【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

文字の大きさ
527 / 683
第十三幕 転生歌姫と生命神の祈り

第十三幕 50 『森都防衛戦4』

しおりを挟む

ーーーー テオフィルス ーーーー


 カティアと別れた俺は、戦場の一つへと向かっていた。

 彼女の事は心配だが……その一方で、戦士として誰よりも信頼しているのも確かだ。
 だったら今は自分自身のことに集中すべき……そう、意識を切り替える。


 そして、戦いの気配はもうすぐそこに感じられる。

 俺は聖剣を鞘から抜いて、いつ敵と遭遇しても良いようにシギルを常駐化させる。

 今回はカティアの[絶唱]によるサポートは期待できない。
 俺たち一人ひとりの力が重要になるだろう。

 俺のシギル、『解放』の力でも味方の戦力の引き上げは可能だが……効果範囲は[絶唱]と比べるべくもない。
 それよりは……


 自身の切り札について考えながら街を駆け抜ける。

 そして……


「見えたっ!!行くぞっ!!」


 細い路地の先、少し広場のように開けた場所で戦闘が行われているのが見えた。

 俺は躊躇することなくそこに飛び込んでいく!



「ぜやぁーーーっっ!!!」


 上手いこと敵方後方から奇襲となる。
 突然の事に驚いて対処できない魔物……オークやトロールなど、数体を屠りながら敵陣を駆け抜け、ウィラー兵のもとに合流する。


 ……魔物との混成部隊と聞いたが、どうやらそれ程脅威度が高い敵はいないようだ。
 あるいは、まだ温存してるだけかもしれないが。



「あ、あなたは……!?」

「俺はレーヴェラント第3王子、テオフィルスだ!!メリエル王女と他の仲間たちとともに、ウィラーの救援にやってきた!!」

 俺が名乗ると、瞬く間に驚きが敵味方問わずに広がっていく。


「テオフィルス様……って、あのイスパルのカティア様の婚約者?」

「で、では!!あの星光の歌姫ディーヴァ・アストライアもここに!!?」

 どうやらカティアの名前はウィラーにまで轟いてるようだ。
 自分の事のように誇らしい気持ちになった。


「そうだ!!だが、この混戦状態では彼女の[絶唱]の力は使えん!!今はとにかく、グラナ兵どもを押し返す事に専念するんだ!!」

「「「はっ!!!」」」


 どうやら……カティアのお陰で士気も上がったようだ。
 英雄の名がいかに皆に勇気を与えるものなのか、改めて実感するのだった。


ーーーーーーーー













「私はイスパル王国の王女、カティア!!星光の歌姫ディーヴァ・アストライアの名のもとに、力を合わせて敵を押し返すのです!!」

「「「お~っっっ!!!!」」」


 ……え?
 その二つ名は好きじゃないのでは……って?

 まぁ、そうなんだけど。
 今も自らダメージを負ったけども!!

 これで皆の士気が上がるなら、どうと言うものでもない!!



「カティア王女だとっ!!?」

「何でこんなところに!?」

「だが、討ち取れば報奨は思うままだぞ!!」



 おっと……冗談を言ってる場合じゃないか。
 まぁ、そう簡単にやられてあげないけどね!




 激しく戦いが行われてる北街区の一画へとやってきた私は、そこへ飛び込んで名乗りを上げ戦闘参加を宣言した。


 敵は軽鎧に剣や槍、盾で武装したグラナ兵。
 それに加えて……


「ゴブリン、オーク、トロール、オーガ……代わり映えはしないけど、人間の兵士と連携するなら妥当なところなのかな?」

 ある程度の知能を持ち、足並みが揃うという点では軍隊として考えれば妥当なラインナップなのかもしれない。
 もちろん通常兵からすれば、魔物というだけで脅威ではあるのだけど。


 さて……魔物相手なら気にする必要もないけど、通常兵は殺さないで済むならなるべくそうしたいところだ。

 そう考えた私は、リヴェラを棍……要するに、長い棒状へと変化させる。

 唯の棒と侮ることなかれ。
 達人が振るえば剣や槍にも劣らない恐るべき武器と化すのだ。

 魔物相手なら薙刀、人間相手には棍……というように使い分ける。


 さぁ……行くよっ!!!



「[氷弾・散]!!!」

 先ずは挨拶代わりに初級魔法をばら撒く。
 敵味方入り乱れていると魔法は使い難いけど……ちょうど私の方に向かってきたので遠慮なく撃たせてもらった。
 狙いが私に向いてくれるなら、その方がやりやすいね。


 初撃の初級魔法程度では、鎧や盾を持った相手やそれなりの強さの魔物には大した効果は無いが……牽制にはなるだろう。
 実際にあの程度の魔法でも足を止めることができた。


「せいっ!!やあっ!!ハア~ッッ!!!」


 その隙を突いて一気に間合いを詰め、棍を振り回して連撃を敵兵に叩き込む!!


「ぐわっ!?」

「がっ!!?」


 武器を持った手を砕き、腹に突きを入れて何人かを戦闘不能にさせる。


「でやぁーーーっっ!!」

 ザシュッッ!!!


 更に、近くにいた魔物相手には、瞬時にリヴェラを薙刀に変えて斬撃を見舞う!!



「うぉーーーっっ!!!」

「カティア様に続けーーーっっ!!!」


 そして、私の単騎特攻に触発されたウィラー兵は、雄叫びを上げて敵兵へ斬り込んで行く!!



 さあ!!
 ここから反撃するよ!!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...