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話を進めましょう。
「こんにちは。」
母はリビングから2人の男性を連れてきた。
敬輔さんと大樹だ。
敬輔さんはスーツ、大樹はダンガリーのシャツにジーンズだ。
「今回市川深和さんに依頼されて、婚約破棄に関する金銭問題について解決するよう言われていることは皆さんご存知かと思います。
…こちらのお金は?」
「あちらの方が出してきた。」
「ほほぅ。
式場のキャンセル料、婚約破棄の為に深和さんが怪我をした慰謝料、そして弁護士代を含めて60万となっております。こちらからいただきますね。ありがとうございます。」
そういうと敬輔さんはあたし達の前で札束を数え始めた。
「60万丁度頂きました。こちら領収書と明細書になります。サイン、いただけますか。」
「なっ…。」
「どうされました?
請求書はご本人様、ご両親さまに書留でお送りしたはずですが、まだ内容の確認をされていないわけではありませんよね。
それと市川さんと直接お話しされることもしないようにともお伝えしたはずですが、どうしてこちらにいらっしゃるんですか?」
「婚約破棄はしないと私達はお伝えしたくて伺ったの。貴方が市川さんに伝えたところでお話しにはならないでしょう?」
「そちらのご意見はご意見として伝える義務が僕にはありますから伝えますよ。
しかし伝えたところで時間の無駄でしょう。
現に今、婚約破棄を破棄することを断られているじゃないですか。」
「だから今説得していたのよっ。」
「隣の部屋まで聞こえていましたが、全くできていませんでしたけどね。」
「…だから無理だって言っただろ。」
ようやく。
ようやく元婚約者が口を開いた。
「そもそも敬輔さんが市川の弁護士やってる時点でおかしいと思わないといけないんだよ。たまにテレビでコメントしてるような人だろ。それなりに忙しい人がわざわざ婚約破棄ごときに首をつっこんでるなんて何かあると思うはずなんだよ。」
「ほう。」
敬輔さんは笑みを浮かべた。
「オレも気がついたのはついさっきだが。
大樹がここにいるってことはそうなんだろ。」
向こうの両親は今気がついたって顔をしている。
まぁずっとあたしの隣に立っているしね。
「まだ、何もしていませんがね。
婚約破棄に関する問題が解決したら結婚して下さいとお願いはしてあります。」
飄々と大樹は答えた。
「ですから深和さんが行き遅れになることはございませんので安心して下さい、叔母さん。
ましてや12年彼女を一途に思い続けた優良物件です。貴方のように浮気は男の甲斐性だとも申しません、叔父さん。」
「そういうわけですからどうぞお引き取りください。」
向こうの両親は不機嫌丸出しだ。
「その前にサインを。」
敬輔さんが万年筆を差し出し向こうの父親がサインをする。
「ありがとうございます。」
「茶の1つも出さないような家の娘なんか願い下げだ。」
「婚約破棄しておいていつまでも謝罪にも来ず、来たら来たで菓子折りの1つも持たずに来るような相手を客とも思わないし、出す茶もない。」
父が言えば向こうの父親は残されたお金を掴んで立ち上がった。
「帰るぞ。」
こうして嵐は去って行った。
「足、大丈夫なのか?」
元婚約者は靴を履きながら言ってきた。
「まぁ、少し痛いですけど。」
「今日はうちの両親がすまなかった。」
そう言い残し、元婚約者は帰って行った。
あたしは台所から塩を取ってきて玄関の外にまいた。
お相撲さんのように綺麗にはまけなかった。
母はリビングから2人の男性を連れてきた。
敬輔さんと大樹だ。
敬輔さんはスーツ、大樹はダンガリーのシャツにジーンズだ。
「今回市川深和さんに依頼されて、婚約破棄に関する金銭問題について解決するよう言われていることは皆さんご存知かと思います。
…こちらのお金は?」
「あちらの方が出してきた。」
「ほほぅ。
式場のキャンセル料、婚約破棄の為に深和さんが怪我をした慰謝料、そして弁護士代を含めて60万となっております。こちらからいただきますね。ありがとうございます。」
そういうと敬輔さんはあたし達の前で札束を数え始めた。
「60万丁度頂きました。こちら領収書と明細書になります。サイン、いただけますか。」
「なっ…。」
「どうされました?
請求書はご本人様、ご両親さまに書留でお送りしたはずですが、まだ内容の確認をされていないわけではありませんよね。
それと市川さんと直接お話しされることもしないようにともお伝えしたはずですが、どうしてこちらにいらっしゃるんですか?」
「婚約破棄はしないと私達はお伝えしたくて伺ったの。貴方が市川さんに伝えたところでお話しにはならないでしょう?」
「そちらのご意見はご意見として伝える義務が僕にはありますから伝えますよ。
しかし伝えたところで時間の無駄でしょう。
現に今、婚約破棄を破棄することを断られているじゃないですか。」
「だから今説得していたのよっ。」
「隣の部屋まで聞こえていましたが、全くできていませんでしたけどね。」
「…だから無理だって言っただろ。」
ようやく。
ようやく元婚約者が口を開いた。
「そもそも敬輔さんが市川の弁護士やってる時点でおかしいと思わないといけないんだよ。たまにテレビでコメントしてるような人だろ。それなりに忙しい人がわざわざ婚約破棄ごときに首をつっこんでるなんて何かあると思うはずなんだよ。」
「ほう。」
敬輔さんは笑みを浮かべた。
「オレも気がついたのはついさっきだが。
大樹がここにいるってことはそうなんだろ。」
向こうの両親は今気がついたって顔をしている。
まぁずっとあたしの隣に立っているしね。
「まだ、何もしていませんがね。
婚約破棄に関する問題が解決したら結婚して下さいとお願いはしてあります。」
飄々と大樹は答えた。
「ですから深和さんが行き遅れになることはございませんので安心して下さい、叔母さん。
ましてや12年彼女を一途に思い続けた優良物件です。貴方のように浮気は男の甲斐性だとも申しません、叔父さん。」
「そういうわけですからどうぞお引き取りください。」
向こうの両親は不機嫌丸出しだ。
「その前にサインを。」
敬輔さんが万年筆を差し出し向こうの父親がサインをする。
「ありがとうございます。」
「茶の1つも出さないような家の娘なんか願い下げだ。」
「婚約破棄しておいていつまでも謝罪にも来ず、来たら来たで菓子折りの1つも持たずに来るような相手を客とも思わないし、出す茶もない。」
父が言えば向こうの父親は残されたお金を掴んで立ち上がった。
「帰るぞ。」
こうして嵐は去って行った。
「足、大丈夫なのか?」
元婚約者は靴を履きながら言ってきた。
「まぁ、少し痛いですけど。」
「今日はうちの両親がすまなかった。」
そう言い残し、元婚約者は帰って行った。
あたしは台所から塩を取ってきて玄関の外にまいた。
お相撲さんのように綺麗にはまけなかった。
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