体育館と図書室の狭間

梨花

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体育館では両校がウォーミングアップをしていた。
「付き合ってる人って今日はスタメンなの?」
聞くと彼女は頷いた。
「6番。」
バスケの背番号は4番から始まる。
5人でのプレーだから6番となればレギュラーになる。
確か同級生だと言っていた。
2階から見下ろす。
チームの中では平均的な身長の男子が6番をつけていた。
その6番がチームメイトに言われてこちらを見た。
そしてチームの輪を抜け、フロアを飛び出した。
ちらりと隣を見ると友人は顔を染めた。
「葉留佳!」
6番は2階にやってきた。
「来ないでって言ったのに…。」
「まさか見に来てくれるとは思わなかったから。
あ、紹介するね。
藤木圭介くん。
こっちは中学の同級生の並木知香ちゃん。」
「久しぶり。」
藤木がそう私に言って私は小さく笑った。
「藤木くんがこの子と付き合ってるとは思わなかったわ。」
「葉留佳から並木の話はよく聞かされてた。」
「そう。」
「小学校が一緒だったんだって?」
「途中まで、ね。」
葉留佳に言われて私は答えた。
それまで団地住まいだったが、親が家を買って、兄が中学に入るときに引っ越した。
そのため私は転校したのだ。
「並木、試合見ていくだろ?」
私は首を横に振った。
「バスケのルールはよく知らないし、用事があるの。」
「知香ちゃん、あたし聞いてないよ?」
「ゴメンね。
司書の先生に呼ばれてるんだ。」
下で藤木を呼ぶ声がした。

私は藤木と階段を下りる。
「並木、佐々木と付き合ってたりする?」
予想だにしなかった事を言われて私は目を丸くした。
「佐々木ってこっちのバスケ部の、だよね?」
「あぁ、2階にあがってからあいつはちらちらとこっち見てた。」
「そうなんだ?」
知らなかった。
「一応クラスは一緒だけどそんなに話をしたことはないわ。
それより佐々木氏を知っているの?」
「俺もあいつも小学校の時からバスケやっててポジションも一緒だからな。
高校は城南に来てチームでポジション争いするのかと期待していたんだが。」
「…期待外れだった?」
「いや、チームが違うのもまた楽しいだろ?」
ちらりと藤木を見れば彼はニヤリと楽しそうに笑っていた。
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