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第三章 王立学校
初の友人
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今日は初日ということもあり、ホームルームのみとなっている。先生が話を終え出ていくと、全員が帰りの支度を始めた。
だが、なんとなく視線を感じる。話しかけてくる素振りは見せないが、チラチラとこちらを除くような仕草が見て取れる。
その中で、二人組の男が俺の方に歩いてきた。
「よぉ、編入生。あの試験に受かったって本当か?」
「ばか、受かってなかったらここにいないでしょうが」
茶髪でゴーグルを頭に掛けている男に、青髪の眼鏡をかけた男がツッコむ。この世界で初めて会う、自分と近い年齢の人間の男に少し胸を高鳴らせながらも、戸惑う。久しぶりすぎて初対面ってどんな感じか忘れたわ……
「あ、えっと……」
「あ、ごめん。名前がまだだったね。僕はグラント・グライダー。よろしくね」
「よ、よろしく」
「イスルギ君……だったよね。ヤクモ王国だから下の方が名前かな?」
「ああ。ケンイチでいいよ」
「りょうかい。そんでこっちが———」
「オレはキリヤだ! よろしくな!」
「あ、ああ。よろしく」
青髪のグラントとは正反対に、こちらはかなり元気溢れる少年だ。そのトレードマークであろうゴーグルが、その雰囲気をより一層強めているように思える。
「これからキリヤと学食を食べに行くつもりなんだけど、一緒に行かないかい?」
「いいのか?」
その提案はかなり嬉しいかもしれない。交友関係は広いほどいいだろう。クラスに馴染むためにも友人を作るに越したことはない。
「もちろん。お近づきの印に僕たちの奢りでってことで」
「おい! 俺も払うのかよ!」
「あたりまえだろ。こういうのは第一印象が大事なんだよ。そのお返しに宿題とか手伝ってくれるかもしれないし」
「な、なるほど」
「それって俺の前で言ったら意味ないんじゃ……」
「あ。まぁまぁまぁ、他の人に先越される前に早く行こうか」
「え、あ、うん」
腑に落ちない点もあったが、二人と共に食堂へと向かった。
▷▶▷
「あ、悪い。同じ部屋の奴に昼ご飯いらないって連絡させてくれ」
「同じ部屋って……お前奴隷がいるのかよ!」
少々オーバーな反応でキリヤは驚く。あれ、この学校って奴隷アリだったよな。
「二人はいないのか?」
「はは、流石に奴隷は高いから無理かなー。食費とかもかかるし、デメリットがデカすぎるんだよ」
「あー、まぁそうか」
俺達の生活は全てフリードのマネー頼りになっている。なので、実際の学生が奴隷を持つ費用などさっぱり考えていなかった。
「女か!? 女なのか!?」
「まぁ、そうだ」
「かぁーー! ってことはよぉ、つまりだ。お前はもうヤっ―——ぐへっ!」
大声で不適切なことを言おうとする口をグラントがしばいて黙らせた。
「いってぇ! なにすんだ!」
「コラ、そういうことを堂々と言うもんじゃないよ」
「うっ、それもそうか。すまねぇ、ケンイチ」
「ああ、大丈夫だ。じゃあ、少し待っててくれ」
二人と離れ、学校内に設置されている水晶型の固定電話のもとに来た。部屋にも同様のものが置かれていて、魔力があれば誰でも使えるため、かなり便利な代物だ。持ち運びできず、しかも使える距離が短いのが欠点だが。
水晶に手をかざし、自室の水晶と繋げる。
しばらく経つと、その中にシャロが映し出された。
「はい。どうしました?」
「悪い、昼ご飯を他の奴と食べることになったから俺の分は作らなくて平気だ。もしかして、もう作っちまったか?」
「あー、そうですねぇ。でも、別に気にしないでください。冷蔵すればいいので」
「すまん、助かる。夕飯にでも食べることにするよ。ティアにも悪いって言っておいてくれ」
「はい。了解しました。……ところで」
「ん?」
一瞬にして、シャロの口調が冷たいものへと変貌する。こんな冷たい声色、俺は聞いたことがないかもしれない。背筋に緊張が走る。
「その食べに行くというお友達は、もしかして女……ですか?」
「いやいやいや! 違う違う! 男! 二人とも男だから!」
「ふーん……」
紛れもない事実を告げたのだが、その反応から察するに、信じられてないらしい。
「ま、わかりました。今回は見逃してあげましょう」
「いや、だから———」
「そのかわり、今晩は覚悟しといてください、ね?」
「おい、ちょっ!」
「ではでは~」
そう言い残すと、切られてしまった。
「はぁ、どーすっかねぇ……」
完全に勘違いしたままになってしまった。俺、嘘なんて言ってないのに……
「お、おい……今のがケンイチの奴隷なのか!?」
「うおっ、いつの間に!」
すぐ後ろで水晶を覗くように二人が近づいてきていた。
「ごめんね、この馬鹿が勝手に見て」
「おい! 俺だけのせいにするなよ! お前も見たいって言ってたじゃねぇか!」
「いやいや、僕は気にならない?としか言ってないから。キリヤがそれを勘違いしただけだろ?」
「だからそれも同罪だろ! 自分だけ逃げようたって、そうはいかねぇぞ!」
「逃げてないし、僕に罪はない。強いて言えば、キリヤを止められなかったことかな~」
「んだとこらぁっ!」
「あー、とりあえず……行こうぜ?」
この二人はいつもこんな感じなのだろうか。
だが、なんとなく視線を感じる。話しかけてくる素振りは見せないが、チラチラとこちらを除くような仕草が見て取れる。
その中で、二人組の男が俺の方に歩いてきた。
「よぉ、編入生。あの試験に受かったって本当か?」
「ばか、受かってなかったらここにいないでしょうが」
茶髪でゴーグルを頭に掛けている男に、青髪の眼鏡をかけた男がツッコむ。この世界で初めて会う、自分と近い年齢の人間の男に少し胸を高鳴らせながらも、戸惑う。久しぶりすぎて初対面ってどんな感じか忘れたわ……
「あ、えっと……」
「あ、ごめん。名前がまだだったね。僕はグラント・グライダー。よろしくね」
「よ、よろしく」
「イスルギ君……だったよね。ヤクモ王国だから下の方が名前かな?」
「ああ。ケンイチでいいよ」
「りょうかい。そんでこっちが———」
「オレはキリヤだ! よろしくな!」
「あ、ああ。よろしく」
青髪のグラントとは正反対に、こちらはかなり元気溢れる少年だ。そのトレードマークであろうゴーグルが、その雰囲気をより一層強めているように思える。
「これからキリヤと学食を食べに行くつもりなんだけど、一緒に行かないかい?」
「いいのか?」
その提案はかなり嬉しいかもしれない。交友関係は広いほどいいだろう。クラスに馴染むためにも友人を作るに越したことはない。
「もちろん。お近づきの印に僕たちの奢りでってことで」
「おい! 俺も払うのかよ!」
「あたりまえだろ。こういうのは第一印象が大事なんだよ。そのお返しに宿題とか手伝ってくれるかもしれないし」
「な、なるほど」
「それって俺の前で言ったら意味ないんじゃ……」
「あ。まぁまぁまぁ、他の人に先越される前に早く行こうか」
「え、あ、うん」
腑に落ちない点もあったが、二人と共に食堂へと向かった。
▷▶▷
「あ、悪い。同じ部屋の奴に昼ご飯いらないって連絡させてくれ」
「同じ部屋って……お前奴隷がいるのかよ!」
少々オーバーな反応でキリヤは驚く。あれ、この学校って奴隷アリだったよな。
「二人はいないのか?」
「はは、流石に奴隷は高いから無理かなー。食費とかもかかるし、デメリットがデカすぎるんだよ」
「あー、まぁそうか」
俺達の生活は全てフリードのマネー頼りになっている。なので、実際の学生が奴隷を持つ費用などさっぱり考えていなかった。
「女か!? 女なのか!?」
「まぁ、そうだ」
「かぁーー! ってことはよぉ、つまりだ。お前はもうヤっ―——ぐへっ!」
大声で不適切なことを言おうとする口をグラントがしばいて黙らせた。
「いってぇ! なにすんだ!」
「コラ、そういうことを堂々と言うもんじゃないよ」
「うっ、それもそうか。すまねぇ、ケンイチ」
「ああ、大丈夫だ。じゃあ、少し待っててくれ」
二人と離れ、学校内に設置されている水晶型の固定電話のもとに来た。部屋にも同様のものが置かれていて、魔力があれば誰でも使えるため、かなり便利な代物だ。持ち運びできず、しかも使える距離が短いのが欠点だが。
水晶に手をかざし、自室の水晶と繋げる。
しばらく経つと、その中にシャロが映し出された。
「はい。どうしました?」
「悪い、昼ご飯を他の奴と食べることになったから俺の分は作らなくて平気だ。もしかして、もう作っちまったか?」
「あー、そうですねぇ。でも、別に気にしないでください。冷蔵すればいいので」
「すまん、助かる。夕飯にでも食べることにするよ。ティアにも悪いって言っておいてくれ」
「はい。了解しました。……ところで」
「ん?」
一瞬にして、シャロの口調が冷たいものへと変貌する。こんな冷たい声色、俺は聞いたことがないかもしれない。背筋に緊張が走る。
「その食べに行くというお友達は、もしかして女……ですか?」
「いやいやいや! 違う違う! 男! 二人とも男だから!」
「ふーん……」
紛れもない事実を告げたのだが、その反応から察するに、信じられてないらしい。
「ま、わかりました。今回は見逃してあげましょう」
「いや、だから———」
「そのかわり、今晩は覚悟しといてください、ね?」
「おい、ちょっ!」
「ではでは~」
そう言い残すと、切られてしまった。
「はぁ、どーすっかねぇ……」
完全に勘違いしたままになってしまった。俺、嘘なんて言ってないのに……
「お、おい……今のがケンイチの奴隷なのか!?」
「うおっ、いつの間に!」
すぐ後ろで水晶を覗くように二人が近づいてきていた。
「ごめんね、この馬鹿が勝手に見て」
「おい! 俺だけのせいにするなよ! お前も見たいって言ってたじゃねぇか!」
「いやいや、僕は気にならない?としか言ってないから。キリヤがそれを勘違いしただけだろ?」
「だからそれも同罪だろ! 自分だけ逃げようたって、そうはいかねぇぞ!」
「逃げてないし、僕に罪はない。強いて言えば、キリヤを止められなかったことかな~」
「んだとこらぁっ!」
「あー、とりあえず……行こうぜ?」
この二人はいつもこんな感じなのだろうか。
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