【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

文字の大きさ
580 / 683
第十四幕 転生歌姫と繋がる運命の輪

第十四幕 30 『大戦の始まり』

しおりを挟む

 その報せがもたらされたのは、私がイスパルに帰国してから数日後の事であった。

 日に日に緊張感が高まっていると言う話は聞いていたので、それは時間の問題ではあったが……ついにこの時が来たか、というのが率直な感想だった。
 しかし悠長に構えてる余裕などない。


 グラナによるカルヴァード侵攻。

 大きな戦いが……もしかしたら、この世界の命運を左右するかもしれない、大きな戦いの幕が上がるのだ。























「では、此度の戦いではカティア様のご助力は頂けない……と?」

「ええ、私とテオは少数の精鋭を選抜した上で黒神教の本拠地を叩きます」


 今、私は緊急に招集された軍議に参加し、自身の行動方針を説明している。

 事ここに至っては、迷ってる暇などない。
 今しがた宣言した通り、急ぎ『黒き神の神殿』へと向かわなければならない。

 しかし、私の[絶唱]のスキルを期待していた上層部の面々は戸惑いを隠せない。
 まぁ、それも当然だろう。


「皆様の懸念は当然のものと思います。しかし、ただ侵略に対処するだけでは根本解決にはなりません。侵略の実質的な指導者……黒神教を打倒しなければ、同じことが繰り返されるだけです。これは父様にも了承いただいてます」

 私の説明に、無言で父様が頷く。



 実はこの数日の間で、父様や母様……それに、父さんたちエーデルワイスの皆にも、【俺】の前世と賢者リュートの因縁についての全てを話している。
  
 テオやルシェーラ達に話をしたときと同じように、怖いと思う気持ちはあったけど……きっと受け入れてくれると言う確信もあった。

 そして、それはその通りで……何だか重荷が降ろせたような気がしたんだ。



「私は、すべての決着を付けるため、『黒き神の神殿』へ向かうのです。……しかし、グラナ侵攻に対応しなければならないのも、もちろん承知してます」

「今はまだ、敵方も先遣隊程度で小競り合いが生じてるに過ぎないが……大きな戦いに発展するのも時間の問題だろう。我々イスパルはグラナと国境を接しないが、これはグラナ対カルヴァード大陸連合の戦いだ。我々も十分な戦力を派遣しなければならぬ」

 古の盟約もあるが、つい先日のサミットでも協力体制を取ることを確認したばかりである。
 父様が言う通り、カルヴァード大陸の諸国連合として対処しなければならない。
 既にリュシアンさんを総大将とした派遣軍が、防衛のため前線に向かってるはずだ。


「カティアの[絶唱]の力は確かに惜しいが……だが、今回はそれ以上の助力が得られるやも知れぬ」

「カティア様の[絶唱]よりも……?そんなものがあるのですか?」

 その疑問には私が答える。


「ウィラーの戦いで、エメリナ様がご降臨されたのはご存知でしょう?」

「え、ええ………まさか!?」

「そうです。私が『黒き神の神殿』に向かう間、カルヴァードは神々が護ってくださる……そのように約束して下さいました」


 その話に、議場のそこかしこでどよめきが起きる。
 驚き、戸惑い……それはやがて歓喜となっていく。


「何と……神々が再び我々の前にお姿を……」


 既にリナ姉さんと言う実績があるからね。
 この場で疑いを持つ人はいなかった。



 私はこれから『黒き神の神殿』へ向うメンバーを選別し、リル姉さんに言われた通りエメリール神殿総本山から神界へ向う。

 そして、アスティカントで大転移魔法を使い……全ての決着を付けに行くのだ。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...