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第十幕 転生歌姫と忍び寄る戦火
第十幕 33 『リヴェティアラ』
しおりを挟む「う~ん……」
「ママ、どうしたの?」
「ん?ああ、ほら…さっきの赤ちゃん」
「うにゃ~、かわいかったねぇ~」
お義母さまが無事に元気な女の子を出産した翌日である。
昨日は夜遅かったので、今朝は少し遅めに起きたのだが…昨夜の話を聞いたミーティアが赤ちゃんを見たいとせがんだので、先程再びお義母さまの部屋を訪れたところだ。
流石に昨日の今日なので長居せずに戻ってきた。
「名前を付けるのをね、頼まれちゃったんだよ」
「なまえ?」
「そう。どうしようかな~って考えてたところ」
「ふ~ん……じゃあ、私もいっしょにかんがえる!」
「ふふ、そうだね。一緒に考えようか」
そうして、私はミーティアと一緒に名前を考えるのだが…
紙に書き出したりしていろいろ案を出すけど、どうもしっくり来ない。
なお、ミーティアが出した候補は『タルト』『マドレーヌ』『サブレ』『ショコラ』『ポテチ』…etc.
全部お菓子の名前じゃないか……
っていうか、ポテチまであるんかい。
「やっぱりさあ、名前の由来って大事だよねぇ…」
「ゆらい?」
「そう。例えば、あなたの名前は小さいカティアからもじったものだし。あとは『流星』って意味もあるよ」
「へ~」
「…私に命名をお願いしてくれたのは、やっぱり『縁』があるからなんだよね。そうすると、私の名前の一部から……カ、ティア………ティア……『ティアラ』というのはどうかな?」
「かわいい!」
ミーティアには好感触、と。
どうだろうか?
お姫様っぽいイメージで可愛らしさと気品を感じさせるのではないだろうか。
そして、今気付いたけど、レーヴェラントの守護神とも言えるリヴェティアラ様とも繋がるし、なかなか良いのでは。
候補としてお義母さまに後で伝えてみよう。
さて、今日の午前はテオとお出かけである。
目的はエメリール神殿。
この街にはリヴェティアラ神殿は当然として、リル姉さんの神殿もある。
最近知った事実などについて話をしたいと思ったのだ。
特に、賢者のことについて。
アクサレナみたいにぶらぶらと徒歩で…とは流石にならず、護衛をわんさと伴って馬車での移動だ。
「街歩きもしたかったけど」
「まぁ、いずれな。今は何かとキナ臭いからな…」
「うん、わかってるよ」
婚約パーティーの時は何事もなかったけど、ここに来るときに襲ってきた『黒爪』なんて暗殺集団があるからね…
鋭意捜索してるとのことだけど、壊滅させるには時間がかかるだろう。
そして、王城からそれほど距離が離れているわけでもないので直ぐに到着した。
総本山たるアクサレナのものと比べれば小振りだけど、十分に立派なものだ。
中に入って神像の前に跪き祈りを捧げる。
すると、もうすっかり慣れたあの感覚とともに、私の意識は神界へと招かれるのだった。
「こんにちは、リル姉さん」
「こんにちは、カティア。それに、テオフィルスも」
「え!?」
リル姉さんのその言葉に横を見ると、確かにテオが居た。
「こんにちは、エメリール様。今回は俺も…?」
そう挨拶を返すが、やや困惑した様子。
「ええ。今日はあなたに会ってみたいという神がいたから…」
「テオに会いたいひと?」
はてな?と首を傾げていると…
「私の事よ」
と、突然後ろから声がかかった。
振り返ると、そこにいたのはリル姉さんにも劣らぬ美貌を持つ女性。
鳶色の髪と瞳。
髪は腰に届くくらいの長さでストレートに下ろしている。
薄衣に包まれた肢体は細くしなやかだが、出るところは出ていて女性的な魅力に溢れてる。
…というか露出過多のような気が。
とってもセクシー…というか、えろい。
「ああ、そっちの坊やが私の眷族なのね」
「ぼ、坊や……」
坊や呼ばわりにちょっとショックな様子のテオ。
そうだよ!
テオは大人っぽいんだぞ!
…って。
テオを眷族と言うことは…
もしかして、この方が?
「もう分かったと思うけど、私がリヴェティアラよ。よろしくね」
こうして、私達は初めてリヴェティアラ様との邂逅を果たすのであった。
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