ホワイトデー ラプソディ

梨花

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3月13日 木曜日

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「よぉ。」
「あ。」
喫煙所には先客がいた。
「主任…。」
「主任じゃねぇよ。」
まだ始業前だからか言葉遣いが主任ではない。
「村田くん。」
不機嫌丸出しの村田がいた。
「何やってんだ。」
「別に関係ないじゃない。」
「俺は昨日、気をつけて帰れと言ったとおもうんだが、泥酔して人の家に世話になるとか、何処の新入社員だ。」
「…記憶にゴザイマセン。」
「相馬が、心配してたぞ?」
「は?」
今朝の相馬からはそんな様子は見られなかったんだけどな。
「あいつが言うには、途中で席を立って戻ってきてからおかしかったとのことだが。」
あ。
「心当たりがあるんだな。」
「いや、うん。
昔の知り合いにばったり会っちゃって。
ちょっと嫌味言われたんだよね。
多分それだわ。」
「木崎、飲み過ぎるのも、他人に迷惑かけてしまうのも仕方ないとは思うが。」
さっきと何か言ってることが違う気がする。
「迷惑をかける相手は考えろ。」
「はーい…。」
「あと、次の日が仕事の日も飲み過ぎるな。」
村田は言ってポンとあたしの頭に触れ、喫煙所を離れた。



昨日。
トイレのために席を立った時に会ったのは高校時代の元カレ。
「成美、相変わらず彼氏いませんって顔してんなぁ。」
そう言われた。
誰の所為で恋愛不信になったと思っているんだ。
「彼氏じゃ御飯たべられませんから。」
3年付き合って別れた男だ。
高校時代よく遊んでいたこの男はあたしとは別の大学に入り、一応自然消滅した。
けどあたしは知ってる。
別の大学に入った男はサークルで彼女を作り、バイト先で彼女を作って遊んでいたこと。
だからあたしからは連絡を取らなかった。
「やっぱいないんだ?
また俺と寄り戻すか?」
「仕事に支障をきたしますので結構です。」
「俺、これでもモテるんだぜ?」
「そうしたら私は不要ですよね。
人を席で待たせているので失礼します。」
「待てよ。」
あたしは腕を掴まれた。
あたしはその手を振り払った。
「仕事に貴賎はないといいますが、私、ホストの元カレに貢ぐ趣味は御座いませんのでっ。」

思い出した。
イライラしてタバコも酒も増えたこと。
あたしはため息を吐いて吸っていたタバコを消し、仕事の待つデスクへ向かった。
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