LOVE☆GAME

思い出作り

1

「ぼく、暮沢さん。嫌い｣
「燐？｣
「あの人、兄ちゃん見下してたじゃん｣




発情期と合宿が終わり、颯太と正式に番になってからしばらくしたあと。



燐と課題してたらそう言ってた。
で、颯太は先週から何故かバイト入れまくってた。



何でそんなに入れてるのか聞いたら秘密つって教えてくれなかった。



陸也も理由知ってるけど教えないみたいな態度だったし。



みんなが言うにはまた何かサプライズなことを計画してんじゃないかって。



確かに颯太はサプライズ好きだけどな。




「颯太さんさこの間旅行のパンフレット見てたよ？｣
「旅行にでも行くのか？｣
「…この場合兄ちゃんとだと思うよ？｣
「そのうちわかると思うから｣



何だよ。
みんなして。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



純に呼ばれて純のアパートに行くと藤澤さんがいた。

「純。藤澤さんと遊んでたのか？｣
「藤澤さんが好きな子を落とす方法を教えてくれ言うからな｣
「純のは当てにならないだろう？｣
「ひっど｣
「つか。純はみんなネットで知り合ってるじゃん｣
「ネットで知り合おうが出会いは出会い！由貴だって出会い系してたじゃん」


してたというか。
純。
お前にすすめられてなんだけどな。
それにあの頃は颯太に気持ちを伝えるつもりもなかったし。
諦めようって思ってたし。




「で、何で俺呼ぶんだよ？｣
「颯太の話し聞きたいって思ったからだよ｣




何だよ。
颯太の話しって。




「颯太とシたか？｣
「……藤澤さんてそういう話し好きだよな？｣
「合宿の時言ってただろう？颯太が手出してこないって｣
「言ったけど｣



あのあと発情期がきてめちゃくちゃヤりまくったし。
発情期終わってからも。
項噛むの失敗してくれたおかげでしばらくは痛かったけどな。




「なぁ、颯太て上手いのか？｣
「他と比べたことないから知らない｣
「藤澤さん。由貴は颯となら気持ちいいんじゃない？｣
「由貴…………。めっちゃ首筋跡つけられてないか？｣



そう。
あれから颯太も疲れているみたいで毎日はしてこない。





その代わり。
わかるとこに跡をつけてくるんだよな。



颯太曰く『虫除け』だそうだ。



俺は颯太以外好きになんかならないのにさ。
いつもいつも可愛いんだからとかどこの馬の骨かわからないのに。





「なぁ、颯の初恋っていつだと思う？」
「颯太の初恋？」
「俺は由貴だと思う」
「………俺は莉音ちゃんかな」



莉音！？
誰だよ。




「誰それ」
「颯太が高校の時の彼女だよ。莉音ちゃんのこと好きというか、かなり気に入ってたんだと思うぞ」



颯太の昔の彼女か。



「それに莉音ちゃん。可愛い子好きだから由貴のこと気にいると思うぞ？」
「気に入るもなにも会ったことないだろう？」
「知らねぇの？莉音ちゃん。うちの大学にいるぞ？しかも同じ学部じゃなかったか？？」



なんだよ、それ聞いてないけど。




…………。
颯太の昔の彼女に嫉妬するとか格好悪い。