【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

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幕間

幕間17 『ガールズパーティーが行く』

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「おっと、そこ気を付けて。トラップっぽいから」

「はい!え~と、あそこの色が違う床ですかね」

「そうそう。それっ!」

 シュンッ!
 シュシュンッ!!

 タタタッ!!

 レイラがトラップと思しき床に小石を投げつけると、予想通り罠が作動して複数の矢が飛来して壁に突き立った。


「うん、まだまだ初歩的なやつだね。階層も浅いし致命的なトラップは無いと思うけど…油断はしないようにね」

「「「は~い!」」」

 まるで引率の先生にレクチャーを受けたかのように元気よく返事をする。

 いや、実際ベテラン冒険者のレイラは先生役なのかもしれない。










 臨時パーティーを結成したルシェーラ達学園生とレイラは、早速王都近郊のダンジョンにチャレンジしていた。
 すでに何度か潜って、中層までは到達したことがあるレイラは案内役を買って出て、彼女たちにダンジョンの事をレクチャーしながら進んでいるのであった。


「でも、良かったんですか?私達に付き合ってもらって……レイラさんみたいなベテランの方だと、この辺を探索していても実入りが少ないのでは?」

 学園組で一番の気遣いの人、ステラがそう尋ねる。
 ダンジョンに入ってからまだそれほど立っていないが、レイラの立ち居振る舞いはベテラン冒険者のそれであることは直ぐに分かったので気になったのだ。

「いいのいいの。言ったでしょ、ヒマだったって。これでも結構稼いで蓄えもあるからね。女の子だけのパーティーってのにも興味あったし、後進の面倒を見るのも悪くない…ってね」

「私達としてはとても助かりました。流石は元『鳶』のメンバーですわ」

「『鳶』かぁ…何だか懐かしいね。でも、解散してまだ一年も経ってないのよねぇ……そうそう、カティアちゃんは元気?って、お姫様だったんだよね。ちゃん呼ばわりはマズいか…」

 なお、レイラはこのメンバーが王族や高位貴族ばかりだというのは自己紹介で既に聞いている。
 だが気軽に接してほしいとの願いもあって、普通に話すようにしている。
 レイラ自身がサバサバした性格だというのもあるだろうが、もうかなり打ち解けている様子だ。


「ふふ、大丈夫ですわよ。むしろ親しい友人が接し方を変えたりしたら悲しみますわよ」

「そっか。じゃあ変わってないんだ、良かったわ。でも、隣国の王子様と婚約しちゃったんだよね……カイトとお似合いと思ってたけど、流石に一国のお姫様とじゃ結ばれないか…」

 そのレイラの言葉に、思わず顔を見合わせるルシェーラ達。

「ん?どうしたの?」

「え~と…なんと言いますか。その隣国の王子様、というのがカイト様のことでして…」

「……え?」

 予想もしなかった回答に、直ぐには理解が追いつかないレイラ。
 思わず間の抜けた声でオウム返しに聞き返す。

「ですから、レーヴェラントの第三王子テオフィルス様がカイト様の正体なのですわ」

「……あ~、そういう事かぁ~。おかしいと思ったのよね、あの二人が別れるなんて。無理矢理婚約させられたとか思ってたわ」

「ふふ…もしそうでしたら、あのカティアさんが大人しくしてるはずが無いですわね」

「それもそうね。…それにしても、あのカイトまで王族だったなんて。もしかしたら貴族の三男坊くらいかな~、なんて思ったりはしたんだけどさ」

 立ち居振る舞いなど、ただの庶民とは思えないところがあったので、もと『鳶』の面々の間ではそんな予測がされてたりした。


「でも、良かった。ちゃんとくっついてくれて。色々画策した甲斐があるってものよ」

 そう言うレイラの表情は、心から喜んでいるのがよく分かる優しいものだった。


「…と、お喋りしてる間に随分進んだわね。もうそろそろ第二層に降りる階段があると思うけど…どうする?」

 第一層はおよそ一時間ほど探索してきた。
 何度か魔物とも遭遇したが、何れもごく低級でルシェーラとシフィルが瞬殺してしまい、およそ戦闘と呼べるようなものではなかった。
 宝箱もいくつか発見したが、中身は銅貨数枚とか、錆びついた短剣ダガーとか、殆ど値打ちのないものばかり。

「ん~、やっぱり低層階だと手応えも実入りも無かったからね…まだ時間もあるし、先に進みましょうか?」

 物足りなげであったシフィルがそう確認するが、それは他の皆も同じ思いであった。
 慎重派のステラも特に反対しない。

「では、もう少し進みましょうか。よろしいですか、レイラさん?」

「分かったよ。まぁまだまだ序の口だからね。でもダンジョンは何が起きるか分からないところがあるから、油断はしないようにね」

「「「はい!」」」




 そうして、ガールズパーティーは更にダンジョンを潜っていくのであった。

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