「お前のような奴と結婚できない」と婚約破棄された聖女は新しい幸せを探します

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「ただいま戻りましたー！」


私が元気よく声をかけると、ノエルさんが出迎えてくれた。子供たちは既に教会の中庭に集まっているようだ。私は急いで準備に向かうことにした。まずは着替えなければ……そして、サンタの衣装に着替え終わった後、子供たちの元へ向かう。そこにはすでにサンタの衣装に着替えたカイトさんもいた。彼は優しい笑顔を浮かべて立っている。


（うぅ……緊張してきた……！）


私は心臓の鼓動が激しくなるのを感じた。今から子供たちが喜ぶ姿を見ることができるのだ。そう思うとワクワクしてくるのだが、それと同時に緊張もしてしまうのだ。


「それじゃあ、カイトさん。子供たちにプレゼントを配ってきてちょうだい」


ノエルさんが微笑みながら言うと、カイトさんは笑顔で頷いた。そして、子供たちの前に立つと優しい口調で話しかける。


「みんな！ メリークリスマス！ 今年もいい子にしていたかな？」


（わぁ……！）


私は心の中で感嘆の声を上げた。その声はとても優しく温かみのあるものだった。その声に反応した子供たちは元気よく返事をする。


「うん！ いいこにしてたよ！」


「たくさんお手伝いしたもん！」


そんな返事を聞いてカイトさんは嬉しそうに微笑んだ。


「そっか！ 偉いね！」


「ねぇ、はやくプレゼントちょうだい！」


一人の男の子が待ちきれない様子で言う。他の子たちも期待の眼差しでカイトさんを見つめている。


（ふふっ……可愛いなぁ……）


そんな子供たちの様子を見ていると自然と笑みがこぼれた。そして、そんな子供たちを見つめながら彼は言った。


「それじゃあ、始めるよ」


カイトさんがそう言うと、子供たちはワクワクした様子で待っていた。私も思わず息を呑んでしまうほどだ。


（いよいよ始まるんだ……）


私はドキドキしながら彼のことを見ていた。そして、ついにプレゼントが配られる時がやってきた。


「メリークリスマス！ はい、どうぞ！」


カイトさんが子供たちに向かってプレゼントを渡すと、みんな嬉しそうな声を上げた。


（わぁ……！）


私は心の中で拍手をしていた。こんなにも素晴らしい瞬間に立ち会えるなんて夢のようだと思った。それからしばらくの間、子供たちは喜んでくれていた。だが、次第に睡魔に襲われていくようだ。


（ふふっ……可愛いなぁ……）


そんな様子を眺めていてふと思ったことがあった。


（そういえば……カイトさんにプレゼントを渡さなきゃ……）


私は慌ててプレゼントを用意しに行った。そして、彼の元へ向かうと小さな声で言う。


「あの……カイトさん」


すると、彼は微笑んで答えてくれた。


「なんだい？」


私は深呼吸をしてからプレゼントを差し出した。そして、思い切って口を開く。


「……メリークリスマス……！」


（言えたぁ……！）


心の中でガッツポーズをしながら私は思っていた。無事に伝えられて良かったと安心していると、彼が笑顔で受け取ってくれる。


「ありがとう！ これは……マフラーだね」


「はい！ 使ってくれると嬉しいです！」


私が照れながら言うと、彼は微笑みながら言った。


「もちろんだよ！ 大切に使うよ」


（やった……！）


私は心の中でガッツポーズをした。喜んでくれたことが何よりも嬉しかったのである。

それから、カイトは子供たち一人一人にプレゼントを配って回った。受け取った子供たちはとても嬉しそうだった。そして、最後には私の元にやってくる。彼はニッコリと笑ってから言った。


「クロエもメリークリスマス！」


「ありがとうございます！」


私はお礼を言うと、彼からプレゼントを受け取った。綺麗なラッピングが施されており、開けるのが勿体無いくらいだった。


（わぁっ……可愛い……！）


包みを開けると中には可愛らしい人形が入っていた。よく見ると、それは私が好きなキャラクターだ。


（嬉しい……！）


私は嬉しさのあまり泣きそうになってしまった。こんなにも素敵なクリスマスを過ごせるとは思っていなかったからだ。本当に最高の一日になったと思う。子供たちが笑顔で笑っている様子を見ていると幸せな気持ちになるし、カイトさんの優しさに触れることができたからだろう。そんなことを考えながら空を見上げると、雪が降り始めていた。


（綺麗だなぁ……）


私は思わず見惚れてしまった。ホワイトクリスマスとはこういうことを言うのだろう。雪の降る景色をいつまでも眺めていたいと思った。


「クロエ！ 何してるの？」


一人の女の子が私に向かって声をかけてきた。私は笑顔で答える。


「雪を見てたんだ！ 綺麗でしょう？」


私が問いかけると、女の子は大きく頷いた。そして、満面の笑みを浮かべて言った。


「うん！ すっごくきれいだね！」


（あぁ……本当に素敵な日だなぁ……）


私は幸せを感じながら空を見上げていた。きっと、この幸せはずっと忘れることができないだろうと思うのだった。