380 / 683
第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉
第十一幕 36 『突破口』
しおりを挟む
樹海の試練。
数多のトレントに囲まれながらの『王樹』との戦いは熾烈を極めていた。
圧倒的な物量が押し寄せるのを凌ぎながら巨大なボスとの戦闘を強いられるのは、まさしく試練であった。
何とか突破口は無いものかと模索しているとき、ミーティアが発見したのは王樹のうろだった。
そこから漏れ出る光…そこに突破口があるのかも知れないと、私は思うのだった。
「みんな!少しの間お願い!!」
「カティア様…?」
「私はあそこのうろを調べて見る!!だから、その間……」
この状況で一人抜けるのは危険だが…このままでも何れはやられてしまう。
だったら、イチかバチか……
「任されましたわ!!」
「俺も印を発動する!だからその間に!」
「私も、もう魔力の温存は考えません!!」
「みんな……ありがとう!!」
みんなも賭けに乗ってくれたようだ。
「ですが、どうやってあそこまで…?」
ケイトリンの問も尤もだ。
王樹の高さは少なく見積もっても50メートルは下らないだろう。
うろはその半ばほどの高さに口を空けており、そこまでの間には取っ掛かりとなる枝等も無いので到達するのが困難だ。
シフィルがいれば、飛翔の魔法が使えたのだが。
しかし……
私は魔法を使うため本来の杖形態にしていたリヴェラに、あるイメージを伝える。
それを汲んでリヴェラは形態を変化させた。
「こうするんだよ!」
私はそう言いながら、リヴェラが変化した……先端に鉤の付いた長い鎖を振り回し、勢いをつけてうろの少し上にある枝に向かって投げつけた!
「おお!」
ジャラジャラと音を立てた鎖は、狙い違わず枝に巻き付く。
そして、それを頼りに私は跳躍して、王樹の幹を蹴りながら登っていく。
しかし、それを邪魔しようと王樹の枝が襲いかかってくる!
ドォーーーンッッ!!
だが、その攻撃は爆発によって逸らされた。
少し爆風にあおられるが、駆け登るのは止めない!
「ママのジャマはさせないの!!」
どうやらミーティアが[爆裂]の魔法で支援してくれたようだ。
「ミーティア!助かったよ!あともう少し…!」
巨体をくねらせ、私を払い落とすように枝が襲いかかってくるが、ミーティアの支援によって何とか登っていく。
そして、ついに……!!
「よしっ!!」
私は一気に飛び込むようにうろの中にはいった!
……これが、王樹の中?
勢い余って前回り受け身を取りながら中に入った私は、直ぐに立ち上がってうろの内部を見渡した。
リヴェラは再び変化させて、片手剣形態にしている。
その空間は思ったよりも遥かに広い。
明らかに王樹の外観よりも大きな空間だ。
ぼんやりと光に照らされて視界は悪くない。
そして目を引くのは、淡い緑の光を放つ球体。
直径1メートル程のそれは、根のようなもので空中に繋がれていた。
そこから魔力の波動が放たれている。
やはり……これが魔核か。
これを破壊すればきっと……!
私は一気に近付いて、魔核を破壊するべく剣を振りかぶる。
しかし…
キィーーーーンッッ!!
「くっ!?」
超音波のような衝撃波が襲い来る!
流石に王樹もただ破壊されるのを待つだけではないか。
だが、これくらいなら……
無理矢理押し通す!!
「せやぁーーーーっっ!!!」
衝撃波に押し負けないように、裂帛の気合を発して渾身の一撃を振るう!!
ガキィンッッ!!
「なっ!?」
硬い金属音を発して私の攻撃は弾かれた。
リヴェラは神器なのに……いや、魔核に当たる寸前に何かの結界のようなものがあったような気がする。
だったら…!
私はここでディザール様の印を発動!
青い光に包まれてリヴェラが輝きを放つ。
今度は破壊の力を一点に集中するべく、神速の突きを繰り出す!
キィーーーーンッッ!!
再び衝撃波が襲ってくるが、構わずに踏み込む!
突き出した右腕の血管が破裂し血しぶきが舞う。
それでも痛みを無視して渾身の一撃を見舞う!
リヴェラの先端が魔核に届こうとするとき、直前で確かに何らかの障壁に阻まれようとする。
構うもんか!
無理矢理一点突破だっ!!
そして、ついに……!
バリィンッッ!!
ガラスが割れるような甲高い破砕音とともに、結界もろとも魔核は砕け散るのだった。
数多のトレントに囲まれながらの『王樹』との戦いは熾烈を極めていた。
圧倒的な物量が押し寄せるのを凌ぎながら巨大なボスとの戦闘を強いられるのは、まさしく試練であった。
何とか突破口は無いものかと模索しているとき、ミーティアが発見したのは王樹のうろだった。
そこから漏れ出る光…そこに突破口があるのかも知れないと、私は思うのだった。
「みんな!少しの間お願い!!」
「カティア様…?」
「私はあそこのうろを調べて見る!!だから、その間……」
この状況で一人抜けるのは危険だが…このままでも何れはやられてしまう。
だったら、イチかバチか……
「任されましたわ!!」
「俺も印を発動する!だからその間に!」
「私も、もう魔力の温存は考えません!!」
「みんな……ありがとう!!」
みんなも賭けに乗ってくれたようだ。
「ですが、どうやってあそこまで…?」
ケイトリンの問も尤もだ。
王樹の高さは少なく見積もっても50メートルは下らないだろう。
うろはその半ばほどの高さに口を空けており、そこまでの間には取っ掛かりとなる枝等も無いので到達するのが困難だ。
シフィルがいれば、飛翔の魔法が使えたのだが。
しかし……
私は魔法を使うため本来の杖形態にしていたリヴェラに、あるイメージを伝える。
それを汲んでリヴェラは形態を変化させた。
「こうするんだよ!」
私はそう言いながら、リヴェラが変化した……先端に鉤の付いた長い鎖を振り回し、勢いをつけてうろの少し上にある枝に向かって投げつけた!
「おお!」
ジャラジャラと音を立てた鎖は、狙い違わず枝に巻き付く。
そして、それを頼りに私は跳躍して、王樹の幹を蹴りながら登っていく。
しかし、それを邪魔しようと王樹の枝が襲いかかってくる!
ドォーーーンッッ!!
だが、その攻撃は爆発によって逸らされた。
少し爆風にあおられるが、駆け登るのは止めない!
「ママのジャマはさせないの!!」
どうやらミーティアが[爆裂]の魔法で支援してくれたようだ。
「ミーティア!助かったよ!あともう少し…!」
巨体をくねらせ、私を払い落とすように枝が襲いかかってくるが、ミーティアの支援によって何とか登っていく。
そして、ついに……!!
「よしっ!!」
私は一気に飛び込むようにうろの中にはいった!
……これが、王樹の中?
勢い余って前回り受け身を取りながら中に入った私は、直ぐに立ち上がってうろの内部を見渡した。
リヴェラは再び変化させて、片手剣形態にしている。
その空間は思ったよりも遥かに広い。
明らかに王樹の外観よりも大きな空間だ。
ぼんやりと光に照らされて視界は悪くない。
そして目を引くのは、淡い緑の光を放つ球体。
直径1メートル程のそれは、根のようなもので空中に繋がれていた。
そこから魔力の波動が放たれている。
やはり……これが魔核か。
これを破壊すればきっと……!
私は一気に近付いて、魔核を破壊するべく剣を振りかぶる。
しかし…
キィーーーーンッッ!!
「くっ!?」
超音波のような衝撃波が襲い来る!
流石に王樹もただ破壊されるのを待つだけではないか。
だが、これくらいなら……
無理矢理押し通す!!
「せやぁーーーーっっ!!!」
衝撃波に押し負けないように、裂帛の気合を発して渾身の一撃を振るう!!
ガキィンッッ!!
「なっ!?」
硬い金属音を発して私の攻撃は弾かれた。
リヴェラは神器なのに……いや、魔核に当たる寸前に何かの結界のようなものがあったような気がする。
だったら…!
私はここでディザール様の印を発動!
青い光に包まれてリヴェラが輝きを放つ。
今度は破壊の力を一点に集中するべく、神速の突きを繰り出す!
キィーーーーンッッ!!
再び衝撃波が襲ってくるが、構わずに踏み込む!
突き出した右腕の血管が破裂し血しぶきが舞う。
それでも痛みを無視して渾身の一撃を見舞う!
リヴェラの先端が魔核に届こうとするとき、直前で確かに何らかの障壁に阻まれようとする。
構うもんか!
無理矢理一点突破だっ!!
そして、ついに……!
バリィンッッ!!
ガラスが割れるような甲高い破砕音とともに、結界もろとも魔核は砕け散るのだった。
11
あなたにおすすめの小説
異世界で一番の紳士たれ!
だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。
リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。
リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。
異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる