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大学初めての学園祭
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「由貴、泣きそうな顔」
「そんなことない」
「で、藤澤さんは何て?」
「学祭の時にテニスのデモしろってさ」
「いきなり何で?」
「最初は女装してからって言われた」
「何で女装?」
「藤澤さんの趣味じゃない?」
「誰と?」
「相手は選んでいいからって」
「じゃあ颯とするか?」
「え?」
「勝ったら言いたいことぶちまけろよ」
「忙しいのにそんな…………」
「由貴は遠慮しすぎ」
颯太とテニスするのは楽しい。
「遠慮てそんなことない」
「あるから言ってんの!相手は颯太な」
純にあれよと勝手に決められた。
学祭当日までに体調崩さないようにしないとな。
夜メールがきた。
『学祭当日テニスのデモするんだって?俺と』
"急に決まったんだよ"
『楽しみにしてるよ。風邪引かないようにね』
本当は颯太に聞きたいこと沢山ある。
でも。
颯太を困らせたくないから何も言わないだけ。
だって。
俺は颯太には……颯太にだけは嫌われたくないから。
でも。
颯太は好きな人がいるって。
好きな人がいてもいい。
今だけ。
今だけでいいから。
颯太のそばにいさせて。
それからしばらくして。
兄さんから電話がきた。
兄さん、夏兄から。
「はぁ?」
『だから。明日燐がゆっきーの大学の学祭に行くって』
兄さんから珍しく電話がきたと思ったらそう言われた。
『燐より優先したい奴いるのか?』
「…………わかった。燐を案内するよ」
『ゆっきー。好きな子いるならそっち優先させていいんだからな』
兄さんは"ゆっきーもお年頃だしな"とか言ってた。
何だよ!
お年頃って。
兄さんにだけは颯太のことを知られたくない。
それに。
颯太は忙しいだろうし。
一緒に回りたかったけど。
「…………由貴。いいのか?」
「うわっ陸也!?お前盗み聞きしてたのかよ」
「甘えるのが下手な由貴に助言をな。お前が一緒に回りたい言えば颯太は時間を作るぞ?」
「忙しいのに言えねぇよ」
仮に陸也の言う通りでも言えない。
「明日、颯太と試合なんだろう?頑張れ」
「勿論!負かすつもりでいくさ」
明日は格好悪いところは見せられない。
だって明日は燐がくるし。
でも。
ちょっとダルいな…………。
風邪引いたかな。
***********
「37.5℃……。由貴くん今日は大人しく」
「ヤダ」
「……はぁ、仕方ない。その代わり俺が無理だと思ったらやめるからね」
「わかった」
「じゃあ試合まで寝てなよ。冷えぴたもらってくるから」
*********
気持ちいい。
誰だ?
颯太??
「ごめん、寝てるとこ。由貴くんを訪ねてきた男の子がいるんだ」
「誰?」
「純平と話してるよ」
「それ多分弟」
「………由貴くんが試合したがる理由なんとなくわかったかも」
「別に燐の前で見栄はりたいとかじゃないし」
颯太は笑いながら言ってきた。
意地っ張りなんだからと。
「そんなことない」
「で、藤澤さんは何て?」
「学祭の時にテニスのデモしろってさ」
「いきなり何で?」
「最初は女装してからって言われた」
「何で女装?」
「藤澤さんの趣味じゃない?」
「誰と?」
「相手は選んでいいからって」
「じゃあ颯とするか?」
「え?」
「勝ったら言いたいことぶちまけろよ」
「忙しいのにそんな…………」
「由貴は遠慮しすぎ」
颯太とテニスするのは楽しい。
「遠慮てそんなことない」
「あるから言ってんの!相手は颯太な」
純にあれよと勝手に決められた。
学祭当日までに体調崩さないようにしないとな。
夜メールがきた。
『学祭当日テニスのデモするんだって?俺と』
"急に決まったんだよ"
『楽しみにしてるよ。風邪引かないようにね』
本当は颯太に聞きたいこと沢山ある。
でも。
颯太を困らせたくないから何も言わないだけ。
だって。
俺は颯太には……颯太にだけは嫌われたくないから。
でも。
颯太は好きな人がいるって。
好きな人がいてもいい。
今だけ。
今だけでいいから。
颯太のそばにいさせて。
それからしばらくして。
兄さんから電話がきた。
兄さん、夏兄から。
「はぁ?」
『だから。明日燐がゆっきーの大学の学祭に行くって』
兄さんから珍しく電話がきたと思ったらそう言われた。
『燐より優先したい奴いるのか?』
「…………わかった。燐を案内するよ」
『ゆっきー。好きな子いるならそっち優先させていいんだからな』
兄さんは"ゆっきーもお年頃だしな"とか言ってた。
何だよ!
お年頃って。
兄さんにだけは颯太のことを知られたくない。
それに。
颯太は忙しいだろうし。
一緒に回りたかったけど。
「…………由貴。いいのか?」
「うわっ陸也!?お前盗み聞きしてたのかよ」
「甘えるのが下手な由貴に助言をな。お前が一緒に回りたい言えば颯太は時間を作るぞ?」
「忙しいのに言えねぇよ」
仮に陸也の言う通りでも言えない。
「明日、颯太と試合なんだろう?頑張れ」
「勿論!負かすつもりでいくさ」
明日は格好悪いところは見せられない。
だって明日は燐がくるし。
でも。
ちょっとダルいな…………。
風邪引いたかな。
***********
「37.5℃……。由貴くん今日は大人しく」
「ヤダ」
「……はぁ、仕方ない。その代わり俺が無理だと思ったらやめるからね」
「わかった」
「じゃあ試合まで寝てなよ。冷えぴたもらってくるから」
*********
気持ちいい。
誰だ?
颯太??
「ごめん、寝てるとこ。由貴くんを訪ねてきた男の子がいるんだ」
「誰?」
「純平と話してるよ」
「それ多分弟」
「………由貴くんが試合したがる理由なんとなくわかったかも」
「別に燐の前で見栄はりたいとかじゃないし」
颯太は笑いながら言ってきた。
意地っ張りなんだからと。
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