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第十幕 転生歌姫と忍び寄る戦火
第十幕 35 『転生の謎』
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ついにテオに私の秘密を話した。
かつて『異界の魂』に襲われたことは既に話していたが、その際に本来の【私】の魂が多大な損傷を負ったこと。
【私】の魂を救うために、リル姉さんの助力によって別世界の【俺】の魂が私の中に入ったこと。
そして、二つの魂が混ざり溶け合い、今の私がいること。
「私はこの世界で生まれた【私】であり、別の世界からやって来た【俺】でもある。……今は二つの魂は混じり合ってるけど、人格は元の私がベースっぽい感じ。あ、もちろん自分は女の意識だよ」
「……そう、だったのか」
それまで黙って聞いてくれていたテオは、流石に驚きの表情でそう呟くのが精一杯の様子だ。
…やはり怖い。
でも、テオならきっと受け入れてくれると信じている。
だから、全て話そうと覚悟を決めたんだ。
「そう不安そうな顔をするな。大丈夫だ」
「…気持ち悪くない?男の記憶があるなんて…それに、ずっと騙していたみたいなものだし…」
「あくまで意識は女なんだろ?」
「う、うん。最初の頃は色々複雑だったけど、今はもう」
「それに、秘密を抱えていたというのであれば、俺は人のことは言えないな」
「……テオ」
「大丈夫だ。今の話を聞いたからと言って、俺がお前を愛してると言う気持ちは揺るがない」
テオはそう言って私を抱き寄せて、子供をあやすように頭を撫でてくれる。
「…ありがとう」
彼の腕に抱かれて、私は嬉しさでそっと涙を流した。
「なかなかやるわね。それでこそ私の眷族というものよ」
「よかったわね、カティア」
それまで成り行きを見守っていた二神が言う。
ちょっと恥ずかしいけど、これでスッキリできたかな。
「言われてみれば、少し男っぽいところもある…のか?」
「あ、それは元からだね。どうも、性格が似てるんだよね~。まぁ、魂の波長が殆ど同じって言うんだからね」
「そうか。確かにある日を境に性格が変わったら、ダードさん達は気付くだろうしな」
「そだね。身体に持っていた記憶とかも引き継げたから、そこは割と自然だったと思う」
父さんたちにも話すべきかな?
う~ん……取りあえず後回しで。
「で、今回この話をしたのは……賢者様の話と関係があるんだよ」
「あなたと賢者の関係?」
「アスティカントの賢者の塔の秘密の部屋で当の本人…の映像記録でその姿を見たんだけど……前世の【俺】と同じ姿だった」
「…どういうことかしら?」
「何でなのかは分からないけど。名前も同じだったし……【俺】の最後の記憶の時点よりも少し歳を取っていた事、【俺】の知らないゲームの『イベント』を知っていたこと。それから考えられるのは、彼は……【俺】がいた世界の未来からやってきたか、もしくは【俺】の記憶が失われているか」
「偶然……ではなさそうだな」
「うん。あの人はとても他人の空似とは思えない。それで、リル姉さんなら【俺】の前世のこともある程度は知ってるかな、と思って…」
難しそうな顔をして私の話を聞いていたリル姉さんに話を振る。
だが、リル姉さんは申し訳無さそうな表情で答える。
「ごめんなさい、私にもどういう事なのかは分からないわ。私はあくまで、あなたの魂に残された記憶を読み取っただけだから……ただ一つ言えることは、そのような記憶はあなたの魂の中には無かったわ」
「そう、なんだ…」
そうすると、謎は謎のまま…か。
まぁ、そのへんの経緯をリル姉さんが知っているなら教えてくれるだろうし。
……また何かうっかりで忘れてただけかも、と思ってたのは秘密。
「何だか失礼なことを考えて「いいえ?」……可能性を語るのであれば。もしかしたら、あなたは過去に一度この世界にやってきていた。そして、今のあなたの魂は何らかの要因で輪廻に帰ることなくこの時代で私に見出された……ということなのかもしれないわね」
「そっか、その可能性は考えてなかったな。そうすると、賢者はやっぱり私自身だった可能性がある、と」
それも想像に過ぎず、結局のところ確証が得られたわけではないけど…少しだけモヤモヤが晴れたかな。
かつて『異界の魂』に襲われたことは既に話していたが、その際に本来の【私】の魂が多大な損傷を負ったこと。
【私】の魂を救うために、リル姉さんの助力によって別世界の【俺】の魂が私の中に入ったこと。
そして、二つの魂が混ざり溶け合い、今の私がいること。
「私はこの世界で生まれた【私】であり、別の世界からやって来た【俺】でもある。……今は二つの魂は混じり合ってるけど、人格は元の私がベースっぽい感じ。あ、もちろん自分は女の意識だよ」
「……そう、だったのか」
それまで黙って聞いてくれていたテオは、流石に驚きの表情でそう呟くのが精一杯の様子だ。
…やはり怖い。
でも、テオならきっと受け入れてくれると信じている。
だから、全て話そうと覚悟を決めたんだ。
「そう不安そうな顔をするな。大丈夫だ」
「…気持ち悪くない?男の記憶があるなんて…それに、ずっと騙していたみたいなものだし…」
「あくまで意識は女なんだろ?」
「う、うん。最初の頃は色々複雑だったけど、今はもう」
「それに、秘密を抱えていたというのであれば、俺は人のことは言えないな」
「……テオ」
「大丈夫だ。今の話を聞いたからと言って、俺がお前を愛してると言う気持ちは揺るがない」
テオはそう言って私を抱き寄せて、子供をあやすように頭を撫でてくれる。
「…ありがとう」
彼の腕に抱かれて、私は嬉しさでそっと涙を流した。
「なかなかやるわね。それでこそ私の眷族というものよ」
「よかったわね、カティア」
それまで成り行きを見守っていた二神が言う。
ちょっと恥ずかしいけど、これでスッキリできたかな。
「言われてみれば、少し男っぽいところもある…のか?」
「あ、それは元からだね。どうも、性格が似てるんだよね~。まぁ、魂の波長が殆ど同じって言うんだからね」
「そうか。確かにある日を境に性格が変わったら、ダードさん達は気付くだろうしな」
「そだね。身体に持っていた記憶とかも引き継げたから、そこは割と自然だったと思う」
父さんたちにも話すべきかな?
う~ん……取りあえず後回しで。
「で、今回この話をしたのは……賢者様の話と関係があるんだよ」
「あなたと賢者の関係?」
「アスティカントの賢者の塔の秘密の部屋で当の本人…の映像記録でその姿を見たんだけど……前世の【俺】と同じ姿だった」
「…どういうことかしら?」
「何でなのかは分からないけど。名前も同じだったし……【俺】の最後の記憶の時点よりも少し歳を取っていた事、【俺】の知らないゲームの『イベント』を知っていたこと。それから考えられるのは、彼は……【俺】がいた世界の未来からやってきたか、もしくは【俺】の記憶が失われているか」
「偶然……ではなさそうだな」
「うん。あの人はとても他人の空似とは思えない。それで、リル姉さんなら【俺】の前世のこともある程度は知ってるかな、と思って…」
難しそうな顔をして私の話を聞いていたリル姉さんに話を振る。
だが、リル姉さんは申し訳無さそうな表情で答える。
「ごめんなさい、私にもどういう事なのかは分からないわ。私はあくまで、あなたの魂に残された記憶を読み取っただけだから……ただ一つ言えることは、そのような記憶はあなたの魂の中には無かったわ」
「そう、なんだ…」
そうすると、謎は謎のまま…か。
まぁ、そのへんの経緯をリル姉さんが知っているなら教えてくれるだろうし。
……また何かうっかりで忘れてただけかも、と思ってたのは秘密。
「何だか失礼なことを考えて「いいえ?」……可能性を語るのであれば。もしかしたら、あなたは過去に一度この世界にやってきていた。そして、今のあなたの魂は何らかの要因で輪廻に帰ることなくこの時代で私に見出された……ということなのかもしれないわね」
「そっか、その可能性は考えてなかったな。そうすると、賢者はやっぱり私自身だった可能性がある、と」
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