【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

文字の大きさ
347 / 683
第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉

第十一幕 3 『酔っぱらい』

しおりを挟む

「では次は我だな。お初にお目にかかる。我の名はイクセリアスという。以後、よしなに」

 古風な喋り方をするイクセリアス様は『時を司る神』と言われている。
 黒髪黒目、中肉中背の余り目立った特徴の無い方だけど、落ち着いた大人の雰囲気。
 ……時を司るとか、もしかして最強だったりしないだろうか?

「ふむ…『司る』とか『最強』と言われるほど万能では無いな。時の流れに逆らって遡る事は出来ぬし、完全に止めることも出来ぬ。我に出来ることはたかが知れている」

 …心を読まないで?






「……それがしはヘリテジア。よろしく」

 ……無口な神様ひとだね。
 フードを目深に被って外見がよく分からない…
 ヘリテジア様は『知恵の神』だ。
 実は『学園』に小さな神殿…と言うかやしろがあったりする。
 そう言えば、アスティカントにも大きな神殿があった。





「おっす!俺はシャハルってんだ!よろしくな!」

 どこかの戦闘民族の人みたいな挨拶をするのはシャハル様。
 金髪でツンツンした髪に紅い瞳。
 上半身は裸にベストだけ羽織って、ゆったりとしたズボン…ターバンはしていないけど、アラビア風みたい?
 『空間を司る神』と言われている。
 イクセリアス様と対になる感じなのかな。





「私が最後かしら。私はシェラフィーナと言います。シャハルの妹で、『魔を司る神』と呼ばれてますわ。よろしくお願いしますね」

 最後ににこやかに挨拶をしてくれたのは、シェラフィーナ様。
 ルシェーラみたいに丁寧な口調。
 黒髪黒目で服装も黒ずくめ。
 見た目はリナ姉さんと同じくらいの少女だ。
 とんがり帽子の、いわゆる魔女みたいな格好。
 魔……つまり魔法全般を司る神様ということだね。
 レティはこの方の加護とか貰ってたりするんじゃないかな…

「いいえ?最近は特に誰かに加護を与えたりはしてませんわよ」

 だから…心を読まないで……





 こうして、私達は12神の全員と邂逅を果たすのだった。
 …改めて考えても凄いことだよ。



 お互いに紹介も終わったところで、神々の宴は本格的に始まる。

 こうして皆で集まってワイワイ騒ぐのは私達人間とそう変わらず、最初は緊張したけど次第に打ち解けることができた。

 ミーティアは言わずもがな。
 皆に可愛がられてたくさん食べ物を勧められてご満悦の様子。

 テオは私よりも緊張した様子だったけど、大分慣れてきたかな?




「おぅ、カティア。飲んでるかぁ?ほれ、まぁ一杯やんな」

 すっかり出来上がった(神様も酒に酔うんだね…)オキュパロス様が、私に酒を勧めてきた。

 う~ん……神界の精神体の状態でも酔うのかな?
 神様たちはほろ酔い加減って感じだけど。
 …肉体が無いんだし、心の持ちよう次第かも?
 だったら試してみても…

「じゃあ、一口だけ…」

「お、おい!カティア!!」

「んふ~、テオちゃんはこっちよ~」

「うわ!?ちょ、ちょっと…!」

 テオが私を止めようとするが、リヴェティアラ様に捕まって行ってしまった。
 むむむ…あっちも気になるけど…
 お酒飲みたい!!(反省なし)


「よし、ぐいっと行きな!!こいつぁ、美味ぇ酒だからな、よく味わうんだぞ」

 オキュパロス様の持つ酒瓶には、『銘酒神殺し』って書いてある…
 え?ヤバくない!?

 だが、ここまできて断ることは出来ない。
 私は意を決して盃に口を付ける…

「……こくっ……あ、美味しい」

 なんだか日本酒みたいなんだけど(酒瓶もそんな感じだった)、口当たりが爽やかで甘すぎず辛すぎず飲みやすい感じ。

「そうだろう!ディザールの取って置きの一本だからよ。ほれ、もっと飲みな」

 あ、ディザール様が持ってきたんだ。
 やっぱり和風好みなんだね。

 そして、私は勧められるままに注がれたものを飲み干す。
 喉からお腹の奥の方までカッと熱くなった。
 かなり度数があるみたい。

 ……今更ながら、大丈夫だろうか?



















「ほら~、オキュピー!もっろのみなさい~!」

「お、おうよ(こいつ、酒癖悪ぃな…)」

 あはは~!
 お酒おいしぃ~!

 気分もふわふわ~


「ねえ、カティア…そのへんにしておいたら?少し飲みすぎよ」

「らいじょ~ぶらよ、リルねぇさん!まらまら、わらしはのめますよ~!ヒッく!」

「うわ~…すっかり出来上がってるねぇ…。精神体でここまで酔えるものなんだ…」

「勧めた俺が言うのも何だが…やべぇな、こいつ」

「だが、少し羨ましいな。我らはそこまで酔えないからな。地上にいた頃が懐かしくなる」

 ん~?
 なんだか私のことを生暖かい目で見てるね~。
 ちょっとお酒が足りないんじゃないの?

「ほら~、みんなもっろのみなさい~」


「……やはりこうなるのか」

 あ、テオだ!
 んふ~、ごろごろすりすり。


「まあ…お二人は本当に仲が良いのですわね」

「私に恋愛相談してた頃からは想像もつかない姿よね」

「そうね…でも、そろそろ何とかした方が良いんじゃないかしら…?」

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...