん!この王都に住まう者でエーデルワイスの名を知らぬ者などおりませんよ。ましてや我々にとっては憧れの存在なのですから!」
「そ、そうですか、ありがとうございます」
ちょっと照れる。
「あ、申し遅れました!私は当演劇クラブの部長をしております、オーレリーと申します」
「よろしくお願いします。……オーレリー先輩、どうか他の新入生に接するのと同じように話していただければ…」
「…そう?それじゃ、そうさせてもらうわね。それにしても、ホントにカティアさんに来てもらえるとは……あれ?でも、エーデルワイス歌劇団の劇には……」
「……はい、私は劇には出たことが無いですね」
流石に演劇やってる人なら知ってるよね……
「そうよね。歌姫やってるとはいえ、あなたみたいに舞台映えする娘がなんで出てこないんだろう?って思ってたのよね」
「あ、それ私も不思議だった」
「そう言えばそうですわね」
「あ~……その、私って演技がヘタで……」
厚い壁を乗り越えなければ、希望を持つことは出来ないのだ。
しかし!
私には秘策がある!
歌姫である私だからこその一手が!
「先輩、ミュージカルってご存知ですか?」
「ミュージカル?いえ、知らないわ」
やっぱり、この世界には無いみたいだね。
簡単にコンセプトを説明する。
私にとって大事なのは、セリフが全編通して歌であるという点なので、そこをより強調する。
先輩は興味を持ってくれたらしく、フムフムと頷きながら私の説明を聴いてくれた。
「セリフが歌に……面白そうじゃない!」
おお…!予想以上の好感触だ!
シクスティンさんに説明した時も、なかなか食い付きは良かった。
その後もエーデルワイス歌劇団の稽古の様子や、裏話を教えてあげたりしたら凄く喜んでくれた。
見学としては通し稽古を見せてくれた。
私の目から見ても結構ハイレベルで、学園の卒業生をスカウトするのも有りかも…と思った。
次に、同じく大講堂で活動している合唱クラブを見学することに。
私としてはここが本命と考えていた。
「ようこそ合唱クラブへ!私は部長のクラリスよ、よろしくね!」
「「「よろしくお願いします!」」」
部員は二~三十名くらいかな。
あとは私達の他にも新入生が何人か見学に来ていた。
「さて、早速だけど私達の活動内容を説明するわね…」
説明してもらったところによると……まあ、合唱クラブと聞いて想像できる範囲ではあった。
学園祭や合唱コンクールでの入賞を目指して普段は練習を行っているとの事。
王都で行われる合唱コンクールでは、ここ数年連続で入賞を果たしており、界隈では有名らしい。
「あのエーデルワイス歌劇団の歌姫であるカティアさんが入ってくれれば、より盤石になること間違いなしよね」
「ん~、でも私、合唱ってやったこと無いんですよね……息を合わせて、声を揃えて…と言うのは、また違った難しさがあるのでは?」
「もちろんそれはそうだけど、ちゃんと練習すれば大丈夫よ。カティアさんなら基本は問題ないし、すぐに合わせられるようになるわよ。それに、独唱部もあったりするのよ。それこそカティアさんなら即戦力だわ」
へえ…ソロパートもあるんだ。
それならすぐにでも出来そうだけど、折角だから皆で声を揃えて歌うのを楽しみたいな。
「じゃあ、見学に来てくれたことだし、コンクール向けに練習してる曲を一曲歌いましょうか」
そして先輩たちが実際に合唱を聞かせてくれたんだけど…
凄い……
これだけの人数が、全くズレることもなくハーモニーを奏でるのはまさに圧巻だった。
私もあの中に混じって一緒に歌いたいと思い、もう殆ど入部の意志は固まっていた。
「どうだった?自分で言うのもなんだけど、中々のものでしょう?」
「はい!凄く感動しました!」
「本当に素敵でしたわ」
「確かに凄かったわ。私は音痴だから羨ましいわね…」
え?ステラって音痴なの?
イメージ沸かないなぁ……
「でもステラは歌うこと自体は好きでしょ?ご機嫌な時は、よく鼻歌歌ってるもんね」
「な!?ちょ、ちょっと!もう…恥ずかしいからバラさないでよ、シフィル…」
あらら、真っ赤になっちゃって…可愛いな。
「それじゃあ折角だから、あなた達の歌も聞かせてくれない?」
「あ、いいですよ!」
「「「私達はパスで~」」」
と言う訳で、私と…あと何人かの新入生がそれぞれ歌を披露することになった。
そこで、私は運命の出会いを果たすことになる。
21
あなたにおすすめの小説
異世界で一番の紳士たれ!
だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。
リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。
リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。
異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる