麗しのランジェリー 〜交際0日婚から始まる、鬼上司の執着愛〜

有明波音

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16.これまでの裏側 side暁斗

5.


「あ、こうは言ってるけど、仕事は仕事できっちりやるから。暁斗は公私混同しないでよね?」

「あぁ、承知した」


 こうしてアイとも決着をつけた俺は、自宅マンションに戻った。

 麗と会うのは次の日だというのに、もう会いたくなっている。そんな時に彼女から電話をもらえて、俺は嬉しく、そして癒された。


***


 思い出の場所で、15年前の麗の気持ちを確認してから、やっと思いが通じ合ったような気がした。

 ここまで来るのにだいぶ拗らせてしまった気がするが、それでも、麗が同じ気持ちでいてくれたのはやっぱり嬉しい。

 俺は以前にも増して、言葉にして想いを伝えるようになった。麗の写真を現像して自室に飾っているのは、さすがに引かれていたようだが。


 週が明け、いつも通り仕事の日々が始まる。

 会社で結婚していることを公表し、これまでずっと気掛かりだった婚約指輪や結婚式の話も麗としたいなと思い始めていた。

 そんな時、宮園リリカから個別でメッセージを受け取った。
 

『宝来部長、お疲れ様です。今夜、叔父とEコマース事業部の多田部長、春田さんの3人で会食のようです。近々、何か動きがあるかもしれません。本件、社長にも共有済みです』

 
 専務には横領の疑惑もあり、多田部長と春田も関与しているのではないかという事実も浮上した所だった。

 確実に証拠を掴むため、秘密裏に調べていた。その3人が集まって、何を話すのだろうか。この時は気を張っていたが、宮園から連絡を受けて1週間、2週間と経過しても特に動きは無かった。

 
 最近麗と春田の接触も無かったし、少し気が抜けていたと思う。業務の方も忙しくなり、麗から『春田とビアガーデンに来ている』と連絡を受けた時は、胸騒ぎがした。

 
(何も無ければ良いが……なんとなく嫌な予感がする)

 麗からの連絡に気付いてから、俺はメッセージに添えられていた写真を頼りに、近隣のビルに向かって走り出していた。

 途中、一度立ち止まってビアガーデン情報を検索する。最初に検索してから行けば良かったものの、麗のこととなると冷静ではいられなくなっていた。

 
(多分ここのビルだと思うが……念の為、麗に確認するか)

 
 再び立ち止まって冷静になったことで、麗に電話をかける。何度かコール音が気こえた後、麗が電話に出た。
 

『すみません……もしもし?』

「もしもし? 麗?」


 周りの声やBGMなどが混ざって、かなり聞き取りにくい状況だった。とはいえ、意識を失ったりしていなくてホッとする。俺の考え過ぎだったのだろうか。

 でも、こういう嫌な予感は大抵当たる。声を聞きながら、目星をつけていたビルに向かって再び走り始めた。


『宝来部長、何かありましたか?』

「もしもし、今どこのビルにいる? すぐそっちに行くから」

『もしもし? ちょっと周りの音が煩くて聞こえないな……
 春田さん、すみまーー、ーーーーーー』


 麗の声が途中で消えて、聞き取れない。目の前に春田がいることは分かった。とは言え、どんどん焦りは募る一方だった。

 少し間が空いて、次ははっきりと声が聞こえてきた。


『もしもし、アキくん? ごめん、人が多くて全然聞き取れなくて』

「麗、今どこにいる?? ハァッ……ハァッ……どこのビルの屋上だ?」

『え、アキくん、そんなに息切らしてどうしたの? 何かあった?』

「とにかく、場所を。ハァッ……あと、席に戻った後に、飲みかけの酒は飲むな。あと、食事も」

『え? どういうこと? えーっと、ひとまず今いるビルは……』
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