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「アベルさん! 起きてください!」


翌朝、アリサに起こされる。外を見ると既に日が出ていた。どうやらかなり長い間眠っていたらしい……


「もう朝か……」


俺が起き上がると、アリサは着替え始める。俺は後ろを向くと彼女に話しかけた。


「今日はどこに行くんだ?」


すると彼女は嬉しそうな声で答えた。


「一緒にピクニックに行きませんか? お弁当を作ってきたんです!」


「それは楽しみだな……」


俺たちは宿を出ると、近くの森へと向かった。そこは静かで空気も澄んでいた。鳥のさえずりを聞きながら歩いていると、突然アリサが手を握ってきた。


「えへへ……手を繋ぎましょう!」


「……ああ」


俺は照れ臭さを感じつつも彼女の手を握り返した。そしてしばらく進むと開けた場所に出た。そこには大きな湖があり、その周囲には色とりどりの花が咲いている。どうやらここは秘密のスポットのようだ……


(綺麗な場所だ……)


そう思いながら眺めていると、アリサがバスケットからサンドイッチを取り出した。


「アベルさんのために作ってきました!」


「おお! ありがとう!」


俺は感激しながら受け取る。中には卵やハムなどが入っていた。早速食べてみることにする。


(美味しい!)


一口食べるたびに幸せな気分になった……アリサの愛情を感じる味だ。夢中で食べているうちにあっという間になくなってしまった……


「ごちそうさまでした!」


「お粗末様です」


アリサは嬉しそうに笑うと、今度は水筒を取り出す。中には温かいお茶が入っていた。


「はい、どうぞ!」


「ありがとう」


俺はそれを口に含むとホッと一息ついた。その後、アリサは俺に寄りかかってくる。


「こうして二人でゆっくり過ごすのもいいですよね……」


「そうだな……」


俺は彼女の頭を撫でると、優しく微笑んだ……


(この幸せな時間がいつまでも続いてほしい……)


そんなことを考えていると、アリサが俺の顔を覗き込んできた。


「アベルさん?どうかしましたか?」


「いや何でもないよ」


俺たちはしばらくの間、湖のほとりでのんびりと過ごした。それからしばらくして、アリサが口を開いた。


「アベルさん……キスしたいです……」


「えっ!?」


突然の申し出に驚く。アリサの顔は真っ赤に染まっていた……


(ここで断るのも野暮だよな……)


俺は覚悟を決めると、ゆっくりと唇を重ねた。柔らかくて温かい感触が伝わってくる……そして唇を離すと見つめ合ったまま微笑み合った。


「アベルさん……好き……」


アリサは潤んだ瞳でこちらを見つめてくる。俺は彼女の手を取ると、そのまま引き寄せた。そして今度は深く口づけをする……


「ん……」


アリサは甘い吐息を漏らす。そして俺たちはしばらくの間、お互いの存在を確かめ合うかのように何度も口づけを交わした……


「アベルさん……大好きです」


「ああ、俺もだ……」


こうして俺たちは二人だけの時間を過ごし続けた……
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