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ホテルに着きました
ホテルに着いたのは6時を回っていた。
大樹は荷物を持ってチェックインしに行き、あたしはロビーで1人待っていた。
「お前、こんなところで何してるんだ。」
疲れてぼんやりしていたあたしの目の前に現れたのは元婚約者だった。
「お話することはありません。」
「婚約破棄されたぐらいで弁護士頼みやがって、そんなに金が欲しいのかよ。」
「貴方との婚約が破棄されたために幾らかの無駄な出費があったことに関しての請求を弁護士に依頼しているだけ、ですよ。
そもそも最初に結婚したいと言い出したのはそちらでしたよね?」
あたしは正直、一生独身でいいと思ってた。
「お前がこんな女だって知らなかったからなっ。」
「み…市川?」
「高橋さん、チェックインはお済みになりましたか?」
「高橋…?」
「あれ、稔さんじゃないですか。どうされたんですか?」
しれっと大樹は言った。
「この女が婚約破棄されたって騒ぐから文句言ってたんだよ。」
どっちが騒いだんだ、全く!
「あぁ、その件ですか。大変ですね。
早く丸く収めないと妊娠した彼女との結婚も潰れてしまいますよ。相手の方妊娠されてるんですよね?そうなると市川より慰謝料多いですよねぇ?」
「その話、誰から聞いたんだよ。弁護士の兄か?こいつか?」
「オレ、市川の会社のアメリカ支社で働いてまして、広報なんですよ。ですから副社長から社内でこういう事があったからマスコミに騒がれないように気をつけるよう言われています。まぁマスコミが騒いでも二股かけていたのは稔さんですからね。当社としては騒がれた時の損害賠償請求はそちらに請求しますので覚えておいてください。」
ペラペラと嘘か本当が分からない事を言う大樹を唖然としてあたしは見ていた。
「お前…っ。」
くるりと踵を返し、彼はホテルから出て行った。
何の用事があってここにいたのだろう。
「弁護士に報告。」
「あ、はい。」
携帯を取り出し発信履歴から高橋敬輔の名前を探してコールする。
「あ、兄貴?」
電話が繋がった途端取り上げられた。
「大樹だけど。
うん、成田まで深和ともうひとり社員の奴に送ってもらって今ホテルなんだけど。ばったり稔に会って深和に絡んできた。金が欲しいのか?って、あいつ金ねぇの?200の貯金、30過ぎの男が払えないって馬鹿じゃねぇの?…あぁ、はい。すみません。かわります。」
あたしの携帯が返されてきた。
「深和です。」
『大丈夫?暴力はなかった?』
「はい、手は出してきませんでしたから。弟さんが色々代わりに言って下さいましたので。」
電話の向こうで敬輔さんのため息がする。
『無事ならよかった。本人がなかなか話に応じなくて、時間かかって申し訳ない。』
「いえ。こちらこそ、全部押し付けてしまってますので…。」
『出来れば週末は1人にならないほうがいいんだけど。』
「あー、努力します。」
『よろしくお願いしますよ。』
電話を切れば相原が来ていた。
「何を努力するんだ?」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。
「週末は1人にならないほうがいいって、敬輔さんが。」
「隣にいるだろ、いい保護者が。」
「オレじゃないほうが、いい。」
大樹がいう。
「あたしも、そう思う。」
相原はため息をついた。
大樹は荷物を持ってチェックインしに行き、あたしはロビーで1人待っていた。
「お前、こんなところで何してるんだ。」
疲れてぼんやりしていたあたしの目の前に現れたのは元婚約者だった。
「お話することはありません。」
「婚約破棄されたぐらいで弁護士頼みやがって、そんなに金が欲しいのかよ。」
「貴方との婚約が破棄されたために幾らかの無駄な出費があったことに関しての請求を弁護士に依頼しているだけ、ですよ。
そもそも最初に結婚したいと言い出したのはそちらでしたよね?」
あたしは正直、一生独身でいいと思ってた。
「お前がこんな女だって知らなかったからなっ。」
「み…市川?」
「高橋さん、チェックインはお済みになりましたか?」
「高橋…?」
「あれ、稔さんじゃないですか。どうされたんですか?」
しれっと大樹は言った。
「この女が婚約破棄されたって騒ぐから文句言ってたんだよ。」
どっちが騒いだんだ、全く!
「あぁ、その件ですか。大変ですね。
早く丸く収めないと妊娠した彼女との結婚も潰れてしまいますよ。相手の方妊娠されてるんですよね?そうなると市川より慰謝料多いですよねぇ?」
「その話、誰から聞いたんだよ。弁護士の兄か?こいつか?」
「オレ、市川の会社のアメリカ支社で働いてまして、広報なんですよ。ですから副社長から社内でこういう事があったからマスコミに騒がれないように気をつけるよう言われています。まぁマスコミが騒いでも二股かけていたのは稔さんですからね。当社としては騒がれた時の損害賠償請求はそちらに請求しますので覚えておいてください。」
ペラペラと嘘か本当が分からない事を言う大樹を唖然としてあたしは見ていた。
「お前…っ。」
くるりと踵を返し、彼はホテルから出て行った。
何の用事があってここにいたのだろう。
「弁護士に報告。」
「あ、はい。」
携帯を取り出し発信履歴から高橋敬輔の名前を探してコールする。
「あ、兄貴?」
電話が繋がった途端取り上げられた。
「大樹だけど。
うん、成田まで深和ともうひとり社員の奴に送ってもらって今ホテルなんだけど。ばったり稔に会って深和に絡んできた。金が欲しいのか?って、あいつ金ねぇの?200の貯金、30過ぎの男が払えないって馬鹿じゃねぇの?…あぁ、はい。すみません。かわります。」
あたしの携帯が返されてきた。
「深和です。」
『大丈夫?暴力はなかった?』
「はい、手は出してきませんでしたから。弟さんが色々代わりに言って下さいましたので。」
電話の向こうで敬輔さんのため息がする。
『無事ならよかった。本人がなかなか話に応じなくて、時間かかって申し訳ない。』
「いえ。こちらこそ、全部押し付けてしまってますので…。」
『出来れば週末は1人にならないほうがいいんだけど。』
「あー、努力します。」
『よろしくお願いしますよ。』
電話を切れば相原が来ていた。
「何を努力するんだ?」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。
「週末は1人にならないほうがいいって、敬輔さんが。」
「隣にいるだろ、いい保護者が。」
「オレじゃないほうが、いい。」
大樹がいう。
「あたしも、そう思う。」
相原はため息をついた。
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