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葉月カイト

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思い出作り

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「何にしようかな?」



肉は食べないし。
かといってハンバーグばかりじゃあ栄養偏るし。



最近由貴くん疲れてるみたいだし。



鍋にしようかな。
由貴くんトマト鍋好きだし。
よし決まり。




しめじ、ロールキャベツにブロッコリー、ウィンナーでいいかな。
肉団子も作るかな。
豚ミンチ買ったよね。


鶏肉はアレルギーで食べれないから仕方ないけど。



「あ、あがったの」




また。
髪乾かさないで。




「由貴くん。髪乾かさないと風邪引くよ?」
「大丈夫だって」
「乾かしてあげるからおいで」


なんてね。
由貴くんが髪わざと乾かしてないのは知ってる。
俺に乾かしてほしいからなんだよね。


それにしても、相変わらず髪の毛柔らかいなぁ。



「颯太っくっつきすぎ!」
「えぇー」
「えぇーじゃねぇよ」
「由貴くん、きちんと食べなきゃダメだよ?」




もうすぐ俺はいなくなるんだから。
体調悪いときはホント食べないから心配だな。



俺みたいに由貴くんを気にかけてあげるのは純平と燐くんぐらいなんだから。
陸もいるけど店あるから頼りにできない。


「人多すぎじゃね?」
「由貴くん人多いの苦手だもんね?」
「別にいいじゃん!」



由貴くんに就職のことをなかなか話せずにいた。
旅行も明日まで。
花火大会のあと話すつもり。




いや。
つもりじゃなくて。
話さなきゃいけない。



花火大会があるって藤澤から聞いたから由貴くんに浴衣を買っておいたしね。





「由貴くん。花火見るのにいい場所あるからそこに行かない?」
「行く」



少し歩いた丘の上にそれはある。




「ここだよ。誰もいないし、いいでしょ?」
「誰もいないからってへんなことするなよ?」
「変なことって?」



由貴くんが言いたいことわかるけどね。
好きな子がそばにいたら手を出したくなるじゃない。



「だからそういうことだよっ」
「ねぇ。由貴くん?帰ったら大事な話しあるから聞いて」




俺の就職の話し。
由貴くんには話さなきゃいけないから。




『はぁ?研修で北海道に行く?』
『うん』
『由貴は?』
『まだ言ってない』
『由貴に行くなって言われたらどうするんだ?』
『会社に連絡して相談してみるよ』
『アホなことするな!』



もっとも由貴くんはそんなこと言わないけどね。
言うならきっと平気なふりして行ってこいとか言うんだろうな。
それはそれで可愛いんだけどね。



誰にも言えずにギリギリまで我慢しちゃうんだよね。
で、藤澤経由で由貴くんが限界とか聞かされるんだろうな。


もっともっと甘えて欲しいのにな。
由貴くんにならどんなわがまま言われても平気なのに。
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