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後日談1 サマーバケーション
サマーバケーション(2)
しおりを挟むやってきました!海!
そう言えば【私】は海で泳いだことはないし、【俺】の記憶でも随分久しぶりの事だ。
懐かしい……というよりは新鮮な気分である。
さらさらの白砂を踏みしめて波打ち際までやってくる。
信じられないくらいに透き通った海水は波も穏やかで、ずっと向こうまで遠浅のエメラルドグリーンが続いていた。
前世でも今世でも、これほどに美しい海は見たことがなかったね。
「本当に綺麗な海……」
思わず、ため息のように感想がこぼれ落ちる。
他のみんなも改めて感動してるようで、暫くは無言で景色を眺めていた。
「お~い!!ステラさん~!!姫さんたち~!!」
と、海を眺める私達に声がかかる。
そちらを見れば、先に着替えていたはずの男子連中が。
フリードが手を大きく振って呼んでいた。
「あ、あそこで場所取りしてくれてるみたい。行ってみよう」
大きめのタープテントを張っている他に、パラソル付きのビーチチェアがいくつか。
いいね~、リゾート気分がますます盛り上がるよ。
「ごめんね、テオ、みんな。待たせちゃったかな?」
「いや、準備していたから丁度いいタイミングだ」
「いろいろやってくれてありがとね。……ど、どうかな?コレ……」
初めて水着姿を見せることに、今更ながら気恥ずかしくなりながら聞いてみる。
彼も少し視線を彷徨わせながら、それでも遠慮がちに私の全身を眺めて……って、恥ずかしいんだけど!?
「あぁ、その……よく似合ってる……と思う」
そう言ってくれた。
うん、自分でもいろいろ悩んで似合うものを選んだつもりだけど、実際に似合うって言ってくれるのはとても嬉しい。
この世界の水着も、【俺】の前世のものとそう変わらないデザインのものだ。
少しこちらの方が大人し目……というくらいかな?
私が着ているのはワンピースタイプの濃紺の水着……と、それだけ聞くとスクール水着みたいに聞こえるけど、スカート状の白いフリルが付いていたり、肩から胸元にかけて同じようにフリルがあしらわれている、とても可愛らしいデザインだと思う。
……胸元のフリルにボリュームがあるのは、特に他意は無いですからね?
髪の毛は結い上げてアップに纏めてる。
この世界でも大人し目なデザインだと思うけど、それでも普段の格好ではこんなに脚を晒すことは無いので少し恥ずかしい。
と、そこまで考えて、もうすっかり自分は女なんだな……と、思った。
ホントに今更なんだけど、【俺】の記憶はしっかり残ってるからね。
ルシェーラもはにかみながらリュシアンさんに披露してるし、レティも『ど~よ?』みたいな感じでリディーさんに見せている。
ケイトリンが怒ってるのは、多分オズマが『馬子にも衣装だな』とか言ったのだろう。
そしてステラも……
「ど、どう……ですか?」
「……いいッス!!凄く似合ってるッス!!感激ッス!!」
フリードがロウエンさんみたいになってるよ。
この二人は最近になって付き合い始めたんだ。
なかなか初々しい感じだけど、正直、あのフリードとステラが付き合うことには複雑な思いがあった。
だけど、こうして見てると……まあ良かったかな、と思う。
でも もしステラと付き合ってなかったら今頃……『美少女たちの水着姿……ゲヘゲヘ……』とかいって鼻の下を伸ばしていたに違いない。
「な~んか、リア充が多いわね~」
「ね~」
シフィルとメリエルちゃんがなんか言ってる。
フローラさんとアリシアさんも、うんうん……と頷いてるね。
シフィルは自分でハードルを上げすぎなのでは……
『私に勝った人と付き合うわ!』って、どんな無理ゲーなのさ。
メリエルちゃんはそんなに恋愛には興味ないと思ってたけど、そんな事無いのかな……?
「ユーグは……婚約者さんは連れてこれなかったの?」
「誘ったんですけどね。『そんな天上人の集まりに私ごときなんか行けないわ!』とか言って……結局、家族と旅行に行ってます」
天上人って……そんな大袈裟な。
ともかく。
男子とも合流したことだし、先ずはこの綺麗な海で泳がないことには始まらないね!
さあ行くよ!
……っと、その前に。
ちゃんと準備体操しないとね。
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