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第5話 緑光蝶のシルフィア
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「キャーーーー!」
うっそうとした森の中に、少女の叫び声が鳴り響く。
「誰か・・・誰か助けてーー!」
人間の国から魔王軍の勢力地に入ってしばらくしたところに広がる魔獣の森。
その中で、一人の少女が道端に倒れこみ、頭を三つ持つ魔獣、ケルベロスに、大口を三つ開けて迫られていた。
「お願い、誰か、助けてーー!!」
少女は力の限りに叫び、周りの様子を伺うが、しかし誰も駆けつけてはくれない。
ケルベロスは舌なめずりしながら、ゆっくりと少女にその牙を近づける。
しかし・・・・少女はそちらは気にせず、怪訝そうな顔で周囲を見渡した。
「・・・・?あれ?
ちょっとー!だれかー!勇者様ーーーたすけてーーーー!」
少女・・・・緑光蝶のシルフィアは、やや演技が適当になりながら、もう一度そう叫んだ。
しかし、相変わらず誰も答えない。
代わりにケルベロスがいよいよ我慢できない!と言う感じでシルフィアに噛みつこうとしてきた。
「あー、もう!
もうちょっと待ってくれないの!?」
そう言うとシルフィアは人差し指を軽く振って、その指先から緑色の蝶を一羽放った。
蝶は音もなくケルベロスの口の中に吸い込まれ・・・・
バシュゥ!!
ケルベロスの体の中から風の刃が2重3重に生まれ、ケルベロスを一瞬で切り刻んだ。
飛び散った血は、シルフィアに一滴も当たることはなかった。
シルフィアはやれやれと立ち上がった。
「あーもう、やっぱり野生の魔獣はダメだね」
か弱い人間のふりをして襲われるように仕向けたのだが、そう都合よく待ってくれるわけはなかった。
まあ、シルフィアの正体に気づかない程度の魔獣では、演技を仕込むことも難しかっただろうが。
「でもおかしいなー。勇者はもう、すぐ近くを歩いているはずなのに・・・。ボクの悲鳴が聞こえたら助けに来ると思ったんだけどな」
シルフィアは頭を掻きながら、もう一度周りを見渡した。
◆
緑光蝶のシルフィアは、人間なら16、7歳くらいの少女の見た目をしているが、魔族の名家、ウィンブロ一族の当主である。
しかし、一族とか当主とか言っても、人間族のそれのように、きらびやかなものではない。
(逆に人間たちはよくあんなにキラキラする余裕があるわよね)
とは、シルフィアが時々思うことだ。
長年魔王軍に劣勢を繰り広げているくせに、人間族の領地の奥の方では王様だ貴族だと、贅沢を追求することに余念がない。
まあそれはいい。
とにかくシルフィアは、楽しいわけでもない当主として、四天王の威厳を保たないといけないわけだ。
ウォーバルも同じように、一族を背負う立場だったはずだ。
グランザとファイレーンは、一族とかは関係なく、在野から現れた天才のはずなので、また心境も違うかもしれないが。
「いいですか。我々三人よりもグランザの方がとても強い、という事実はしっかりと受け止めないといけません」
「そんなこと何度も言わなくていい」
ウォーバルは不機嫌そうにそう言ったが、ファイレーンは無視した。
「しかしそれでもやりようはあるはずです!
大事なのは一人ひとりの「印象」を変えることです。
四人全員が、強さの主張一辺倒で向かって行ったら、単純に強さを比べられてしまうでしょう。
しかし、四人それぞれ全く違った特色を出して、違ったアプローチをすれば・・・」
喋っているうちにテンションが上がったのか、ファイレーンは一度ぐっと拳を握りしめてタメを作った。
「『最初の奴も強かったけど、その後の奴らも別の意味でヤバかったよね』
と勇者に思ってもらえるわけです!」
「ハッ!?ちょっと待て!」
ウォーバルは今度は強引に割り込んだ。
「なんかその言い方だと、四天王全員、最終的に勇者にやられてる感じになってないか!?」
「確かに。四天王全員倒した後に勇者が思う感想だよね、それ」
しかしファイレーンは「チッチッチ」と指を横に振った。
(ファイレーンってこんな性格だったっけ?)
とシルフィアは思ったが、まあ緊急事態なので多少いつもと違う感じになることもあるかも知れない。
ファイレーンはそのまま続けた。
「さっきも言った通り、一人づつ戦って決着をつけていくのでは「印象」は変わりません。
我々三人は、それぞれ違ったアプローチで勇者に関わっていき、
上手いこと直接対決を避けながら、
いい感じで大物感、強者感をアピールしていくんです。
そして最終的には、
勇者を倒すために三人がかりだろうが罠を張ろうが暗殺しようが、
大物感をいい感じで保てるシチュエーションさえ作れてさえいれば、
我々三人の威厳は保たれるのです!」
ファイレーンは力説したが・・・。
「・・・?」
「・・・??」
いい感じで、とかが多すぎて、シルフィアもウォーバルも困惑するばかりで何も言えなかった。
「まずはシルフィア!」
ファイレーンはお構いなしにシルフィアを指さして。
「な、なに!?」
「あなたのキャラを生かすなら・・・。そうですね。
選択肢は二つあります!」
ファイレーンは立てている指を一本から二本に増やした。
「一つ!
旅の途中で出会い、絆を育んだ可憐な少女が実は敵の幹部だった!
二つ!
無邪気さゆえに残酷な戦闘狂のボクッ子キャラ!」
「ええ!?」
「でも戦闘狂キャラはウォーバルさんとバッティングする可能性があるので危険ですね。
それに、我々は勇者についての情報が少なすぎます。グランザを倒した時の謎の光とか、強さの秘密とか。
我々は勇者の本名はおろか、男か女かすら分かっていないんですよ!?
だから、スパイ的な意味でも一つ目の案で行きましょう」
「ちょと待ってよ!!」
シルフィアは暴走するファイレーンを何とか止めた。
「何言ってるの?どういうこと!?」
「言ったとおりの意味です!」
今日のファイレーンはとにかく強気だ。
「我々三人は、勇者とそれぞれ違った関係性をを作って大物感を出さないといけないんです!
人間のふりして仲良くなってから、ここぞという時に魔族の四天王としての正体を現す!
上手くやれば大物感はバッチリです!」
◆
と言うわけで・・・・。
シルフィアは勇者と「仲良く」なるために勇者の元に向かったのだった。
普段の黒いコートの代わりに、人間の冒険者がよく着ていそうな旅服を調達した。
最初は町娘っぽい格好にしようとしたが、それはやめておいた。
魔王軍の勢力地を一人で旅している、という設定なので、さすがに不自然だろう。
できるだけ、旅慣れているそこそこ腕のいい魔術師、という雰囲気になるように装備を揃えた。
魔術師の杖は・・・本来ならシルフィアには必要ないのだが、持っていたほうがそれらしいかと思い、短いものを腰に下げている。
そうして、勇者と出会うべく目的に地に来たわけだが・・・
悲しいかな、迷子になってしまったようだ。
「やっぱり、モンスターに襲われてるところを偶然通りがかった勇者に助けてもらう、って作戦がよくなかったのかな?」
その方が勇者の警戒心を解けると思ったのだが。
勇者がこの森に入るところは確認できていたので、通り道に先回りして一芝居打ったのだが、上手くいかなかった。
普通に街にいるときに声をかければ良かったのだろうか・・・・。
「とりあえず、そんなに早く森を抜けると思わないから、また野生のモンスター見つけて襲われるふりでもしようかな」
四天王か勇者か、どちらかに倒される運命のモンスターにはかわいそうだが、まあ仕方ない。
と、その時・・・
「キャーーーーー!!!」
シルフィアのものではない悲鳴が森に鳴り響いた。
うっそうとした森の中に、少女の叫び声が鳴り響く。
「誰か・・・誰か助けてーー!」
人間の国から魔王軍の勢力地に入ってしばらくしたところに広がる魔獣の森。
その中で、一人の少女が道端に倒れこみ、頭を三つ持つ魔獣、ケルベロスに、大口を三つ開けて迫られていた。
「お願い、誰か、助けてーー!!」
少女は力の限りに叫び、周りの様子を伺うが、しかし誰も駆けつけてはくれない。
ケルベロスは舌なめずりしながら、ゆっくりと少女にその牙を近づける。
しかし・・・・少女はそちらは気にせず、怪訝そうな顔で周囲を見渡した。
「・・・・?あれ?
ちょっとー!だれかー!勇者様ーーーたすけてーーーー!」
少女・・・・緑光蝶のシルフィアは、やや演技が適当になりながら、もう一度そう叫んだ。
しかし、相変わらず誰も答えない。
代わりにケルベロスがいよいよ我慢できない!と言う感じでシルフィアに噛みつこうとしてきた。
「あー、もう!
もうちょっと待ってくれないの!?」
そう言うとシルフィアは人差し指を軽く振って、その指先から緑色の蝶を一羽放った。
蝶は音もなくケルベロスの口の中に吸い込まれ・・・・
バシュゥ!!
ケルベロスの体の中から風の刃が2重3重に生まれ、ケルベロスを一瞬で切り刻んだ。
飛び散った血は、シルフィアに一滴も当たることはなかった。
シルフィアはやれやれと立ち上がった。
「あーもう、やっぱり野生の魔獣はダメだね」
か弱い人間のふりをして襲われるように仕向けたのだが、そう都合よく待ってくれるわけはなかった。
まあ、シルフィアの正体に気づかない程度の魔獣では、演技を仕込むことも難しかっただろうが。
「でもおかしいなー。勇者はもう、すぐ近くを歩いているはずなのに・・・。ボクの悲鳴が聞こえたら助けに来ると思ったんだけどな」
シルフィアは頭を掻きながら、もう一度周りを見渡した。
◆
緑光蝶のシルフィアは、人間なら16、7歳くらいの少女の見た目をしているが、魔族の名家、ウィンブロ一族の当主である。
しかし、一族とか当主とか言っても、人間族のそれのように、きらびやかなものではない。
(逆に人間たちはよくあんなにキラキラする余裕があるわよね)
とは、シルフィアが時々思うことだ。
長年魔王軍に劣勢を繰り広げているくせに、人間族の領地の奥の方では王様だ貴族だと、贅沢を追求することに余念がない。
まあそれはいい。
とにかくシルフィアは、楽しいわけでもない当主として、四天王の威厳を保たないといけないわけだ。
ウォーバルも同じように、一族を背負う立場だったはずだ。
グランザとファイレーンは、一族とかは関係なく、在野から現れた天才のはずなので、また心境も違うかもしれないが。
「いいですか。我々三人よりもグランザの方がとても強い、という事実はしっかりと受け止めないといけません」
「そんなこと何度も言わなくていい」
ウォーバルは不機嫌そうにそう言ったが、ファイレーンは無視した。
「しかしそれでもやりようはあるはずです!
大事なのは一人ひとりの「印象」を変えることです。
四人全員が、強さの主張一辺倒で向かって行ったら、単純に強さを比べられてしまうでしょう。
しかし、四人それぞれ全く違った特色を出して、違ったアプローチをすれば・・・」
喋っているうちにテンションが上がったのか、ファイレーンは一度ぐっと拳を握りしめてタメを作った。
「『最初の奴も強かったけど、その後の奴らも別の意味でヤバかったよね』
と勇者に思ってもらえるわけです!」
「ハッ!?ちょっと待て!」
ウォーバルは今度は強引に割り込んだ。
「なんかその言い方だと、四天王全員、最終的に勇者にやられてる感じになってないか!?」
「確かに。四天王全員倒した後に勇者が思う感想だよね、それ」
しかしファイレーンは「チッチッチ」と指を横に振った。
(ファイレーンってこんな性格だったっけ?)
とシルフィアは思ったが、まあ緊急事態なので多少いつもと違う感じになることもあるかも知れない。
ファイレーンはそのまま続けた。
「さっきも言った通り、一人づつ戦って決着をつけていくのでは「印象」は変わりません。
我々三人は、それぞれ違ったアプローチで勇者に関わっていき、
上手いこと直接対決を避けながら、
いい感じで大物感、強者感をアピールしていくんです。
そして最終的には、
勇者を倒すために三人がかりだろうが罠を張ろうが暗殺しようが、
大物感をいい感じで保てるシチュエーションさえ作れてさえいれば、
我々三人の威厳は保たれるのです!」
ファイレーンは力説したが・・・。
「・・・?」
「・・・??」
いい感じで、とかが多すぎて、シルフィアもウォーバルも困惑するばかりで何も言えなかった。
「まずはシルフィア!」
ファイレーンはお構いなしにシルフィアを指さして。
「な、なに!?」
「あなたのキャラを生かすなら・・・。そうですね。
選択肢は二つあります!」
ファイレーンは立てている指を一本から二本に増やした。
「一つ!
旅の途中で出会い、絆を育んだ可憐な少女が実は敵の幹部だった!
二つ!
無邪気さゆえに残酷な戦闘狂のボクッ子キャラ!」
「ええ!?」
「でも戦闘狂キャラはウォーバルさんとバッティングする可能性があるので危険ですね。
それに、我々は勇者についての情報が少なすぎます。グランザを倒した時の謎の光とか、強さの秘密とか。
我々は勇者の本名はおろか、男か女かすら分かっていないんですよ!?
だから、スパイ的な意味でも一つ目の案で行きましょう」
「ちょと待ってよ!!」
シルフィアは暴走するファイレーンを何とか止めた。
「何言ってるの?どういうこと!?」
「言ったとおりの意味です!」
今日のファイレーンはとにかく強気だ。
「我々三人は、勇者とそれぞれ違った関係性をを作って大物感を出さないといけないんです!
人間のふりして仲良くなってから、ここぞという時に魔族の四天王としての正体を現す!
上手くやれば大物感はバッチリです!」
◆
と言うわけで・・・・。
シルフィアは勇者と「仲良く」なるために勇者の元に向かったのだった。
普段の黒いコートの代わりに、人間の冒険者がよく着ていそうな旅服を調達した。
最初は町娘っぽい格好にしようとしたが、それはやめておいた。
魔王軍の勢力地を一人で旅している、という設定なので、さすがに不自然だろう。
できるだけ、旅慣れているそこそこ腕のいい魔術師、という雰囲気になるように装備を揃えた。
魔術師の杖は・・・本来ならシルフィアには必要ないのだが、持っていたほうがそれらしいかと思い、短いものを腰に下げている。
そうして、勇者と出会うべく目的に地に来たわけだが・・・
悲しいかな、迷子になってしまったようだ。
「やっぱり、モンスターに襲われてるところを偶然通りがかった勇者に助けてもらう、って作戦がよくなかったのかな?」
その方が勇者の警戒心を解けると思ったのだが。
勇者がこの森に入るところは確認できていたので、通り道に先回りして一芝居打ったのだが、上手くいかなかった。
普通に街にいるときに声をかければ良かったのだろうか・・・・。
「とりあえず、そんなに早く森を抜けると思わないから、また野生のモンスター見つけて襲われるふりでもしようかな」
四天王か勇者か、どちらかに倒される運命のモンスターにはかわいそうだが、まあ仕方ない。
と、その時・・・
「キャーーーーー!!!」
シルフィアのものではない悲鳴が森に鳴り響いた。
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