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同窓会です。
あたしの家から会場のホテルまでは電車で行った。
篤志も飲むつもりらしい。
受付は卒業時のクラス毎。大樹は教員の枠で受付だった。
中に入ると結構参加者は多くてあたしは驚いた。
2人共囲まれてしまって、あたしは2人から離れた。
「あんまりあいつらから離れるなよ。」
いつの間にか相原が隣にいた。
「わぉ。何その格好。」
「スーツじゃ面白くねえだろ。」
ジャケットとパンツだけど、仕事で着ているものじゃなくて光沢のある柔らかい素材のジャケットに花柄のシャツ、パンツはデニムだ。
「別に面白い格好じゃなくていいと思うケド。」
会場全体を見渡すとやはり女の子は少ない。
結婚するとこういう場所には来るのが難しくなるのかな。
「相原、隣の子誰?」
「市川だよ、知ってるだろ?」
誰って、何。
「え?高橋と付き合ってた?」
所詮あたしはそういう印象だ。
あたしはこくりと頷く。
「今は誰かと付き合ってんの?」
「今は婚約破棄されて揉めてる最中。」
「えー。こんな可愛いのに婚約破棄なんか、相手見る目がねぇんだな。」
え?
言われた言葉に驚いてあたしは相原を見た。
「まぁ、相手の男、どうしようもない男だったからなぁ。」
「相原、知ってんの?」
「今、市川と同じ会社に勤めてるからさ。相手の男、営業でうちの会社にくるんだよ。」
「市川さ、それ解決したらオレと付き合わない?」
「あ…えと、そういうの、は、ちょっと…。」
うわ、やだ。絶対顔が赤い。
「ごはん、一緒に行くところからでいいから。」
「あのさー、河合。しつこい男はだめだよ?」
相原が呆れたように言う。
この人、河合くんていうのか。
名前覚えた。
「ごめん、ね。解決したら付き合いたい人がいるから。その人に誤解されたくない、から。ごはんも無理、なの。」
「そっかー。残念だなあ。じゃあ、また来年、アタックするよー。」
「お前が覚えてたらな。」
「酷いな。覚えてるよっ。
じゃあ、市川さん、またね。」
その人は去っていった。
「ねぇ、あたしってかわいいの?」
「市川、合コン行ったことあるか?」
あたしは首を横に振る。
「誘われたことすらない。」
「そういうことだ。」
「だってあたし人見知りするし、盛り上がらなかったらダメだからじゃないの?」
「そんな子で、顔もぱっとしない子なら合コンもっと誘われたと思うケド。
今の河合に対する態度見てたら男は誤解する。合コンは市川の一人勝ちになる。それが分かってるから誰も誘わないんだろう。」
「そう、なの?」
「自己評価低いな。」
「そんなことないと思うんですが。」
どうやら世間ではあたしはかわいい部類に入るらしい。
「まぁ、磨いた男以外目に入らないんだからな…。」
2人の周りから人が減らない。
乾杯をしてブュッフェに蟻のように人が集まっているにもかかわらず、2人の周りには必ず誰かがいる。
「ちょっとタバコ吸ってくる。」
相原に声をかける。
「オレも行く。」
会場内は禁煙だ。タバコを吸いたい人は喫煙室に行く。この宴会場から近いのはワンフロアー下にある。
2人連れだって宴会場を出ると通路でも何人か人がいた。
お気に入りとはいえ履き慣れない細いヒールのサンダルに毛足の長い絨毯は歩きにくくてあたしは相原の少し後ろを歩く。
「わぁっ!」
階段に一歩足を踏み出した時だった。
背中を強く押す手があった。
あたしの体がバランスを崩すのは簡単だった。
「市川っ!」
前にいたはずの相原の横をあたしの体は通り過ぎ階段を転げ落ちる。
「大丈夫か?」
体は階段の踊り場で止まった。
「うん。足ひねったかも。」
「1~2分意識なかったぞ。頭も打ったみたいだ。」
「そっか…。」
「ホテルの人が救急車呼んでる。」
「えっ。」
「ちょっと退いて!」
声が上から降ってくる。
ちょっとした人だかりができていた。
きたのは篤志と大樹だった。
「篤志…高橋さん…。」
「深和、ここがどこかわかるか?」
あたしはホテルの名前を口にする。
大樹は顔を崩す。
「無事でよかった。」
篤志も飲むつもりらしい。
受付は卒業時のクラス毎。大樹は教員の枠で受付だった。
中に入ると結構参加者は多くてあたしは驚いた。
2人共囲まれてしまって、あたしは2人から離れた。
「あんまりあいつらから離れるなよ。」
いつの間にか相原が隣にいた。
「わぉ。何その格好。」
「スーツじゃ面白くねえだろ。」
ジャケットとパンツだけど、仕事で着ているものじゃなくて光沢のある柔らかい素材のジャケットに花柄のシャツ、パンツはデニムだ。
「別に面白い格好じゃなくていいと思うケド。」
会場全体を見渡すとやはり女の子は少ない。
結婚するとこういう場所には来るのが難しくなるのかな。
「相原、隣の子誰?」
「市川だよ、知ってるだろ?」
誰って、何。
「え?高橋と付き合ってた?」
所詮あたしはそういう印象だ。
あたしはこくりと頷く。
「今は誰かと付き合ってんの?」
「今は婚約破棄されて揉めてる最中。」
「えー。こんな可愛いのに婚約破棄なんか、相手見る目がねぇんだな。」
え?
言われた言葉に驚いてあたしは相原を見た。
「まぁ、相手の男、どうしようもない男だったからなぁ。」
「相原、知ってんの?」
「今、市川と同じ会社に勤めてるからさ。相手の男、営業でうちの会社にくるんだよ。」
「市川さ、それ解決したらオレと付き合わない?」
「あ…えと、そういうの、は、ちょっと…。」
うわ、やだ。絶対顔が赤い。
「ごはん、一緒に行くところからでいいから。」
「あのさー、河合。しつこい男はだめだよ?」
相原が呆れたように言う。
この人、河合くんていうのか。
名前覚えた。
「ごめん、ね。解決したら付き合いたい人がいるから。その人に誤解されたくない、から。ごはんも無理、なの。」
「そっかー。残念だなあ。じゃあ、また来年、アタックするよー。」
「お前が覚えてたらな。」
「酷いな。覚えてるよっ。
じゃあ、市川さん、またね。」
その人は去っていった。
「ねぇ、あたしってかわいいの?」
「市川、合コン行ったことあるか?」
あたしは首を横に振る。
「誘われたことすらない。」
「そういうことだ。」
「だってあたし人見知りするし、盛り上がらなかったらダメだからじゃないの?」
「そんな子で、顔もぱっとしない子なら合コンもっと誘われたと思うケド。
今の河合に対する態度見てたら男は誤解する。合コンは市川の一人勝ちになる。それが分かってるから誰も誘わないんだろう。」
「そう、なの?」
「自己評価低いな。」
「そんなことないと思うんですが。」
どうやら世間ではあたしはかわいい部類に入るらしい。
「まぁ、磨いた男以外目に入らないんだからな…。」
2人の周りから人が減らない。
乾杯をしてブュッフェに蟻のように人が集まっているにもかかわらず、2人の周りには必ず誰かがいる。
「ちょっとタバコ吸ってくる。」
相原に声をかける。
「オレも行く。」
会場内は禁煙だ。タバコを吸いたい人は喫煙室に行く。この宴会場から近いのはワンフロアー下にある。
2人連れだって宴会場を出ると通路でも何人か人がいた。
お気に入りとはいえ履き慣れない細いヒールのサンダルに毛足の長い絨毯は歩きにくくてあたしは相原の少し後ろを歩く。
「わぁっ!」
階段に一歩足を踏み出した時だった。
背中を強く押す手があった。
あたしの体がバランスを崩すのは簡単だった。
「市川っ!」
前にいたはずの相原の横をあたしの体は通り過ぎ階段を転げ落ちる。
「大丈夫か?」
体は階段の踊り場で止まった。
「うん。足ひねったかも。」
「1~2分意識なかったぞ。頭も打ったみたいだ。」
「そっか…。」
「ホテルの人が救急車呼んでる。」
「えっ。」
「ちょっと退いて!」
声が上から降ってくる。
ちょっとした人だかりができていた。
きたのは篤志と大樹だった。
「篤志…高橋さん…。」
「深和、ここがどこかわかるか?」
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大樹は顔を崩す。
「無事でよかった。」
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❈ 作者独自の世界観です。
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