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第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉
第十一幕 57 『大暴走』
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炎、雷、吹雪、激流、岩塊、暴風……
天変地異もかくや、といった風情でボス部屋の中は魔法の猛威が吹き荒れる。
段々とエスカレートしていく二人のミーティアの戦いは、もはや手出しすることすら困難な状況だ。
というか、私達の方にも余波が飛んでくるので、戦いにくい……
『うわっとぉっ!!危なっ!?ミーティアたち!!少し加減を……!』
「うひゃあっ!?いま掠ったよ!!ちょ、ちょっと『私』!!アレ、何とかしないと、そのうち私達が消し飛んじゃうよ!?」
……否。
もはや戦いどころではなかった。
『そうしたいのは山々なんだけど!もうどっちがどっちなのか……』
「だね……おっと!」
超高速で入り乱れて戦ってたから、全く同じ姿の彼女たちはもはや見分けがつかなくなっていた。
アカン……これ収集がつかないよ……
まぁ、あの子は素直だから聞けばどっちなのか教えてくれるとは思うけど……今はそんな余裕すら無い。
ええいっ!こうなったら……!
流れ弾が『私』に襲いかかるのに合わせて、私も攻撃を繰り出す!!
『くっ!?この状況で!!』
「せめてこっちの決着をつけてから、ミーティアに加勢する!!」
流れ弾を避けて不安定な体勢の『私』を狙って斬撃を繰り出すが、ギリギリのところで回避された。
我ながらやるねっ!!
『きっついって!!』
そう言いながら、向こうも私が流れ弾を回避したタイミングを狙ってくる!
た、確かにこれはキツい……!!
目の前の敵以外にも注意を払ってないといけないのだが、タイミングも方向も予想がつかないので運任せなところもある。
単に二人が戦うだけでは長期戦は避けられないところだと思うが……これだとどう転ぶかは未知数だ。
ドォンッッ!!
『あっ!?しまった!!?』
間近で炸裂した爆発魔法の衝撃に『私』の体勢が大きく崩れた!!
「ラッキー!!もらった!!」
あ!?
やばっ!それはフラグだった!!
バァンッ!!
そう思った瞬間、案の定私の近くでも雷撃の魔法が弾けた!!
『ラッキー!!』
逆に私が体勢を崩したところに、『私』の薙刀の斬撃が襲いかかる!!
くっ!!
どうにか凌いでカウンターをっ!!
ガキィンッ!!
左の肩口から袈裟に斬り下ろす斬撃の間になんとか自分の薙刀の柄を割り込ませて防御する!
無理やり押し込まれそうになるところ、ふっ……と力を抜いて後ろに倒れ込みながら、顎先を狙って斬り上げる!!
その一撃は上体を反らして躱されてしまうが、その隙に私はバク転しながら距離を引き離した。
ふぅ……
やはり予想が難しい流れ弾を攻撃に組み込むのは難しいか……
では、どうする?
……ん?
ふと気がつくと、あれ程猛威を振るっていたミーティアたちの攻撃魔法の嵐がピタリと収まっていた。
『ミーティア……』
あちゃあ……と言った風に額に手を当てて天を仰ぐ『私』。
何が起きたのか?と、二人が戦っていた方を見ると……
『きゅう……』
「うにゃあ……」
二人とも目を回して倒れていた。
「ミーティア!?」
『あ~、大丈夫だよ。二人とも攻撃が当たったわけじゃないみたいだから』
「……時間切れ?」
『そゆこと。あれだけ全開でバンバン魔法も使ってたら、そりゃあタイムリミットも短いよね……』
そう言えば二人とも元の姿に戻ってる。
……お疲れ様。
『さて。これで本来の私達同士の戦いになるかな?』
「そうみたいだね」
静けさを取り戻したところで、改めてお互いに薙刀を構えて対峙する。
ミーティアたちは、私達の戦闘に巻き込まないように部屋の隅の方に寝かせている。
私達もお互いに、印の効果時間のタイムリミットは近いだろう。
だが、ミーティアたちと違って印が消えても、決着がつくまで戦いは継続することだろう。
能力も技量も戦い方も同じ。
手札はお互いに知り尽くしている。
そんな二人の戦いに終止符が打たれるとしたら……それはどちらかがミスした時か、あるいは……
「じゃあ、いくよ!!」
『来なさい!!』
そうして私達の戦いは、第2ラウンドが始まった!
天変地異もかくや、といった風情でボス部屋の中は魔法の猛威が吹き荒れる。
段々とエスカレートしていく二人のミーティアの戦いは、もはや手出しすることすら困難な状況だ。
というか、私達の方にも余波が飛んでくるので、戦いにくい……
『うわっとぉっ!!危なっ!?ミーティアたち!!少し加減を……!』
「うひゃあっ!?いま掠ったよ!!ちょ、ちょっと『私』!!アレ、何とかしないと、そのうち私達が消し飛んじゃうよ!?」
……否。
もはや戦いどころではなかった。
『そうしたいのは山々なんだけど!もうどっちがどっちなのか……』
「だね……おっと!」
超高速で入り乱れて戦ってたから、全く同じ姿の彼女たちはもはや見分けがつかなくなっていた。
アカン……これ収集がつかないよ……
まぁ、あの子は素直だから聞けばどっちなのか教えてくれるとは思うけど……今はそんな余裕すら無い。
ええいっ!こうなったら……!
流れ弾が『私』に襲いかかるのに合わせて、私も攻撃を繰り出す!!
『くっ!?この状況で!!』
「せめてこっちの決着をつけてから、ミーティアに加勢する!!」
流れ弾を避けて不安定な体勢の『私』を狙って斬撃を繰り出すが、ギリギリのところで回避された。
我ながらやるねっ!!
『きっついって!!』
そう言いながら、向こうも私が流れ弾を回避したタイミングを狙ってくる!
た、確かにこれはキツい……!!
目の前の敵以外にも注意を払ってないといけないのだが、タイミングも方向も予想がつかないので運任せなところもある。
単に二人が戦うだけでは長期戦は避けられないところだと思うが……これだとどう転ぶかは未知数だ。
ドォンッッ!!
『あっ!?しまった!!?』
間近で炸裂した爆発魔法の衝撃に『私』の体勢が大きく崩れた!!
「ラッキー!!もらった!!」
あ!?
やばっ!それはフラグだった!!
バァンッ!!
そう思った瞬間、案の定私の近くでも雷撃の魔法が弾けた!!
『ラッキー!!』
逆に私が体勢を崩したところに、『私』の薙刀の斬撃が襲いかかる!!
くっ!!
どうにか凌いでカウンターをっ!!
ガキィンッ!!
左の肩口から袈裟に斬り下ろす斬撃の間になんとか自分の薙刀の柄を割り込ませて防御する!
無理やり押し込まれそうになるところ、ふっ……と力を抜いて後ろに倒れ込みながら、顎先を狙って斬り上げる!!
その一撃は上体を反らして躱されてしまうが、その隙に私はバク転しながら距離を引き離した。
ふぅ……
やはり予想が難しい流れ弾を攻撃に組み込むのは難しいか……
では、どうする?
……ん?
ふと気がつくと、あれ程猛威を振るっていたミーティアたちの攻撃魔法の嵐がピタリと収まっていた。
『ミーティア……』
あちゃあ……と言った風に額に手を当てて天を仰ぐ『私』。
何が起きたのか?と、二人が戦っていた方を見ると……
『きゅう……』
「うにゃあ……」
二人とも目を回して倒れていた。
「ミーティア!?」
『あ~、大丈夫だよ。二人とも攻撃が当たったわけじゃないみたいだから』
「……時間切れ?」
『そゆこと。あれだけ全開でバンバン魔法も使ってたら、そりゃあタイムリミットも短いよね……』
そう言えば二人とも元の姿に戻ってる。
……お疲れ様。
『さて。これで本来の私達同士の戦いになるかな?』
「そうみたいだね」
静けさを取り戻したところで、改めてお互いに薙刀を構えて対峙する。
ミーティアたちは、私達の戦闘に巻き込まないように部屋の隅の方に寝かせている。
私達もお互いに、印の効果時間のタイムリミットは近いだろう。
だが、ミーティアたちと違って印が消えても、決着がつくまで戦いは継続することだろう。
能力も技量も戦い方も同じ。
手札はお互いに知り尽くしている。
そんな二人の戦いに終止符が打たれるとしたら……それはどちらかがミスした時か、あるいは……
「じゃあ、いくよ!!」
『来なさい!!』
そうして私達の戦いは、第2ラウンドが始まった!
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