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24.リーゼル視点
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「……は? お義父様、今なんて言いましたか?」
「ラーザー伯爵が、今朝教会で遺体となって見つかったそうだ」
「なんでそんなことに……」
今朝、朝食を食べるために一階にある居間に移動すると、義父が突然そんなことを言った。
リーゼルは突然の訃報に耳を疑い、驚いた表情を見せていた。
「恐らくは、数々の悪事が明るみになり、もう後が無くなのではないか? 教会側も伯爵の尻拭いには手を焼いていたくらいだから、庇いきれなくなり伯爵を見捨てた……、と言ったところだろう。そして追いつめられた挙げ句……」
「お義父様は、随分と落ち着いて言われるんですね」
まるでこうなることを予想していたかのように……と、リーゼルは感じていた。
「あの男はやり過ぎたからな。目立ち過ぎたんだよ。教会に守られていることを良いことに、何をしてもいつまでも守られると勘違いした。皆、いつかこうなることを予想していたと思うよ。気付いていなかったのは当人だけだったということだな。本当に愚かな人間だ」
「……そうね」
リーゼルは今の話を聞いて、腑に落ちないといった表情を浮かべていたが、大体は納得していた。
何度かラーザーと顔を合わせたことがあるが、あの男はお世辞にも良い人間とは到底言えなかった。
爵位が下の義父に対していつも命令口調だったし、リーゼルに対しても厭らしい視線を向けてきて、気持ち悪いと何度も思った。
出来れば会いたくない人間、第一位と言っても過言ではないはずだ。
そんな男が消えて、リーゼルは内心少し清々していた。
(あの人、死んだんだ……)
リーゼルは人並みに関心を持つ程度で、ラーザーの死については対して気にはしていなかった。
しかしそれから暫くすると、変な噂が広まり始めた。
ラーザーは平民からも、貴族からも疎まれる存在だった。
王宮に出入りするようになって、彼の悪い噂話を何度か聞いてしまったことがある。
なんでも人を騙してお金を巻き上げているとか、言いがかりを付けて気に入らない商店を潰しているとか……。
中には賊を雇い、人攫いなんてことも行っていると聞いたことがある。
彼女の幼なじみにあの男の噂について聞いてみたところ、それは間違いではないと言っていた。
そこでリーゼルは、ラーザーを危険人物だと認定するに至ったと言うわけだ。
自分で言うのもなんだが、リーゼルは昔から自分の容姿には自信を持っていた。
周囲から『可愛らしい』や『愛らしい』などの言葉をしょっちゅう聞かされていたからだ。
だから、自分はラーザーに狙われていて、いつか誘拐されて売り飛ばされてしまうのではないかと不安に感じていたのだった。
そして話しを戻すと、変な噂というのはラーザーの死についての噂話だ。
リーゼルが公に聖女であると発表した直後、嫌われ者のラーザーがこの世から消えた。
その事で世間では聖女であるリーゼルが、悪人に天誅を下したのではないかと言う噂が広まった。
当然、リーゼルはそんな事など一切していない。
天誅だなんて、まるで神と言われているような気分だった。
だけど聖女と言えば神聖な存在であることは間違いないので、強ち間違ってはいないのかもしれないとも思えて来た。
最初はリーゼルがしたことにされて、冗談じゃないと思っていたが、多くの者達から感謝され、彼女は浮かれてしまった。
自分が特別な存在であるのだと持ち上げられ、有頂天になっていたのだろう。
そこで、そんなことを言ってくる者に対して『私は皆の思いを神に代弁しただけです』と、それっぽく答えるようになっていた。
すると『さすが聖女様だ!』と讃えられる。
リーゼルはそう言われることに悪い気持ちを抱くことはなかった。
寧ろ喜んでいたくらいだ。
(聖女ってすごいな。まるで神様にでもなった気分……)
聖女に認定されてから、リーゼルの生活は一変した。
そうなる前のリーゼルはただの孤児であった。
両親の顔を一度も知ることなく、教会での生活を送っていた。
孤児達は教会での生活を約束される代わりに、昼間は掃除などを各自分担していた。
その生活は、当然裕福なものとは大きくかけ離れていた。
不衛生な場所に多くの孤児が身を寄せるように暮らし、食事も最低限なものしか与えられない。
王宮から寄付金が充てられているようだが、教会幹部の人間が横領し、着服した寄付金を己の肥やしにしていると当時から噂されていた。
しかし、そんなことを口にしてしまえば、ここから追い出され行き場を失ってしまう。
そのことを恐れ、誰一人として文句を言うものは現れなかった。
リーゼルはそんな暮らしをしながらも、いつも明るい笑顔を振りまいていた。
そして教会でシドという少年と出会う。
聞けばリーゼルと同い年であり、彼は天真爛漫な彼女に一目惚れしてしまったようだった。
しかもシドは司教の子息の一人で三男だった。
少し気が弱いところがあったが聞き上手で、良く話すリーゼルとはすぐに仲良くなっていった。
ある日、シドが怪我しているのを見つけて、リーゼルは回復魔法を使った。
貴族であれば魔力持ちは多いのだが、平民で魔力を扱える者はそうはいない。
リーゼルには幼い頃からその力が備わっており、稀有な存在である回復魔法保持者だったのだ。
シドがそのことを父である司教に伝えたところ、テレーゼ男爵家の養子になる話が直ぐに持ち上がった。
さらに教会が彼女の力を訓練する手助けをし、十八歳を迎えた時期に聖女として正式に認定したのだった。
リーゼルにとってはトントン拍子に物事が進んでいき、戸惑うこともあったが、ずっと憧れていた貴族の生活を送れることを大層喜んでいた。
***
「リーゼ、大丈夫? すごい噂になってるね」
「本当にびっくりだよ。皆、私のことを神様とでも思ってるのかな。私はただの聖女なのに……」
休み時間になると、リーゼルは一人になりたくて屋上に足を向けていた。
目が合う度に『聖女様!』と言われるのに少し気付かれしてしまったようだ。
リーゼルは一人になりたい時は、大抵ここに訪れている。
そして親しくしているシドは、そのことを良く知っていた。
だから彼女を心配してここまで来てくれたのだろう。
「聖女、やめたくなっちゃった?」
「ううん! それはないよっ!」
今のリーゼルを気遣うように、シドは心配そうに問いかけた。
リーゼルは首を横に振って、すぐに否定した。
「そっか。それを聞いて少し安心した」
「うん、シドには本当に感謝してるよっ! 私、これからも頑張るねっ!」
「無理はし過ぎないようにね。それから……、リーゼは僕のことを好きでいてくれているんだよね? 殿下との噂があるけど、あれは周りが勝手に言っているだけだよね?」
「う、うん……勿論だよっ! あれは周りが勝手に言い回っているだけ。私が本当に好きなのはシドだよ」
シドの言葉に心臓が飛び跳ねて、一瞬顔が引き攣りそうになってしまった。
すぐに笑顔で誤魔化したら、シドは安心しきった表情に変わったので、リーゼルはそれを見て安堵していた。
(危ない……、気付かれるかと思った)
実はシドから何度も気持ちを伝えられていた。
今までは言葉を濁し、なんとかその場を誤魔化し続けていたが、最近ジークヴァルトとの噂が多くなり、彼は時折心配そうにそのようなことを聞いてくるようになった。
リーゼルにとってシドは自分を今の地位にまで持ち上げてくれた人間だ。
だから彼を裏切るなんてことは到底出来なかった。
一応聖女であると周囲に広まったが、立場的には司教の子息であるシドの方が上だ。
このままオリヴィアの座を奪い、ジークヴァルトとの婚約が決まってしまえば、こんな悩みも簡単に解決するはずだ。
周囲から見たら、ジークヴァルトとの関係は友人以上に見えているだろう。
実際、彼はリーゼルには優しいし、気軽に接することも、愛称で呼ぶことも許されている。
だけど良い雰囲気になりかけると、上手く交わされてしまう。
そのため、今の仲の良いクラスメイトの位置より上には行くことが出来ない。
リーゼルは王太子という地位と、彼の容姿、そしてその優しさに惹かれて本当に好きになってしまった。
シドにはその気持ちは伏せておいて、意地悪なオリヴィアを黙らせるために色々な噂を流して貰っていたのだった。
彼は気が弱く、好いているリーゼルのことはなんだって受け入れてくれる。
最初は少し罪悪感を持っていたが、そのことにも日に日に慣れていき、今となってはそこまで悪いとは思わなくなっていた。
リーゼルにとってシドとは、王太子妃に持ち上げるための駒。
いつしかそんな風に考えるようになってしまった。
「ラーザー伯爵が、今朝教会で遺体となって見つかったそうだ」
「なんでそんなことに……」
今朝、朝食を食べるために一階にある居間に移動すると、義父が突然そんなことを言った。
リーゼルは突然の訃報に耳を疑い、驚いた表情を見せていた。
「恐らくは、数々の悪事が明るみになり、もう後が無くなのではないか? 教会側も伯爵の尻拭いには手を焼いていたくらいだから、庇いきれなくなり伯爵を見捨てた……、と言ったところだろう。そして追いつめられた挙げ句……」
「お義父様は、随分と落ち着いて言われるんですね」
まるでこうなることを予想していたかのように……と、リーゼルは感じていた。
「あの男はやり過ぎたからな。目立ち過ぎたんだよ。教会に守られていることを良いことに、何をしてもいつまでも守られると勘違いした。皆、いつかこうなることを予想していたと思うよ。気付いていなかったのは当人だけだったということだな。本当に愚かな人間だ」
「……そうね」
リーゼルは今の話を聞いて、腑に落ちないといった表情を浮かべていたが、大体は納得していた。
何度かラーザーと顔を合わせたことがあるが、あの男はお世辞にも良い人間とは到底言えなかった。
爵位が下の義父に対していつも命令口調だったし、リーゼルに対しても厭らしい視線を向けてきて、気持ち悪いと何度も思った。
出来れば会いたくない人間、第一位と言っても過言ではないはずだ。
そんな男が消えて、リーゼルは内心少し清々していた。
(あの人、死んだんだ……)
リーゼルは人並みに関心を持つ程度で、ラーザーの死については対して気にはしていなかった。
しかしそれから暫くすると、変な噂が広まり始めた。
ラーザーは平民からも、貴族からも疎まれる存在だった。
王宮に出入りするようになって、彼の悪い噂話を何度か聞いてしまったことがある。
なんでも人を騙してお金を巻き上げているとか、言いがかりを付けて気に入らない商店を潰しているとか……。
中には賊を雇い、人攫いなんてことも行っていると聞いたことがある。
彼女の幼なじみにあの男の噂について聞いてみたところ、それは間違いではないと言っていた。
そこでリーゼルは、ラーザーを危険人物だと認定するに至ったと言うわけだ。
自分で言うのもなんだが、リーゼルは昔から自分の容姿には自信を持っていた。
周囲から『可愛らしい』や『愛らしい』などの言葉をしょっちゅう聞かされていたからだ。
だから、自分はラーザーに狙われていて、いつか誘拐されて売り飛ばされてしまうのではないかと不安に感じていたのだった。
そして話しを戻すと、変な噂というのはラーザーの死についての噂話だ。
リーゼルが公に聖女であると発表した直後、嫌われ者のラーザーがこの世から消えた。
その事で世間では聖女であるリーゼルが、悪人に天誅を下したのではないかと言う噂が広まった。
当然、リーゼルはそんな事など一切していない。
天誅だなんて、まるで神と言われているような気分だった。
だけど聖女と言えば神聖な存在であることは間違いないので、強ち間違ってはいないのかもしれないとも思えて来た。
最初はリーゼルがしたことにされて、冗談じゃないと思っていたが、多くの者達から感謝され、彼女は浮かれてしまった。
自分が特別な存在であるのだと持ち上げられ、有頂天になっていたのだろう。
そこで、そんなことを言ってくる者に対して『私は皆の思いを神に代弁しただけです』と、それっぽく答えるようになっていた。
すると『さすが聖女様だ!』と讃えられる。
リーゼルはそう言われることに悪い気持ちを抱くことはなかった。
寧ろ喜んでいたくらいだ。
(聖女ってすごいな。まるで神様にでもなった気分……)
聖女に認定されてから、リーゼルの生活は一変した。
そうなる前のリーゼルはただの孤児であった。
両親の顔を一度も知ることなく、教会での生活を送っていた。
孤児達は教会での生活を約束される代わりに、昼間は掃除などを各自分担していた。
その生活は、当然裕福なものとは大きくかけ離れていた。
不衛生な場所に多くの孤児が身を寄せるように暮らし、食事も最低限なものしか与えられない。
王宮から寄付金が充てられているようだが、教会幹部の人間が横領し、着服した寄付金を己の肥やしにしていると当時から噂されていた。
しかし、そんなことを口にしてしまえば、ここから追い出され行き場を失ってしまう。
そのことを恐れ、誰一人として文句を言うものは現れなかった。
リーゼルはそんな暮らしをしながらも、いつも明るい笑顔を振りまいていた。
そして教会でシドという少年と出会う。
聞けばリーゼルと同い年であり、彼は天真爛漫な彼女に一目惚れしてしまったようだった。
しかもシドは司教の子息の一人で三男だった。
少し気が弱いところがあったが聞き上手で、良く話すリーゼルとはすぐに仲良くなっていった。
ある日、シドが怪我しているのを見つけて、リーゼルは回復魔法を使った。
貴族であれば魔力持ちは多いのだが、平民で魔力を扱える者はそうはいない。
リーゼルには幼い頃からその力が備わっており、稀有な存在である回復魔法保持者だったのだ。
シドがそのことを父である司教に伝えたところ、テレーゼ男爵家の養子になる話が直ぐに持ち上がった。
さらに教会が彼女の力を訓練する手助けをし、十八歳を迎えた時期に聖女として正式に認定したのだった。
リーゼルにとってはトントン拍子に物事が進んでいき、戸惑うこともあったが、ずっと憧れていた貴族の生活を送れることを大層喜んでいた。
***
「リーゼ、大丈夫? すごい噂になってるね」
「本当にびっくりだよ。皆、私のことを神様とでも思ってるのかな。私はただの聖女なのに……」
休み時間になると、リーゼルは一人になりたくて屋上に足を向けていた。
目が合う度に『聖女様!』と言われるのに少し気付かれしてしまったようだ。
リーゼルは一人になりたい時は、大抵ここに訪れている。
そして親しくしているシドは、そのことを良く知っていた。
だから彼女を心配してここまで来てくれたのだろう。
「聖女、やめたくなっちゃった?」
「ううん! それはないよっ!」
今のリーゼルを気遣うように、シドは心配そうに問いかけた。
リーゼルは首を横に振って、すぐに否定した。
「そっか。それを聞いて少し安心した」
「うん、シドには本当に感謝してるよっ! 私、これからも頑張るねっ!」
「無理はし過ぎないようにね。それから……、リーゼは僕のことを好きでいてくれているんだよね? 殿下との噂があるけど、あれは周りが勝手に言っているだけだよね?」
「う、うん……勿論だよっ! あれは周りが勝手に言い回っているだけ。私が本当に好きなのはシドだよ」
シドの言葉に心臓が飛び跳ねて、一瞬顔が引き攣りそうになってしまった。
すぐに笑顔で誤魔化したら、シドは安心しきった表情に変わったので、リーゼルはそれを見て安堵していた。
(危ない……、気付かれるかと思った)
実はシドから何度も気持ちを伝えられていた。
今までは言葉を濁し、なんとかその場を誤魔化し続けていたが、最近ジークヴァルトとの噂が多くなり、彼は時折心配そうにそのようなことを聞いてくるようになった。
リーゼルにとってシドは自分を今の地位にまで持ち上げてくれた人間だ。
だから彼を裏切るなんてことは到底出来なかった。
一応聖女であると周囲に広まったが、立場的には司教の子息であるシドの方が上だ。
このままオリヴィアの座を奪い、ジークヴァルトとの婚約が決まってしまえば、こんな悩みも簡単に解決するはずだ。
周囲から見たら、ジークヴァルトとの関係は友人以上に見えているだろう。
実際、彼はリーゼルには優しいし、気軽に接することも、愛称で呼ぶことも許されている。
だけど良い雰囲気になりかけると、上手く交わされてしまう。
そのため、今の仲の良いクラスメイトの位置より上には行くことが出来ない。
リーゼルは王太子という地位と、彼の容姿、そしてその優しさに惹かれて本当に好きになってしまった。
シドにはその気持ちは伏せておいて、意地悪なオリヴィアを黙らせるために色々な噂を流して貰っていたのだった。
彼は気が弱く、好いているリーゼルのことはなんだって受け入れてくれる。
最初は少し罪悪感を持っていたが、そのことにも日に日に慣れていき、今となってはそこまで悪いとは思わなくなっていた。
リーゼルにとってシドとは、王太子妃に持ち上げるための駒。
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