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第九幕 転生歌姫の学園生活
第九幕 9 『クラブ見学5』
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なかなか見応えのある手合わせを見せてもらった。
ルシェーラとガエル君は良いライバル関係になりそうだね。
そういう存在がいると、きっと強くなるのも早くなるだろう。
次は引き続き攻撃魔法研究会に顔を出す。
武術クラブと同じく訓練場内の反対側の場所に集まっている。
しかし…尖ったクラブだよな~。
実は魔法クラブというのもあって、人気を二分してるらしいのだが…こっちを選んだのはシフィルたっての希望である。
危険な組み合わせのような気がしてならない。
「ようこそ、攻撃魔法研へ。僕が会長のデニスだ」
「「「よろしくお願いします!」」」
会員は結構いて、三~四十人くらいはいそうだ。
会長をはじめ会員たちは皆、制服の上に如何にも魔法使いというようなローブを羽織り、手には短い杖を持っている。
何だか前世の映画で見た、某魔法学園の生徒みたい。
魔法の制御や威力を補助するための、触媒機能を持つ杖と言うのは確かにあるけど……ある程度の技量になるとかえって邪魔になるんだよね。
高価な素材を使った凄い杖とかだと、また話は別だけど。
「では、我々の活動内容を説明しよう。攻撃魔法研究会、などと名乗っているが……要するに魔法競技のクラブだ」
え、そうなの?
名前からして、攻撃魔法をひたすらぶっ放すクラブかと思ったよ。
でも、魔法競技ってなんだろ?
「種目は様々なあって、速さと正確さを競う『ターゲット・シューティング』、威力を競う『ターゲット・クラッシャー』、隠蔽・探知魔法を駆使する『ハイド・アンド・シーク』などだな。あとは、武術クラブと合同で定期的に他の学校と交流戦を行ったり、大会に参加したりするんだ」
へえ~、そんなのがあるんだ……
ようするにスポーツってことだよね。
ここも面白そうだなぁ…
でも、ネーミングが謎だ…
「何で『攻撃魔法研究会』なんです?」
「う~ん…僕もよく分からないんだけど、クラブを設立した人が『魔法競技クラブ』じゃインパクトが薄いとか何とか…結構伝統があるクラブだからね。名前もずっとそのままなんだよ」
「は、はあ…」
よくわからん。
確かにインパクトは多少あるけど。
「どうだい?試しに何か体験してくかい?」
「あ、じゃあ私やります!」
もちろん手を上げたのは、ここの見学を希望したシフィルだ。
「よし。じゃあ、この杖を使うと良い」
「その杖って何なんです?それに、その格好は…」
「あ、カティアはしらないのね。この杖はね、競技用の杖なのよ。主に魔法の威力を減衰させるのが目的ね」
あ~、なるほど。
そのままじゃ例え低級魔法でも殺傷力があるからね。
剣道で竹刀を使うようなものかな?
「で、あの格好も、魔法防御に特化した競技用のローブね。攻撃魔法を撃ち合う対戦競技もあるから、徹底的に安全対策を取ってるってわけ」
「へえ~、面白そう。それにしても…シフィルは活動内容知ってたの?」
「ええ。レティが見せてくれたチラシにも概略が書いてあったじゃない」
……よく見てなかった。
「それじゃあ『ターゲット・シューティング』をやってみようか。これはね、簡単に言えば…次から次へと飛び出す的を魔法で撃ち落とすと言う物だね。素早く魔法を構築する技術と動く的に当てる正確さが求められるんだ。的を砕くだけの威力も必要だね。…まあ、やって見ればすぐ分かるよ」
と会長が説明してくれた。
まあ、今の説明でも何となく分かった。
要するにクレー射撃みたいなものかな?
と言うことでシフィルが実演することに。
「じゃあ、準備はいいかい?」
「はい、いつでもどうぞ!」
数十メートルほど離れたところに待機した先輩が、円盤のようなものを投げる。
「[風矢]!」
パァンッ!
シフィルが杖を前に突き出して風の矢を放つと、的に命中して破壊する。
そして、次々と投げられる的を同じようにして破壊していく。
なるほど。
どうやら、シフィルが立つ場所を要とした扇形に線が引かれていて、その範囲に入った的を撃ち落とす…と言う事みたい。
30回ほどそれを繰り返して終了となった。
「あ~、二つ外しちゃったか~……」
悔しそうにシフィルはそう漏らしている。
いや、あんなに小さな動く的…それも次から次へと連続て投げられるものに、あれだけ命中させるのはかなり難しいだろう。
そんな簡単にパーフェクトなんて出来るものじゃないと思うけど。
「いや、素晴らしいよ!ウチで得意な者でも八割…大会上位者で九割行くかどうかなんだから」
と、会長も絶賛する。
悔しそうにしていたシフィルも、そう言われて満更でもなさそうだ。
長い耳がピコピコしてるよ。
弓を武器にしてるから射撃系は得意なのかも。
「面白そう!わたしもやるー!」
とメリエルちゃんも言い出した。
と言うことで彼女もチャレンジすることに。
…
……
………
「[石弾]!!」
バガンッ!
メリエルちゃんは地系統の初級魔法で的を破壊していく。
こちらも、なかなかの好成績っぽい。
「う~、三つ外した~!」
惜しくもシフィルには一歩及ばずだけど、さっきの話からすれば十分に凄い成績だろう。
その後、シフィルの勧めもあって、レティ、ステラ、私もチャレンジ。
「…五つ外し。悔しいかも」
レティは強力無比な魔法を使うことはできるが、実戦経験的に動く小さな標的に当てるのはやや難しかったらしい。
「私は二つ外しました」
ステラは、シフィルと同じだった。
やはり弓使いは狙いを付けるのが得意なのかも。
そして私の番だが…
「よしっ!パーフェクトだよ!」
どうよっ!?
「…ずるい」
「あれはナシでしょ…」
「ルール的にはどうなんでしょう?」
え、ダメなの?
…[雷龍]は?
「…追尾能力のある魔法は禁止です」
「ガビンッ!?」
「そりゃそーでしょ…」
「いや、しかし驚いたよ…これはぜひ皆さん入会してもらいたいね」
「私は前向きに検討するわ」
シフィルはもともと見学希望してたくらいだから多分入るのだろうね。
他のみんなは、私も含めて他にも入りたいところがあるから微妙なところだけど、メリエルちゃんはちょっと悩んでるみたい。
武術クラブよりはこっちの方が向いてると思うけどな~…
さて、クラブ見学も次が最後かな。
大講堂で演劇クラブと合唱クラブ…どちらも私の希望だ。
どちらも非常に楽しみだ。
ルシェーラとガエル君は良いライバル関係になりそうだね。
そういう存在がいると、きっと強くなるのも早くなるだろう。
次は引き続き攻撃魔法研究会に顔を出す。
武術クラブと同じく訓練場内の反対側の場所に集まっている。
しかし…尖ったクラブだよな~。
実は魔法クラブというのもあって、人気を二分してるらしいのだが…こっちを選んだのはシフィルたっての希望である。
危険な組み合わせのような気がしてならない。
「ようこそ、攻撃魔法研へ。僕が会長のデニスだ」
「「「よろしくお願いします!」」」
会員は結構いて、三~四十人くらいはいそうだ。
会長をはじめ会員たちは皆、制服の上に如何にも魔法使いというようなローブを羽織り、手には短い杖を持っている。
何だか前世の映画で見た、某魔法学園の生徒みたい。
魔法の制御や威力を補助するための、触媒機能を持つ杖と言うのは確かにあるけど……ある程度の技量になるとかえって邪魔になるんだよね。
高価な素材を使った凄い杖とかだと、また話は別だけど。
「では、我々の活動内容を説明しよう。攻撃魔法研究会、などと名乗っているが……要するに魔法競技のクラブだ」
え、そうなの?
名前からして、攻撃魔法をひたすらぶっ放すクラブかと思ったよ。
でも、魔法競技ってなんだろ?
「種目は様々なあって、速さと正確さを競う『ターゲット・シューティング』、威力を競う『ターゲット・クラッシャー』、隠蔽・探知魔法を駆使する『ハイド・アンド・シーク』などだな。あとは、武術クラブと合同で定期的に他の学校と交流戦を行ったり、大会に参加したりするんだ」
へえ~、そんなのがあるんだ……
ようするにスポーツってことだよね。
ここも面白そうだなぁ…
でも、ネーミングが謎だ…
「何で『攻撃魔法研究会』なんです?」
「う~ん…僕もよく分からないんだけど、クラブを設立した人が『魔法競技クラブ』じゃインパクトが薄いとか何とか…結構伝統があるクラブだからね。名前もずっとそのままなんだよ」
「は、はあ…」
よくわからん。
確かにインパクトは多少あるけど。
「どうだい?試しに何か体験してくかい?」
「あ、じゃあ私やります!」
もちろん手を上げたのは、ここの見学を希望したシフィルだ。
「よし。じゃあ、この杖を使うと良い」
「その杖って何なんです?それに、その格好は…」
「あ、カティアはしらないのね。この杖はね、競技用の杖なのよ。主に魔法の威力を減衰させるのが目的ね」
あ~、なるほど。
そのままじゃ例え低級魔法でも殺傷力があるからね。
剣道で竹刀を使うようなものかな?
「で、あの格好も、魔法防御に特化した競技用のローブね。攻撃魔法を撃ち合う対戦競技もあるから、徹底的に安全対策を取ってるってわけ」
「へえ~、面白そう。それにしても…シフィルは活動内容知ってたの?」
「ええ。レティが見せてくれたチラシにも概略が書いてあったじゃない」
……よく見てなかった。
「それじゃあ『ターゲット・シューティング』をやってみようか。これはね、簡単に言えば…次から次へと飛び出す的を魔法で撃ち落とすと言う物だね。素早く魔法を構築する技術と動く的に当てる正確さが求められるんだ。的を砕くだけの威力も必要だね。…まあ、やって見ればすぐ分かるよ」
と会長が説明してくれた。
まあ、今の説明でも何となく分かった。
要するにクレー射撃みたいなものかな?
と言うことでシフィルが実演することに。
「じゃあ、準備はいいかい?」
「はい、いつでもどうぞ!」
数十メートルほど離れたところに待機した先輩が、円盤のようなものを投げる。
「[風矢]!」
パァンッ!
シフィルが杖を前に突き出して風の矢を放つと、的に命中して破壊する。
そして、次々と投げられる的を同じようにして破壊していく。
なるほど。
どうやら、シフィルが立つ場所を要とした扇形に線が引かれていて、その範囲に入った的を撃ち落とす…と言う事みたい。
30回ほどそれを繰り返して終了となった。
「あ~、二つ外しちゃったか~……」
悔しそうにシフィルはそう漏らしている。
いや、あんなに小さな動く的…それも次から次へと連続て投げられるものに、あれだけ命中させるのはかなり難しいだろう。
そんな簡単にパーフェクトなんて出来るものじゃないと思うけど。
「いや、素晴らしいよ!ウチで得意な者でも八割…大会上位者で九割行くかどうかなんだから」
と、会長も絶賛する。
悔しそうにしていたシフィルも、そう言われて満更でもなさそうだ。
長い耳がピコピコしてるよ。
弓を武器にしてるから射撃系は得意なのかも。
「面白そう!わたしもやるー!」
とメリエルちゃんも言い出した。
と言うことで彼女もチャレンジすることに。
…
……
………
「[石弾]!!」
バガンッ!
メリエルちゃんは地系統の初級魔法で的を破壊していく。
こちらも、なかなかの好成績っぽい。
「う~、三つ外した~!」
惜しくもシフィルには一歩及ばずだけど、さっきの話からすれば十分に凄い成績だろう。
その後、シフィルの勧めもあって、レティ、ステラ、私もチャレンジ。
「…五つ外し。悔しいかも」
レティは強力無比な魔法を使うことはできるが、実戦経験的に動く小さな標的に当てるのはやや難しかったらしい。
「私は二つ外しました」
ステラは、シフィルと同じだった。
やはり弓使いは狙いを付けるのが得意なのかも。
そして私の番だが…
「よしっ!パーフェクトだよ!」
どうよっ!?
「…ずるい」
「あれはナシでしょ…」
「ルール的にはどうなんでしょう?」
え、ダメなの?
…[雷龍]は?
「…追尾能力のある魔法は禁止です」
「ガビンッ!?」
「そりゃそーでしょ…」
「いや、しかし驚いたよ…これはぜひ皆さん入会してもらいたいね」
「私は前向きに検討するわ」
シフィルはもともと見学希望してたくらいだから多分入るのだろうね。
他のみんなは、私も含めて他にも入りたいところがあるから微妙なところだけど、メリエルちゃんはちょっと悩んでるみたい。
武術クラブよりはこっちの方が向いてると思うけどな~…
さて、クラブ見学も次が最後かな。
大講堂で演劇クラブと合唱クラブ…どちらも私の希望だ。
どちらも非常に楽しみだ。
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