好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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時期外れの転校生

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「というわけで、転校してました磯崎真いそさきまことです!よろしくお願いします」
「如月ー」
「ん?」
「お前ら似てね?」


似てて当然。
まこと俺は双子なんだから。
でも今はまだ時期じゃないから。
だから遠縁の親戚ってことにしとくってしたんだ。



「気のせいだ。まこは……遠縁の親戚だからな」
「ふーん」
「じゃあ席は、晶くんの隣ね」
「はーい」



瑠衣さんはちゃっかり俺の隣にまこの席を作った。



それから転校生がよほど珍しいのか休み時間の度に見にきてた。



そして昼休み。



「まこ。昼飯は、弁当にするぞ」
「え?弁当って愛妻弁当?」
「あほか。ほら行くぞ」



教室を出て廊下を歩いてるとまこが聞いてきた。



「兄ちゃんどこ行くの?」
「生徒会室」
「え?」



今日は生徒会室で食うのが一番だろう。
生徒会室は役員と執行部以外は出入り禁止だからな。



「あっちゃんー」
「さっちゃん」
「まこちゃん。あっちゃんのクラスなんだね?」
「うん!」
「お兄ちゃんがさ、数学準備室においでって」
「行くぞ、まこ」
「え?兄ちゃんだけじゃないの?」
「俺だけなら電話かメールしてくる」



生徒会室以外で安全なのが瑠衣さんがいる数学準備室。
先生たちも近づかない。
特に男の先生たちは遠ざかってる。



「瑠衣さん」
「来たね」
「本当に愛妻弁当じゃない」
「なんのはなし?」
「さっき兄ちゃんがお昼はお弁当て言うから愛妻弁当って聞いたら違うとか言ってたんだよね」
「えぇー!?ひどいよ。せっかく晶くんのために愛情込めて作ったのにぃ」



あーあ。
はじまった。
瑠衣さんのこれ。




「早く飯食わねーと昼休み終わるぞ?」
「うん。いただきます」


気のせいか。
ピーマンがやけに多いような……。



「晶くん、ピーマン残しちゃダメだよ?」
「いいだろう?」
「よくないよ?好き嫌いしたら身長伸びないよ?」
「っ!!余計なお世話だ」



瑠衣さんは人が気にしてることを言ってきて!


そして放課後。



「まこー俺は生徒会室に行かなきゃいけないから、先に……」


帰れって言いたかったんだけど。



「真くんも生徒会入らない?」


なんて瑠衣さんが言ってきた。



「え?」
「はぁ!?」
「役員のお手伝いだから大丈夫だよ」



確かに執行部なら役員の手伝いだけど。



「兄ちゃんと一緒にいれるし僕生徒会に入ろうかな」
「じゃあ決まり」



瑠衣さんの独断でまこは生徒会に入ることになった。
瑠衣さん顧問だから瑠衣さんが推薦したら入れるんだけど。
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