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小話4. 盗った貰った勝った
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サーシャがソフィアに出会ったのは六年前のことだ。ソフィアが魔法省の職員として働き、側室なんて予想もしていなかった頃に遡る。彼女は下町の人通りのある道をフラッとしていた時に、ぼけーとしていたせいだろうか、ある少女にぶつかった。
「ごめんなさい!」
「いや、こちらこそ」
そんな他愛のないやり取りが最初の会話だった。その後しばらくして、財布が無くなっていることに気付いた。
「うーん、まあまあかなぁ」
少女は路地裏で先程盗った財布を漁っていた。身なりは良さそうだったが、期待したほどには入っていなかった。
「悪いね。あんまり持ち歩かないタチなんだ」
「あ、あんた、さっきの……!」
「やあ」
この財布の持ち主が何でここにいるんだと少女は驚いたが、すぐさま逃げ道を探した。
「あなた、魔法使えないんだよね?」
「だからなに!!」
後から聞いたが、財布にはある程度の距離ならばどこにあるかわかる魔法が仕掛けられていたらしい。魔法を使える者ならば異変を感知できるとのことだ。
「ちょっと手伝ってほしくてね。ちゃんと報酬は払うと誓うよ」
「信用できない」
「その財布のお金を前払いとしよう。手伝ってくれたら、そのお金の五倍は支払うよ。だめかな?」
「……」
信用できないと少女は思った。盗まれたことを許すだけでなく、さっき盗られた財布をあげるというようなことを言い出すとは怪しいと訝しんだ。
「この話、受けてくれたら、スリのこと、誰にも言わないよ。おまわりさんにもね」
「……わかった」
「ありがとう。私はソフィアだ。よろしく!」
「サーシャ」
そうして、サーシャはソフィアに連れられ、街にある彼女の研究室を訪れた。
「ここに並べてある道具のスイッチを押してほしい」
「それ押したらどうなる?」
「ヤバいことが起きないと試したい」
「は?」
「魔法が使えない人がそれを押して、ちゃんと使えるか、身体に異変が出ないかを確かめたいんだ」
「人体実験ってこと?」
「まあ、そうだね。一応、理論上は大丈夫だし、マウスや魔法士でも実験したんだけれど、やっぱ魔法を使えない人間で問題ないことを証明しないとねぇ」
何かあったらその分の治療費は払うよとソフィアは言った。
「嘘ついて治療費ぶん取るかもよ」
「それは困るな。後払いはさっきの財布の十倍にしよう。それならどう?」
ソフィアはサーシャの発言を値段交渉と捉えたようだった。サーシャのことを馬鹿にせず、対等に話してくれているように感じた。
「随分金が余ってるみたいだね」
「今が使い時だから使ってるの」
ソフィアはにんまり笑った。
「何で私にそんなことするの?」
「さっきのスリの技術っていうのかな、あれすごかったよ。全然わからなかった。だから、興味持ってね。あと、私は20だけど、年いくつ?」
「16」
「ふふふ、年下には優しくするのが信条なんだ」
ソフィアは薄気味悪く笑った。
「ねぇ、この道具、何のためのものなの?」
「ん~、難しいな。まぁ、とりあえず魔法が使えない人も魔法みたいなことできたら便利かなって思って作った」
サーシャは魔法みたいなことができるということを聞いて、興味が惹かれた。それに、ソフィアはサーシャの質問に丁寧に答えてくれるため、嬉しく感じた。
「わかった、やる」
それから、サーシャはちょくちょくソフィアの研究室を訪れた。おまけで勉強を教えてくれることもあった。ソフィアを変わり者で自分に害はないが面倒な女性と感じていた。サーシャはソフィアからの報酬のおかげでスリをしなくて済むようになった。
月日は流れ、ソフィアのあしらいに慣れた頃、ソフィアが荒れに荒れて研究室にいた日があった。
「何があったの?」
「かくかくしかじか!!」
可愛がっていた後輩の皇太子に無断で側室にされたと激怒していたのだ。
「え!側室に?」
「無理矢理ね!!私に断りなく!!!」
「っていうか、皇太子殿下と知り合いだったんだ」
「学生時代の後輩!めっちゃ可愛がってた!!!」
「はあ」
サーシャにはソフィアが怒っているよりも悲しんでいるように見えた。
「断れない感じ?」
「無理だね」
魔法省の同僚、知人、友人にも話が広まり、ついでに父親が即オッケーを出したらしい。
「あのクソ親父」
「口が悪ーい」
「あいつシンプルに嫌い。性格が合わない年上とか本当に嫌」
「はあ」
ソフィアから父親の話を聞くのは始めてだった。それほど嫌なのだろう。
「あー、どうしよう。さいっあく!」
「魔法省やめんの?」
「いや、やっていい許可はもらってる」
サーシャは意外とソフィアの自由を尊重しているなと思った。
「へー、家は宮殿の方になるから、こことはもうおさらば?」
「後宮にはあんま帰んないから、ここは残す」
「え?」
「皇太子の顔は当分拝みたくないね!!!!!」
「えー」
その時のサーシャはまさかそれから五年も避けるとは思いもよらなかった。
「でも、あっちに人置かないとなぁ」
「私行こうか?」
「え?いいの?」
「お金によるけどね」
サーシャはここまで荒れているソフィアの姿を初めて見た。同時に、こういう時にこそ今までの恩を返すべきだと感じた。
「うーん、でもなぁ」
「やっぱり平民はだめか~」
「……それは違うかなぁ。後宮は相当に面倒なとこだよ」
「大丈夫、なんとかなるよ。無理だったら、ソフィアがなんとかしてよ」
ソフィアは本当にいいのかと問いただす目でサーシャを見た。
「なんとかなるよ。あっ、もしかして、ソフィア様って呼んだ方がいい?」
「……そうだね。あと、敬語で話そうか」
「敬語かー」
ソフィアはとりあえず語尾にですますつけて、余計なことは言わずにそうですねって言っとけばいいよと真剣な顔をして言った。
「サーシャ、何かあったら、私に言って。魔法省かここにいるから。あとで紹介するけれど、ドミトリーにも頼ってほしい。とにかく面倒見が良い人だ」
サーシャは名前だけソフィアから聞いたことがあった。なんでも学生時代の友人らしい。ソフィアが大変な迷惑をかけたんだろうなとサーシャは妄想した。
「あと、緊急事態でどうしても私がいた方が都合のいいことがあったら、このボタンを押してほしい。押したら三秒で私が来るボタンだ」
「はあ」
サーシャはあとでこれはなんていう名前の装置なんですかとソフィアに聞いたが、三秒で私が来るボタンって言ったよねという顔をされて、困惑した。
「このボタンを押すと文字通り三秒で私が来るんだが、ご飯食べてる私かもしれないし、トイレで踏ん張ってる私かもしれない。三秒で頑張って体裁整えるが……、まあ、あんまり気軽に呼ばないでね」
「わかりました」
「でも、呼ぶべき時は呼んで。私はあなたがいないと困る」
ソフィアは眉を寄せ、神妙な顔をしていた。
「心配してくれるのって結構嬉しいものですね」
敬語ってこんな感じですよねとサーシャは笑った。
「私もソフィア様がいないと困りますよ」
サーシャはソフィアに会えてよかったと心の底ではいつも思っている。
「ごめんなさい!」
「いや、こちらこそ」
そんな他愛のないやり取りが最初の会話だった。その後しばらくして、財布が無くなっていることに気付いた。
「うーん、まあまあかなぁ」
少女は路地裏で先程盗った財布を漁っていた。身なりは良さそうだったが、期待したほどには入っていなかった。
「悪いね。あんまり持ち歩かないタチなんだ」
「あ、あんた、さっきの……!」
「やあ」
この財布の持ち主が何でここにいるんだと少女は驚いたが、すぐさま逃げ道を探した。
「あなた、魔法使えないんだよね?」
「だからなに!!」
後から聞いたが、財布にはある程度の距離ならばどこにあるかわかる魔法が仕掛けられていたらしい。魔法を使える者ならば異変を感知できるとのことだ。
「ちょっと手伝ってほしくてね。ちゃんと報酬は払うと誓うよ」
「信用できない」
「その財布のお金を前払いとしよう。手伝ってくれたら、そのお金の五倍は支払うよ。だめかな?」
「……」
信用できないと少女は思った。盗まれたことを許すだけでなく、さっき盗られた財布をあげるというようなことを言い出すとは怪しいと訝しんだ。
「この話、受けてくれたら、スリのこと、誰にも言わないよ。おまわりさんにもね」
「……わかった」
「ありがとう。私はソフィアだ。よろしく!」
「サーシャ」
そうして、サーシャはソフィアに連れられ、街にある彼女の研究室を訪れた。
「ここに並べてある道具のスイッチを押してほしい」
「それ押したらどうなる?」
「ヤバいことが起きないと試したい」
「は?」
「魔法が使えない人がそれを押して、ちゃんと使えるか、身体に異変が出ないかを確かめたいんだ」
「人体実験ってこと?」
「まあ、そうだね。一応、理論上は大丈夫だし、マウスや魔法士でも実験したんだけれど、やっぱ魔法を使えない人間で問題ないことを証明しないとねぇ」
何かあったらその分の治療費は払うよとソフィアは言った。
「嘘ついて治療費ぶん取るかもよ」
「それは困るな。後払いはさっきの財布の十倍にしよう。それならどう?」
ソフィアはサーシャの発言を値段交渉と捉えたようだった。サーシャのことを馬鹿にせず、対等に話してくれているように感じた。
「随分金が余ってるみたいだね」
「今が使い時だから使ってるの」
ソフィアはにんまり笑った。
「何で私にそんなことするの?」
「さっきのスリの技術っていうのかな、あれすごかったよ。全然わからなかった。だから、興味持ってね。あと、私は20だけど、年いくつ?」
「16」
「ふふふ、年下には優しくするのが信条なんだ」
ソフィアは薄気味悪く笑った。
「ねぇ、この道具、何のためのものなの?」
「ん~、難しいな。まぁ、とりあえず魔法が使えない人も魔法みたいなことできたら便利かなって思って作った」
サーシャは魔法みたいなことができるということを聞いて、興味が惹かれた。それに、ソフィアはサーシャの質問に丁寧に答えてくれるため、嬉しく感じた。
「わかった、やる」
それから、サーシャはちょくちょくソフィアの研究室を訪れた。おまけで勉強を教えてくれることもあった。ソフィアを変わり者で自分に害はないが面倒な女性と感じていた。サーシャはソフィアからの報酬のおかげでスリをしなくて済むようになった。
月日は流れ、ソフィアのあしらいに慣れた頃、ソフィアが荒れに荒れて研究室にいた日があった。
「何があったの?」
「かくかくしかじか!!」
可愛がっていた後輩の皇太子に無断で側室にされたと激怒していたのだ。
「え!側室に?」
「無理矢理ね!!私に断りなく!!!」
「っていうか、皇太子殿下と知り合いだったんだ」
「学生時代の後輩!めっちゃ可愛がってた!!!」
「はあ」
サーシャにはソフィアが怒っているよりも悲しんでいるように見えた。
「断れない感じ?」
「無理だね」
魔法省の同僚、知人、友人にも話が広まり、ついでに父親が即オッケーを出したらしい。
「あのクソ親父」
「口が悪ーい」
「あいつシンプルに嫌い。性格が合わない年上とか本当に嫌」
「はあ」
ソフィアから父親の話を聞くのは始めてだった。それほど嫌なのだろう。
「あー、どうしよう。さいっあく!」
「魔法省やめんの?」
「いや、やっていい許可はもらってる」
サーシャは意外とソフィアの自由を尊重しているなと思った。
「へー、家は宮殿の方になるから、こことはもうおさらば?」
「後宮にはあんま帰んないから、ここは残す」
「え?」
「皇太子の顔は当分拝みたくないね!!!!!」
「えー」
その時のサーシャはまさかそれから五年も避けるとは思いもよらなかった。
「でも、あっちに人置かないとなぁ」
「私行こうか?」
「え?いいの?」
「お金によるけどね」
サーシャはここまで荒れているソフィアの姿を初めて見た。同時に、こういう時にこそ今までの恩を返すべきだと感じた。
「うーん、でもなぁ」
「やっぱり平民はだめか~」
「……それは違うかなぁ。後宮は相当に面倒なとこだよ」
「大丈夫、なんとかなるよ。無理だったら、ソフィアがなんとかしてよ」
ソフィアは本当にいいのかと問いただす目でサーシャを見た。
「なんとかなるよ。あっ、もしかして、ソフィア様って呼んだ方がいい?」
「……そうだね。あと、敬語で話そうか」
「敬語かー」
ソフィアはとりあえず語尾にですますつけて、余計なことは言わずにそうですねって言っとけばいいよと真剣な顔をして言った。
「サーシャ、何かあったら、私に言って。魔法省かここにいるから。あとで紹介するけれど、ドミトリーにも頼ってほしい。とにかく面倒見が良い人だ」
サーシャは名前だけソフィアから聞いたことがあった。なんでも学生時代の友人らしい。ソフィアが大変な迷惑をかけたんだろうなとサーシャは妄想した。
「あと、緊急事態でどうしても私がいた方が都合のいいことがあったら、このボタンを押してほしい。押したら三秒で私が来るボタンだ」
「はあ」
サーシャはあとでこれはなんていう名前の装置なんですかとソフィアに聞いたが、三秒で私が来るボタンって言ったよねという顔をされて、困惑した。
「このボタンを押すと文字通り三秒で私が来るんだが、ご飯食べてる私かもしれないし、トイレで踏ん張ってる私かもしれない。三秒で頑張って体裁整えるが……、まあ、あんまり気軽に呼ばないでね」
「わかりました」
「でも、呼ぶべき時は呼んで。私はあなたがいないと困る」
ソフィアは眉を寄せ、神妙な顔をしていた。
「心配してくれるのって結構嬉しいものですね」
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