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村雨姉妹
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燐とひかり、春兄は俺によくしてくれた。
近くの公園で日が暮れるまで遊んだ。
春兄は学校帰ると俺たちの相手をしてくれた。
燐とひかり、楓は保育園に昼間行くから俺は広い家の中に1人。
そんな俺の相手を母さんがしてくれた。
「おかーさん。くるしい?」
母さんはよく体調を崩していた。
「大丈夫よ。休んでいたら良くなるから」
「奥さま、こちらに由貴様はっていらっしゃいましたか」
「ごめんなさい」
「由貴様。お母様を休ませてあげませんと」
俺は母さんが心配だったからそばにいたかった。
「ぼく、ここにいたい。しずかにするから!」
「由貴様………」
「いいわよ!」
「ここでもじのれんしゅーする!」
「文字書ける?由貴くんは猪熊よ?」
「かけるよ!い・の・く・ま・ゆ・き」
「上手ね」
母さんは俺が何をしても褒めてくれた。
昼間は近くの公園で遊んだり父さんがいる時は遊びに連れていってくれたりした。
そして、秋になった頃。
「な、なんで!?」
近くに純がいた。
何ヶ月も経つのに全く気づかなかった。
「由貴知り合いか?」
「うん。しせつに一緒にいたじゅんだよ」
「申し遅れました。私は猪熊和由です」
「私はこの子の父の假屋晴彦です」
「ゆきと施設一緒だったけど知らない!ゆきなんかしらない!」
そう言って純だけ走り去った。
純のお父さんは困ったような顔をしていた。
純の父さんはかなり優しそうな人だった。
それは今でも変わらない。
純のうちは家から近かったから毎日遊びに行くことになった。
遊びにいくというか俺が押しかけていたというか……。
でも。
全く会ってはくれなかった。
純は保育園に通っていたから保育園の日は遊べなかったけど純がいる時は純の家へ行ったけど全く相手してくれなかった。
「ごほっ」
「由貴様!大丈夫ですか?」
「大丈っ」
咳がなかなか止まらなくて苦しい。
施設にいた時や母さんと暮らしていた時たまに苦しくなっていた。
けれど咳が今回は全く治まらない。
今までとは違った。
だから。
母さんに病院に連れて行かれた。
消毒液のにおいが嫌いだった。
母さんが死んだ時のことを思い出させるかのような。
このにおい。
「由貴くんもうすぐ病院だからね」
「ごほっ」
息すると喉がヒューヒューいっていた。
病院に着くと検査をしてもらい。
「小児喘息ですね」
発作が治まらないから点滴をして発作が治まったら帰ることになった。
咳が止まらないでキツかったから気がついたら寝ていた。
「由貴。大丈夫??」
目を覚ますと春兄がいた。
「母さんなら先に帰ったよ」
「息苦しくない?」
俺は春兄に抱っこされながら家に帰った。
近くの公園で日が暮れるまで遊んだ。
春兄は学校帰ると俺たちの相手をしてくれた。
燐とひかり、楓は保育園に昼間行くから俺は広い家の中に1人。
そんな俺の相手を母さんがしてくれた。
「おかーさん。くるしい?」
母さんはよく体調を崩していた。
「大丈夫よ。休んでいたら良くなるから」
「奥さま、こちらに由貴様はっていらっしゃいましたか」
「ごめんなさい」
「由貴様。お母様を休ませてあげませんと」
俺は母さんが心配だったからそばにいたかった。
「ぼく、ここにいたい。しずかにするから!」
「由貴様………」
「いいわよ!」
「ここでもじのれんしゅーする!」
「文字書ける?由貴くんは猪熊よ?」
「かけるよ!い・の・く・ま・ゆ・き」
「上手ね」
母さんは俺が何をしても褒めてくれた。
昼間は近くの公園で遊んだり父さんがいる時は遊びに連れていってくれたりした。
そして、秋になった頃。
「な、なんで!?」
近くに純がいた。
何ヶ月も経つのに全く気づかなかった。
「由貴知り合いか?」
「うん。しせつに一緒にいたじゅんだよ」
「申し遅れました。私は猪熊和由です」
「私はこの子の父の假屋晴彦です」
「ゆきと施設一緒だったけど知らない!ゆきなんかしらない!」
そう言って純だけ走り去った。
純のお父さんは困ったような顔をしていた。
純の父さんはかなり優しそうな人だった。
それは今でも変わらない。
純のうちは家から近かったから毎日遊びに行くことになった。
遊びにいくというか俺が押しかけていたというか……。
でも。
全く会ってはくれなかった。
純は保育園に通っていたから保育園の日は遊べなかったけど純がいる時は純の家へ行ったけど全く相手してくれなかった。
「ごほっ」
「由貴様!大丈夫ですか?」
「大丈っ」
咳がなかなか止まらなくて苦しい。
施設にいた時や母さんと暮らしていた時たまに苦しくなっていた。
けれど咳が今回は全く治まらない。
今までとは違った。
だから。
母さんに病院に連れて行かれた。
消毒液のにおいが嫌いだった。
母さんが死んだ時のことを思い出させるかのような。
このにおい。
「由貴くんもうすぐ病院だからね」
「ごほっ」
息すると喉がヒューヒューいっていた。
病院に着くと検査をしてもらい。
「小児喘息ですね」
発作が治まらないから点滴をして発作が治まったら帰ることになった。
咳が止まらないでキツかったから気がついたら寝ていた。
「由貴。大丈夫??」
目を覚ますと春兄がいた。
「母さんなら先に帰ったよ」
「息苦しくない?」
俺は春兄に抱っこされながら家に帰った。
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