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12月3日
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「美雪、忘年会の日夜勤なんだって?」
ブラをつけるあたしの背後で声。
「うん。あんな面倒なのに参加しなくてラッキーだわ。」
ブラウスのボタンをとめながらあたしは答えた。
「美雪が来ると思ったから参加にしたのに。」
「あたしより可愛くて若い子がいっぱいくるから安心して?」
ここは藤田先生のマンション。
そして今は22時。
「帰るにはまだ早いと思うんだけど。」
恨めしそうな藤田先生の声だ。
「どうしても、というから来ただけ。
これから深夜勤なの。」
「えっ?美雪、そんなこと言わなかったじゃないか。」
「だって聞かれなかったもの。
これから帰ってシャワー浴びて出勤しないと間に合わない。」
「美雪、ひどいー。」
甘ったれた声にあたしはベッドに全裸で寝ている男を見下ろした。
「仕事だから。
理解できなければ他の人をさそって?」
ストレートジーンズを履いてコートとマフラーを身につける。
「オレが他の女抱いてもいいの?」
「どうぞ?
あたしは貴方の恋人でも婚約者でも、ましてや奥さんでもないから。」
マンションを出て自転車で5分。
そこにあたしの住むアパートはある。
部屋に入って着ていたものを全て脱いでシャワーを浴びる。
藤田との関係は3年。
体の関係とはいえ、たまに食事に行ったりはするけどいわゆるデートはしたことはない。
いや。
泊りがけで出かけようとか、映画を見に行かないかとか誘われたことはあるが、あたしは全て断ってきた。
院内で噂になることが怖かったから。
だから身体の関係と割り切って付き合い続けてきた。
1年を過ぎたころからそういうお誘いはなくなったし、学会に参加するとかで忙しくなって身体を重ねることすら少なくなっている。
それに。
あたしも30になる。
結婚を考える年だ。
実家の母は「結婚は兎も角、子供は…。」と言っている。
やはり年齢が高くなればなるほど妊娠のしやすさは難しくなってくる。
そういったことも考えれば潮時なのだろう。
新しい下着を身につけて厚手のフード付きパーカーに赤いコーデュロイのパンツをはく。
そして薄く化粧をしてテーブルの上に置いてあった封筒の中身を出した。
母からの手紙である。
年明けに帰ると伝えたら送ってきたスナップ写真。
見合いをしないかということらしい。
鶴見さんという32才の自衛官だそうだ。
自衛官という割に理系な顔をしている。
悪くはないかも。
あたしは思いながら写真を封筒に収めた。
ブラをつけるあたしの背後で声。
「うん。あんな面倒なのに参加しなくてラッキーだわ。」
ブラウスのボタンをとめながらあたしは答えた。
「美雪が来ると思ったから参加にしたのに。」
「あたしより可愛くて若い子がいっぱいくるから安心して?」
ここは藤田先生のマンション。
そして今は22時。
「帰るにはまだ早いと思うんだけど。」
恨めしそうな藤田先生の声だ。
「どうしても、というから来ただけ。
これから深夜勤なの。」
「えっ?美雪、そんなこと言わなかったじゃないか。」
「だって聞かれなかったもの。
これから帰ってシャワー浴びて出勤しないと間に合わない。」
「美雪、ひどいー。」
甘ったれた声にあたしはベッドに全裸で寝ている男を見下ろした。
「仕事だから。
理解できなければ他の人をさそって?」
ストレートジーンズを履いてコートとマフラーを身につける。
「オレが他の女抱いてもいいの?」
「どうぞ?
あたしは貴方の恋人でも婚約者でも、ましてや奥さんでもないから。」
マンションを出て自転車で5分。
そこにあたしの住むアパートはある。
部屋に入って着ていたものを全て脱いでシャワーを浴びる。
藤田との関係は3年。
体の関係とはいえ、たまに食事に行ったりはするけどいわゆるデートはしたことはない。
いや。
泊りがけで出かけようとか、映画を見に行かないかとか誘われたことはあるが、あたしは全て断ってきた。
院内で噂になることが怖かったから。
だから身体の関係と割り切って付き合い続けてきた。
1年を過ぎたころからそういうお誘いはなくなったし、学会に参加するとかで忙しくなって身体を重ねることすら少なくなっている。
それに。
あたしも30になる。
結婚を考える年だ。
実家の母は「結婚は兎も角、子供は…。」と言っている。
やはり年齢が高くなればなるほど妊娠のしやすさは難しくなってくる。
そういったことも考えれば潮時なのだろう。
新しい下着を身につけて厚手のフード付きパーカーに赤いコーデュロイのパンツをはく。
そして薄く化粧をしてテーブルの上に置いてあった封筒の中身を出した。
母からの手紙である。
年明けに帰ると伝えたら送ってきたスナップ写真。
見合いをしないかということらしい。
鶴見さんという32才の自衛官だそうだ。
自衛官という割に理系な顔をしている。
悪くはないかも。
あたしは思いながら写真を封筒に収めた。
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