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第九幕 転生歌姫の学園生活
第九幕 8 『ルシェーラ対ガエル』
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見学に来て早々に対戦することになったルシェーラとガエル君。
試合開始の合図とともに双方飛び出す……と思いきや、お互いに円を描きながら慎重に間合いを測る。
どちらも長大な武器なので、有効な間合いは似たようなものだろう。
「これは意外だね……相手に防御の暇さえ与えないくらいに一気呵成に攻め立てるのがルシェーラの持ち味だと思うんだけど」
「ふ~ん……何か思うところがあるんじゃない?」
それはそうかもしれないね…
この間の魔族との戦いでは、随分悔しい思いをしてたみたいだから。
何か殻を破ろうとしているのかもしれない。
現状を打破して強くなろうと考えた時、自分の長所を突き詰めるのか、新しいことにチャレンジするのか。
それは人それぞれだし、どちらが正しいのかはやってみなければ分からない。
だけど…
「ルシェーラはパワーファイターだけど、考え無しの脳筋じゃないからね。これまでの戦い方だって、自分の長所を最大限に活かすスタイルを考えた結果だと思うし。…まぁ、性格的なところもあると思うけど」
と、分析してる間にも何度か武器を打ち鳴らしているが、まだ牽制の域を出ない。
だが、そろそろ動きがありそうだ。
そして、最初に動いたのはガエル君だった。
「ぜりゃあーーっ!!」
気合とともに振るわれたのは、足元を狙った地を這うような薙ぎ払い。
長大な武器を活かした広範囲の一撃だ。
しかし、ルシェーラは後ろに跳んでこれを躱す。
さらにガエル君が追撃を行う。
薙ぎ払いの勢いを殺さずに巧みに大剣を操り、そのまま上段に振りかぶって更に一歩踏み込んで振り下ろす!
「でぁーーっ!!」
ぶおんっ!!
だが、ルシェーラは着地とともにクルリと回転して振り下ろしの一撃を避けつつ、踏み込んで前がかりになったガエル君に向かって遠心力をたっぷり乗せた槍戦斧を叩き込む!
首を刈り取らんばかりのそれを、ガエル君は身をかがめて頭上スレスレで躱した。
……君たち、寸止めとか大丈夫?
そのままお互いの間合い内での戦いに移行する。
激しい攻防が行われるが、今のところ有効打は無い。
ルシェーラはやはり、防御からの反撃主体で戦う考えのようだ。
これまでとは異なる戦闘スタイルだけど、不慣れな様子は感じさせない。
「なんかさ~、ルシェーラちゃんの戦い方って、カティアに似てない?」
「私に?ん~…確かに、受けて反撃のスタイルで戦うことは多いかも?でも、ケースバイケースだよ」
「まあ、でも実際意識してるんじゃない?武神杯は相当な刺激になったと思うよ。私もそうだし」
ああ、それは私もそうだ。
実に有意義な大会だったよ。
そんな話をしているうちにも激しい攻防が行われていたのだが……
ガンッッ!!!
あっ!?
ルシェーラの槍戦斧が大きく弾かれた!?
マズいよ!!
その隙にガエル君の大剣が襲いかかる……!
しかし!
「はあーーーっっ!!!」
ルシェーラが裂帛の気合を発すると、彼女の周囲に衝撃波が生じる!
「ぐぁっ!?」
もう目前まで迫っていた大剣もろともガエル君が吹き飛ばされた!
これは…『氣』か!!
まさか、こんな隠し玉を持っているとは…
吹き飛んだガエル君が態勢を立て直す前に、逆にルシェーラが槍戦斧を突き付けて、そこでチェックメイト。
「……参った」
「よしっ!そこまでだ!!」
「「「おお~っ!!」」」
熱い戦いの決着に、固唾をのんで見守っていたギャラリーから感嘆の声が漏れた。
可憐な美少女が重量武器を振るって、如何にも強そうな男子生徒を打ち負かしたとあって、大いに盛り上がって喝采があがる。
「手合わせ、ありがとうございました」
そう言ってルシェーラはガエル君に手を差し出す。
「あ、ああ…こちらこそ。強かった」
「あなたも強かったですわ」
固く握手する二人。
うんうん、戦いの後に芽生える友情!
いいね~!
「ですが!これで、あなたがカティアさんに挑戦するなどまだ早いと分かりましたでしょう!少なくとも、まずは私に勝ってからですわ!」
……ちょっと違った。
「…そうだな。先ずはあなたに勝つことを目標としよう」
と、特に怒ったふうでもなく、むしろ…どこか嬉しそうに答えるガエル君なのだった。
「それにしても……さっきの技、いつの間に覚えたの?」
私たちのもとに戻ってきたルシェーラに尋ねる。
あの『氣』を圧縮して放つ技は、武神杯予選で戦ったジリオンさんや……突き詰めれば、あの『獣騎士』が使ったものとも同じものだ。
「ふふっ…私もそれなりに経験から得たものが色々あるという事ですわ。もう何も出来ずに見てるだけなんて…真っ平ごめんですから」
「…そっか、凄いねルシェーラは。今だって十分強いと思うけど、まだまだ強くなるよ。それに、あのガエル君も……私もうかうかしてられないね」
「そうですわよ。きっと、追いついてみせますから!」
眩しい笑顔でそう宣言する彼女。
本当に、尊敬できると思う。
「ねえねえ!私も強くなれるかなっ!?」
「え?え~と、そ、そうだね…沢山努力すれば、少なくとも今よりは強くなると思うよ?」
メリエルちゃんに聞かれてそう答えるが…ゴメン、さすがに断言出来なかった。
人間、得手不得手ってあるよね…
試合開始の合図とともに双方飛び出す……と思いきや、お互いに円を描きながら慎重に間合いを測る。
どちらも長大な武器なので、有効な間合いは似たようなものだろう。
「これは意外だね……相手に防御の暇さえ与えないくらいに一気呵成に攻め立てるのがルシェーラの持ち味だと思うんだけど」
「ふ~ん……何か思うところがあるんじゃない?」
それはそうかもしれないね…
この間の魔族との戦いでは、随分悔しい思いをしてたみたいだから。
何か殻を破ろうとしているのかもしれない。
現状を打破して強くなろうと考えた時、自分の長所を突き詰めるのか、新しいことにチャレンジするのか。
それは人それぞれだし、どちらが正しいのかはやってみなければ分からない。
だけど…
「ルシェーラはパワーファイターだけど、考え無しの脳筋じゃないからね。これまでの戦い方だって、自分の長所を最大限に活かすスタイルを考えた結果だと思うし。…まぁ、性格的なところもあると思うけど」
と、分析してる間にも何度か武器を打ち鳴らしているが、まだ牽制の域を出ない。
だが、そろそろ動きがありそうだ。
そして、最初に動いたのはガエル君だった。
「ぜりゃあーーっ!!」
気合とともに振るわれたのは、足元を狙った地を這うような薙ぎ払い。
長大な武器を活かした広範囲の一撃だ。
しかし、ルシェーラは後ろに跳んでこれを躱す。
さらにガエル君が追撃を行う。
薙ぎ払いの勢いを殺さずに巧みに大剣を操り、そのまま上段に振りかぶって更に一歩踏み込んで振り下ろす!
「でぁーーっ!!」
ぶおんっ!!
だが、ルシェーラは着地とともにクルリと回転して振り下ろしの一撃を避けつつ、踏み込んで前がかりになったガエル君に向かって遠心力をたっぷり乗せた槍戦斧を叩き込む!
首を刈り取らんばかりのそれを、ガエル君は身をかがめて頭上スレスレで躱した。
……君たち、寸止めとか大丈夫?
そのままお互いの間合い内での戦いに移行する。
激しい攻防が行われるが、今のところ有効打は無い。
ルシェーラはやはり、防御からの反撃主体で戦う考えのようだ。
これまでとは異なる戦闘スタイルだけど、不慣れな様子は感じさせない。
「なんかさ~、ルシェーラちゃんの戦い方って、カティアに似てない?」
「私に?ん~…確かに、受けて反撃のスタイルで戦うことは多いかも?でも、ケースバイケースだよ」
「まあ、でも実際意識してるんじゃない?武神杯は相当な刺激になったと思うよ。私もそうだし」
ああ、それは私もそうだ。
実に有意義な大会だったよ。
そんな話をしているうちにも激しい攻防が行われていたのだが……
ガンッッ!!!
あっ!?
ルシェーラの槍戦斧が大きく弾かれた!?
マズいよ!!
その隙にガエル君の大剣が襲いかかる……!
しかし!
「はあーーーっっ!!!」
ルシェーラが裂帛の気合を発すると、彼女の周囲に衝撃波が生じる!
「ぐぁっ!?」
もう目前まで迫っていた大剣もろともガエル君が吹き飛ばされた!
これは…『氣』か!!
まさか、こんな隠し玉を持っているとは…
吹き飛んだガエル君が態勢を立て直す前に、逆にルシェーラが槍戦斧を突き付けて、そこでチェックメイト。
「……参った」
「よしっ!そこまでだ!!」
「「「おお~っ!!」」」
熱い戦いの決着に、固唾をのんで見守っていたギャラリーから感嘆の声が漏れた。
可憐な美少女が重量武器を振るって、如何にも強そうな男子生徒を打ち負かしたとあって、大いに盛り上がって喝采があがる。
「手合わせ、ありがとうございました」
そう言ってルシェーラはガエル君に手を差し出す。
「あ、ああ…こちらこそ。強かった」
「あなたも強かったですわ」
固く握手する二人。
うんうん、戦いの後に芽生える友情!
いいね~!
「ですが!これで、あなたがカティアさんに挑戦するなどまだ早いと分かりましたでしょう!少なくとも、まずは私に勝ってからですわ!」
……ちょっと違った。
「…そうだな。先ずはあなたに勝つことを目標としよう」
と、特に怒ったふうでもなく、むしろ…どこか嬉しそうに答えるガエル君なのだった。
「それにしても……さっきの技、いつの間に覚えたの?」
私たちのもとに戻ってきたルシェーラに尋ねる。
あの『氣』を圧縮して放つ技は、武神杯予選で戦ったジリオンさんや……突き詰めれば、あの『獣騎士』が使ったものとも同じものだ。
「ふふっ…私もそれなりに経験から得たものが色々あるという事ですわ。もう何も出来ずに見てるだけなんて…真っ平ごめんですから」
「…そっか、凄いねルシェーラは。今だって十分強いと思うけど、まだまだ強くなるよ。それに、あのガエル君も……私もうかうかしてられないね」
「そうですわよ。きっと、追いついてみせますから!」
眩しい笑顔でそう宣言する彼女。
本当に、尊敬できると思う。
「ねえねえ!私も強くなれるかなっ!?」
「え?え~と、そ、そうだね…沢山努力すれば、少なくとも今よりは強くなると思うよ?」
メリエルちゃんに聞かれてそう答えるが…ゴメン、さすがに断言出来なかった。
人間、得手不得手ってあるよね…
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