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幕間
幕間16 『臨時パーティー』
しおりを挟む「さて、これで私達も冒険者になったわけだけど……依頼はどうしようか?」
「パーティー組むのも初めてなんだから、無難な依頼が良いんじゃないかな?」
「とは言っても…王都近郊は魔物も少ないから討伐依頼はあまりありませんわ。採取とか雑用なら多いのですけど」
「う~ん…折角パーティー組むんだから、討伐依頼受けたいよね…」
ギルド員登録が終わった彼女たちは依頼掲示板の前で、これからどうしようかと話し合いをしているところなのだが…既にピークも過ぎたこの時間帯では、あまり興味を惹くような依頼は残っておらず。
どうしたものか…と悩んでいると、シフィルが思い出したかのように提案する。
「じゃあさ…迷宮に行ってみない?」
「『迷宮』?」
「そう。浅い場所は初級者でもそれほど危険は無いって聞くし。肩慣らしにはちょうど良いかなって」
「でも、いくら難易度がそれほどじゃないって言っても、それなりの準備が要るのでは?」
「1~5階層くらいならそうでもないみたいよ。でも…流石に斥候は必要かもね…」
王都近郊にあるダンジョンはかなり大規模なもので、世界中から一攫千金を夢見る冒険者が集う。
入り口は何箇所があるが、このギルドからだと徒歩で数十分と言ったところか。
「ルシェーラは知り合いに斥候の人はいないの?」
「心当たりは一人いらっしゃいますけど…確か今王都に不在だったかと」
彼女の心当たりとは、エーデルワイスのロウエンの事だ。
彼なら実質Aランクの凄腕斥候なので、もし加わってくれるのならば心強いのは確かなのだが。
生憎と別の依頼で不在となっているはずだ。
…なぜルシェーラがロウエンの予定を押さえてるかと言えば…
「ああ、リーゼ先生の彼氏さん?確か二人で遺跡探索の依頼に出かけてるとか…」
ということである。
二人の関係に関する噂は、既に学園では有名になってたりするのである。
知らぬは本人ばかりなり…
「二人きりというわけでは無いみたいですけど。あそこも早くくっつけば良いですのに…」
なんとも焦れったく思うルシェーラである。
「まあ、いない人はアテに出来ないし…どうしたものか」
「…あなた達、話は聞かせてもらったわよ」
と、そこで声をかけてくる人物が。
特に大声で喋っていたわけではないが、ヒソヒソ話でもなかったので近くで聞いていたのであろう。
「どう?私をパーティーに入れてもらえない?こう見えてもそこそこ腕の良い斥候だって自負してるんだけど」
「あなたは…」
「あ!?あなたは…レイラさんではないですか!」
「え?…ああ!?ルシェーラお嬢様!?」
「ねえねえルシェーラちゃん、知ってる人?」
「え、ええ…ブレゼンタムで冒険者をされていた方で……王都に来てらしたんですのね」
「はい、最近来たばかりですけど…まさかお嬢様にお会いするとは思いませんでしたよ。じゃあさっき話に出てきたリーゼ先生って…」
「ええ、あのリーゼさんですわよ。今は学園の教師で、私達の先生ですわ」
「ふぁ~…そんな事になってたんだ…」
声をかけてきたのは、かつてブレゼンタムの街で名を馳せたパーティー『鳶』の一員だったレイラであった。
どうやら彼女は、相方であり恋人のレダと共に最近王都にやって来たらしいのだが、そのレダが依頼で負傷して療養が必要になったため、臨時のパーティーを探していた…ということらしい。
「で、パーティーメンバーの募集が無いか見ようと思ったら、あなた達の話が聞こえてきて…女性だけのパーティーみたいだから安心だし…と思って声をかけたって訳よ」
「そうだったんですね。シフィルさん、如何でしょうか?レイラさんはCランク…いえ、Bランクに昇格されたのでしたっけ?」
「ええ。昇格試験も合格して、今はBランクね」
「…と、ベテランの斥候の方ですので、パーティーに入ってもらえるのなら心強いですわよ」
「そうね…これも何かの縁、お願いできますか?」
「こちらこそ是非。蓄えはあるのだけど、どうにもヒマだったから…レダが復帰するまでだけど、それでも良いならお願いしたいわ」
「私達も学園の休みが終わるまでなので、ちょうど良いですね。よろしくお願いします」
「「「よろしくお願いします!」」」
「こちらこそ、よろしくね」
こうして、ベテラン冒険者レイラと学園女子の臨時パーティーが結成されたのであった。
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