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第6話 勇者登場!
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「オラオラ!死ねやぁー!!!」
「キャー!誰か!助けてー!」
シルフィアが悲鳴の出所に向かうと、悲鳴のほかに一人の恫喝の声が聞こえてきた。
見つからないようにコッソリ木の陰から覗き込むと、
もしかしたら、と少し期待していたことだが・・・
そこにいたのは、以前映像で見た通りの勇者だった。
「オラオラァ!てめぇがため込んだ財宝のありかを全部教えやがれぇ!」
ただし、オラオラ言ってる方が勇者だった。
(あんなんだっけ?)
以前グランザとの戦いの映像で見た時とはだいぶ雰囲気が違うような・・・。
だが、どこかの国の軍服と軍帽の上にマントを羽織った、鋭い目の短髪の少年・・・もしくは少女?どちらか分からないが、
その姿と、手にした聖剣。確か名前はセインリオン、は映像で見た勇者のものだった。
「ほーら、早く言わないとこの剣先がテメェの鼻の穴を一つに繋げちゃうぜぇ?」
聖剣を相手の鼻の穴に突っ込もうとしている。
ちなみに勇者の足元に転がって、鼻の穴を繋げられそうになってキャーキャー言っているのは盗賊か何からしい。
(追いはぎの最中かな?)
勇者も追いはぎをするとは思わなかった。
「こ・・・これを!宝はこの地図のアジトにあるから、許してくれ!」
「フン!最初からそうすればいいんだよ!」
勇者は盗賊が差し出した地図を奪い取って盗賊に蹴りを入れた。
盗賊は情けない声を上げて逃げて行った。
その先を見ると、他にも何人もの盗賊の仲間がボロボロになって倒れていた。
どうやらついさっきまで勇者にやられていたようだ。
「おい!さっきからそこで隠れて見ているお前!」
勇者がシルフィアの方に向かって声をかけた。
「出てこい!」
(やっぱりバレてたか)
グランザを倒した程の実力だ。この距離で潜んでいる存在を気付けるのは当然だろう。
むしろ大事なのはここからである。
善良な一般人の振りをして勇者に近づくために、
旅の途中で追い詰められた冒険者のふりをして木陰から出て行って「勇者様!」とか言って助けを求める・・・・。
ファイレーンと事前に練習したお芝居を脳内でおさらいして、いざ、木陰から出て行こうとした時・・・・
グルルルル・・・・・!!!
シルフィアの背後に大きな唸り声と共に、何か巨大な気配が現れた。
唸り声は三つ重なっているようだった。
シルフィアはサッと背後を見る。
(ケルベロス!・・・しかもデカい!)
先ほど倒したものの三倍はあろうかというデタラメな大きさだ。
仲間・・・子供だったのかも知れない、を殺されて、怒っているのだろう。
ここまで音もなく近づき、そして今は口から、ケルベロス特有の火炎球を吐き出そうとしてる!
「チッ・・・!」
勇者がこちらに向かって駆け出したのを、シルフィアは気配で感じる。
「・・・・!」
シルフィアは覚悟を完了した。
つまり、・・・何もしない、という覚悟だ。
「キャーーーーーー!!!!」
シルフィアは改めて渾身の悲鳴を上げ、
そして、ケルベロスの三つの火炎球が弾け、森の木々をなぎ倒した。
「キャー!誰か!助けてー!」
シルフィアが悲鳴の出所に向かうと、悲鳴のほかに一人の恫喝の声が聞こえてきた。
見つからないようにコッソリ木の陰から覗き込むと、
もしかしたら、と少し期待していたことだが・・・
そこにいたのは、以前映像で見た通りの勇者だった。
「オラオラァ!てめぇがため込んだ財宝のありかを全部教えやがれぇ!」
ただし、オラオラ言ってる方が勇者だった。
(あんなんだっけ?)
以前グランザとの戦いの映像で見た時とはだいぶ雰囲気が違うような・・・。
だが、どこかの国の軍服と軍帽の上にマントを羽織った、鋭い目の短髪の少年・・・もしくは少女?どちらか分からないが、
その姿と、手にした聖剣。確か名前はセインリオン、は映像で見た勇者のものだった。
「ほーら、早く言わないとこの剣先がテメェの鼻の穴を一つに繋げちゃうぜぇ?」
聖剣を相手の鼻の穴に突っ込もうとしている。
ちなみに勇者の足元に転がって、鼻の穴を繋げられそうになってキャーキャー言っているのは盗賊か何からしい。
(追いはぎの最中かな?)
勇者も追いはぎをするとは思わなかった。
「こ・・・これを!宝はこの地図のアジトにあるから、許してくれ!」
「フン!最初からそうすればいいんだよ!」
勇者は盗賊が差し出した地図を奪い取って盗賊に蹴りを入れた。
盗賊は情けない声を上げて逃げて行った。
その先を見ると、他にも何人もの盗賊の仲間がボロボロになって倒れていた。
どうやらついさっきまで勇者にやられていたようだ。
「おい!さっきからそこで隠れて見ているお前!」
勇者がシルフィアの方に向かって声をかけた。
「出てこい!」
(やっぱりバレてたか)
グランザを倒した程の実力だ。この距離で潜んでいる存在を気付けるのは当然だろう。
むしろ大事なのはここからである。
善良な一般人の振りをして勇者に近づくために、
旅の途中で追い詰められた冒険者のふりをして木陰から出て行って「勇者様!」とか言って助けを求める・・・・。
ファイレーンと事前に練習したお芝居を脳内でおさらいして、いざ、木陰から出て行こうとした時・・・・
グルルルル・・・・・!!!
シルフィアの背後に大きな唸り声と共に、何か巨大な気配が現れた。
唸り声は三つ重なっているようだった。
シルフィアはサッと背後を見る。
(ケルベロス!・・・しかもデカい!)
先ほど倒したものの三倍はあろうかというデタラメな大きさだ。
仲間・・・子供だったのかも知れない、を殺されて、怒っているのだろう。
ここまで音もなく近づき、そして今は口から、ケルベロス特有の火炎球を吐き出そうとしてる!
「チッ・・・!」
勇者がこちらに向かって駆け出したのを、シルフィアは気配で感じる。
「・・・・!」
シルフィアは覚悟を完了した。
つまり、・・・何もしない、という覚悟だ。
「キャーーーーーー!!!!」
シルフィアは改めて渾身の悲鳴を上げ、
そして、ケルベロスの三つの火炎球が弾け、森の木々をなぎ倒した。
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