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それからしばらく経った頃、私はある村にたどり着いた。そこは小さな村で、人の姿はあまり見当たらなかったが、何人かの子供たちが遊んでいる姿が目に入った。

(良かった……ここは安全そうだね)

私が安堵のため息をついていると、一人の少女が話しかけてきた。

「お姉ちゃんは旅人さん?」

「えっ?」

私は戸惑いながらも頷いた。すると少女は笑顔で話を続けたのである……。

「私の名前はヘレン! よろしくね!」

「あ、えっと、ノエルです……よろしくお願いします」

私は戸惑いつつも自己紹介をした。するとヘレンは笑顔で話しかけてくる。

「ねえ、ノエルお姉ちゃん! 良かったら私の家に来ない?」

「えっ、でも……」

私が悩んでいると、ヘレンは私の腕を引っ張った。

「いいからいいから! ほら早く!」

私は半ば強引に連れていかれてしまったのだった……。ヘレンは私を自分の部屋に案内してくれた。部屋の中は綺麗に整頓されており、ベッドの上にはぬいぐるみが置かれている。

「さあ座って! お菓子もあるから一緒に食べよう!」

「あ、ありがとうございます」

(何だか緊張するなぁ……)

私は少し戸惑いながらも椅子に座った。するとヘレンが私の隣に座って話しかけてくる。

「ねえ、ノエルお姉ちゃん! 旅の話聞かせてよ!」

「え? でもあまり面白い話はできないかもしれないですよ?」

「それでもいいから教えて欲しいな!」

ヘレンは目を輝かせながら私を見つめていた。私は少し悩んだ後、小さく頷いて口を開いた……。

「じゃあ、少しだけ話しますね……」

私は頭を巡らせながら話し始めた……。

***

私が旅をしていた頃の話を語り終えると、ヘレンはとても嬉しそうに笑っていた。

「すごいなぁ……! そんなことがあるんだね……!」

「そ、そうかな……?」

私は照れくさくなって思わず俯いてしまった。するとヘレンは私の手をギュッと握ってきた。

「もっとノエルお姉ちゃんの話聞かせて欲しいな!」

「うん、いいよ……!」

私は嬉しく思いながらも話を続けた……。それからしばらくの間、私たちはお喋りを続けたのだった……。

「お邪魔しました。そろそろ帰らないと……」

私が立ち上がると、ヘレンは寂しそうな顔をして私を見つめた。

「もう帰っちゃうの……?」

「うん、ごめんね」

私が謝ると、ヘレンは首を横に振って笑顔を浮かべた。

「ううん! 楽しかったからいいの! あ、そうだ! 泊まっていかない? 今日はもう遅いし……」

「え、でも……」

私が戸惑っていると、ヘレンは私の手をギュッと握ってきた。彼女の目は真剣だった。まるで絶対に逃さないと言っているかのようだった……。

(どうしよう……?)

私は少し悩んだが、結局泊まることにした。このまま歩き回っても疲れるだけだしね……。それにこの子のことが少し心配だから放っておけなかった。

「じゃあお言葉に甘えて泊まっていこうかな……」

私がそう言うと、ヘレンは本当に嬉しそうな顔をして笑ったのだった……。

「やった! じゃあ一緒に寝よう!」

「え? いや、それはちょっと……」

私は戸惑いながら答えたが、ヘレンは有無を言わせずに私をベッドまで引っ張っていった。そして二人で横になると、彼女は笑顔で話しかけてきた。

「ねえ、ノエルお姉ちゃん! またお話聞かせてね!」

「もちろんだよ」

私は苦笑しながら彼女の頭を撫でたのだった……。それからしばらくすると、ヘレンは小さな寝息を立て始めた。よっぽど疲れていたのかすぐに眠ってしまったようだ。私はそんな彼女を見つめながら微笑んだ。

(さて、そろそろ時間だし私も寝ないとね……)

私は目を閉じると眠りについたのだった……。
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