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22 お菓子と酒
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エルディラント伯爵家の令嬢アーリア様と晩餐会でダンスを踊ったんだが、別れ際に来月またお茶会をと言われてしまった。
新しいお菓子期待してますね・・・って・・・
俺はバーテンダーであってパティシエじゃねぇっての・・・
お店を経営してる以上、お客様の期待には応えねば・・・なんて使命感もあったりして・・・
そんなわけで、厨房で試作を作ってます。
ゼリーとかタルトはお酒を使ったレシピが作りやすいんだよな・・・
今回は食べるお酒ってのがテーマだったりします。
成人年齢が15才のこの世界では幼く見えても嗜んだりしててアーリア様も晩餐会でワインを飲んでました。
梅酒のゼリーは鉄板だなぁ・・・食感に好みが出やすいんだけど・・・
チョコタルト、フルーツタルトも酒との相性がいい。チョコレートも間違いなく鉄板だ!ウィスキーボンボンもアリっちゃアリだ
ブランデーとチョコも相性がいい
ラムレーズンも鉄板だなぁ・・・そう思い、自分でレーズンを漬け込む。
ラムレーズンのお菓子って色々あるよな・・・なんて思ったら昔好きだったラミーってチョコを思い出す。
確かアルコール度数が3%くらいだったかな、小学生の頃に食べて大人の味とか言ってた記憶がある・・・
今でこそ問題になりそうだが、お菓子コーナーに普通に並んでるからなぁ・・・
なんて懐かしい記憶を思い出しながら作っていく
ラムレーズンのラム酒はマイヤーズのオリジナルダークをチョイスする。
レーズンを漬けている間にも色々と作っていく。
ワインと果物を使ったスイーツテリーヌを数種・・・ベリー系との相性がめっちゃいいな
試作だからと俺の飲み残しのワインで作ってる・・・
シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ カイユレ・・・学生時代に日本円で1万円前後というちょっと贅沢したい時に選んでたワインでお気に入りだ。
久しぶりにって飲み始めたんだが、一杯飲んだら別の酒も飲み始めてしまい冷蔵庫に保管してた奴だ・・・
ブランデーを大量投入したガトーショコラも完成間近・・・
試食は女性陣にしてほしい・・・って事で勇者御一行には別の機会にしよう・・・
とりあえず閉店後に備えて冷蔵庫に入れておいた・・・
「ハル、いつもの」
俺はカズキにお冷を入れたグラスをカウンターにシュって感じで滑らせる・・・
「何故に水?」
おかしいな?という表情でカズキを見る俺・・・
お前、毎回違うの頼むよね・・・共通してるのお冷だよね・・・ラーメンか?ドンブリ滑らせれば満足か?
恰好から入るのやめてほしいわ・・・
「生中!」
・・・覚えておこう・・・
今日のツマミはソーセージだ。
タイムサービスだったもんで・・・ついでに粒マスタードも出してやる。
「貴族との繋がりもできて一気に稼げるんじゃね?」
「王室御用達なんて看板のせいで一般客には敷居が高くなってないか?」
・・・実際、店構え的にも敷居が高いと感じる俺なんだが・・・
領主と鉢合わせを恐れて疎遠になる未来が見えるぞ・・・
「あぁ・・・ありえるな・・・」
まぁ、貴族組の方が金になるからいいんだが・・・
「御令嬢とかも来るんだろ?」
下世話な想像をするカズキを軽く睨み
「またお茶会だってよ・・・」
「それはそれは・・・」
前回の姦しい雰囲気を見てるせいもあって気の毒そうな表情・・・
こないだの晩餐会の一件でダンスをここで・・・なんてならないことを祈るよ・・・
俺の店はそこまで広くない・・・
まさかの事態を想定する・・・
店舗拡張でダンスクラブ的な営業・・・うわ~貴族が資金を出すなんてことになったら実現可能だ・・・
・・・だが断る!俺はバーのマスターが楽しいんだ!
まだ話すら出てない事を俺は却下する。
え?フラグだって?
いやいや、そんな事はさせんよ・・・
カズキと脈絡のない話をしながら近況を聞く。
薬草農園の方はそこそこ順調にいってるらしい、
サボる奴を容赦なくクビにして、できる奴の給料を上げる。
当たり前の話だが、現代日本の解雇状況よりもえげつなくクビにできる点は労働者にかなりの圧をかける結果になって、
サボる奴が激減したそうだ・・・
もう少しでフェルの方にも安定供給ができるようになるとの事
ダンジョンピープルの問題はまだ根絶できたわけじゃないが、今でも荷物運びをやってる子達の扱いも良くなってるらしい。
居なくなったら居なくなったで困る冒険者も少なくないのだろう。
ちょっと前まで嫌われてたダンジョンピープルの石投げレベリングも、今では逆に推奨されてきてるくらいだ。
レベルが上がったダンジョンピープルは少しずつ深いところまで無傷で降りられるようになったり、
持てる荷物の量が劇的に増えたりして重宝されるようになったとの事
専属契約でパーティーメンバー扱いになる者も少なくないという。
勇者達の気にしていたダンジョンピープル問題はいい感じに収束したって自慢げに言ってる。
その後、生中を3杯ほどおかわりした後、自室に戻っていった。
・・・なんだかんだでちゃんと正義の味方やってんじゃん・・・
俺は少しだけカズキを見直した・・・弁当にはデザートをつけてやろう・・・プリン1個位・・・
ポツリポツリと来るお客様の相手をしながら楽しく営業しております。
フィリアンも隣でバーテンダーの修業を始めた模様・・・
やる事やってたら自主性に任せてます。
ハンティに店内を任せられるようになってきたおかげで厨房の仕事が無ければフィリアンにも余裕ができてる。
まぁ、道具の使い方とかを見て覚えてる段階なんだけど、そう遠くないうちに店を任せられるかな・・・なんて期待してる。
別段ラッシュも無く無事に閉店を迎えるとお待ちかねの試食会だ。
作っておいたお菓子をテーブルに持って来る。
今回はアルコールの入ったお菓子ばっかりなのでハンティは残念そうだ・・・
一応、替わりの物も用意する。
お嬢様方でお酒が苦手な人の分も必要になるから、梅酒ゼリーもノンアルコールの別のゼリーで、フルーツタルトやガトーショコラも用意しとく。
この気遣いがモテる秘訣・・・って言いたいところだが、この年まで全然モテてません!
世の中間違ってる!・・・と声を大にして言いたい。
そんな感じで各々が実食していく
試食にはフェルも参加させた。まだ未成年だからノンアルコールの方担当だ。
甘い匂いに誘われてか勇者達も入ってくる。なんだかなぁ・・・
っとりあえず食わせて意見をもらう。
レポートができない奴に次は試食させん!
そう言ったら、思った以上に細かく意見を貰えた。
俺は一品ごとに意見をメモに取る・・・
そんなお菓子の意見から新カクテルのアイディアが出たりするんです。
従来の飲み方をカクテルとして一つにまとめたなんて作品もあります。
このお菓子をカクテルとして飲むなら・・・って思想で出来上がったものもあるので、
どこにアイディアが転がってるかわかったもんじゃないです。
梅酒のゼリーは思った以上に好評だった・・・、お菓子として出すならもう少し甘くても・・・みたいな話もあったんでメモしておく
フィリアンとケインはミックスベリーのスイーツテリーヌが一番美味しいって言って喜んでた。
妖精の系譜はベリー好きなんだろうな・・・
チョコレート関係は味見をするまでもなく鉄板だから大丈夫だろうと思ってたが、アルコールがきつすぎるって駄目出しされた・・・
ふむ、調整するか・・・、食べるお酒ってのを意識しすぎたからだろう・・・
お菓子であるって事をもう一度見直さなきゃ・・・
スキルに頼っていたから、食べるお酒って意味なら合格、お茶会のお菓子って意味なら不合格・・・
ちょっとした感覚の違いはスキルでフォローしきれないようだ
今日の意見をもとに、また試作しよう・・・
試作のイメージをまとめながら今日はお開きになった・・・
そうして数日、数回に及ぶ試作と試食を繰り返した後、アーリア様のお茶会のお菓子を決める。
今回は時間に余裕があるのが助かった。
出来合いを買って並べるのは楽でいいんだが、今回は最初から貸し切りでやると聞いてるので本格的な物を出そうと決めたのだ。
貸し切りだったら、俺を会場に呼んで出張シェフさせた方が会場的にはいい場所使えるんじゃね?
とも思ったが、店の雰囲気も気に入ってるらしい・・・
褒められると悪い気はしないわけで・・・
前回はテーブルを寄せただけだったが、インベントリで入れ替える事を前提に店の大きさに合わせて大きめのテーブルを用意する
綺麗に見えるテーブルクロス、各自の席に紙ナプキン、
このままだと殺風景すぎるので花瓶と花を用意しよう・・・
そんな感じでお茶会の準備をコツコツと進めながら開催日と参加人数のお知らせを待つだけとなった。
新しいお菓子期待してますね・・・って・・・
俺はバーテンダーであってパティシエじゃねぇっての・・・
お店を経営してる以上、お客様の期待には応えねば・・・なんて使命感もあったりして・・・
そんなわけで、厨房で試作を作ってます。
ゼリーとかタルトはお酒を使ったレシピが作りやすいんだよな・・・
今回は食べるお酒ってのがテーマだったりします。
成人年齢が15才のこの世界では幼く見えても嗜んだりしててアーリア様も晩餐会でワインを飲んでました。
梅酒のゼリーは鉄板だなぁ・・・食感に好みが出やすいんだけど・・・
チョコタルト、フルーツタルトも酒との相性がいい。チョコレートも間違いなく鉄板だ!ウィスキーボンボンもアリっちゃアリだ
ブランデーとチョコも相性がいい
ラムレーズンも鉄板だなぁ・・・そう思い、自分でレーズンを漬け込む。
ラムレーズンのお菓子って色々あるよな・・・なんて思ったら昔好きだったラミーってチョコを思い出す。
確かアルコール度数が3%くらいだったかな、小学生の頃に食べて大人の味とか言ってた記憶がある・・・
今でこそ問題になりそうだが、お菓子コーナーに普通に並んでるからなぁ・・・
なんて懐かしい記憶を思い出しながら作っていく
ラムレーズンのラム酒はマイヤーズのオリジナルダークをチョイスする。
レーズンを漬けている間にも色々と作っていく。
ワインと果物を使ったスイーツテリーヌを数種・・・ベリー系との相性がめっちゃいいな
試作だからと俺の飲み残しのワインで作ってる・・・
シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ カイユレ・・・学生時代に日本円で1万円前後というちょっと贅沢したい時に選んでたワインでお気に入りだ。
久しぶりにって飲み始めたんだが、一杯飲んだら別の酒も飲み始めてしまい冷蔵庫に保管してた奴だ・・・
ブランデーを大量投入したガトーショコラも完成間近・・・
試食は女性陣にしてほしい・・・って事で勇者御一行には別の機会にしよう・・・
とりあえず閉店後に備えて冷蔵庫に入れておいた・・・
「ハル、いつもの」
俺はカズキにお冷を入れたグラスをカウンターにシュって感じで滑らせる・・・
「何故に水?」
おかしいな?という表情でカズキを見る俺・・・
お前、毎回違うの頼むよね・・・共通してるのお冷だよね・・・ラーメンか?ドンブリ滑らせれば満足か?
恰好から入るのやめてほしいわ・・・
「生中!」
・・・覚えておこう・・・
今日のツマミはソーセージだ。
タイムサービスだったもんで・・・ついでに粒マスタードも出してやる。
「貴族との繋がりもできて一気に稼げるんじゃね?」
「王室御用達なんて看板のせいで一般客には敷居が高くなってないか?」
・・・実際、店構え的にも敷居が高いと感じる俺なんだが・・・
領主と鉢合わせを恐れて疎遠になる未来が見えるぞ・・・
「あぁ・・・ありえるな・・・」
まぁ、貴族組の方が金になるからいいんだが・・・
「御令嬢とかも来るんだろ?」
下世話な想像をするカズキを軽く睨み
「またお茶会だってよ・・・」
「それはそれは・・・」
前回の姦しい雰囲気を見てるせいもあって気の毒そうな表情・・・
こないだの晩餐会の一件でダンスをここで・・・なんてならないことを祈るよ・・・
俺の店はそこまで広くない・・・
まさかの事態を想定する・・・
店舗拡張でダンスクラブ的な営業・・・うわ~貴族が資金を出すなんてことになったら実現可能だ・・・
・・・だが断る!俺はバーのマスターが楽しいんだ!
まだ話すら出てない事を俺は却下する。
え?フラグだって?
いやいや、そんな事はさせんよ・・・
カズキと脈絡のない話をしながら近況を聞く。
薬草農園の方はそこそこ順調にいってるらしい、
サボる奴を容赦なくクビにして、できる奴の給料を上げる。
当たり前の話だが、現代日本の解雇状況よりもえげつなくクビにできる点は労働者にかなりの圧をかける結果になって、
サボる奴が激減したそうだ・・・
もう少しでフェルの方にも安定供給ができるようになるとの事
ダンジョンピープルの問題はまだ根絶できたわけじゃないが、今でも荷物運びをやってる子達の扱いも良くなってるらしい。
居なくなったら居なくなったで困る冒険者も少なくないのだろう。
ちょっと前まで嫌われてたダンジョンピープルの石投げレベリングも、今では逆に推奨されてきてるくらいだ。
レベルが上がったダンジョンピープルは少しずつ深いところまで無傷で降りられるようになったり、
持てる荷物の量が劇的に増えたりして重宝されるようになったとの事
専属契約でパーティーメンバー扱いになる者も少なくないという。
勇者達の気にしていたダンジョンピープル問題はいい感じに収束したって自慢げに言ってる。
その後、生中を3杯ほどおかわりした後、自室に戻っていった。
・・・なんだかんだでちゃんと正義の味方やってんじゃん・・・
俺は少しだけカズキを見直した・・・弁当にはデザートをつけてやろう・・・プリン1個位・・・
ポツリポツリと来るお客様の相手をしながら楽しく営業しております。
フィリアンも隣でバーテンダーの修業を始めた模様・・・
やる事やってたら自主性に任せてます。
ハンティに店内を任せられるようになってきたおかげで厨房の仕事が無ければフィリアンにも余裕ができてる。
まぁ、道具の使い方とかを見て覚えてる段階なんだけど、そう遠くないうちに店を任せられるかな・・・なんて期待してる。
別段ラッシュも無く無事に閉店を迎えるとお待ちかねの試食会だ。
作っておいたお菓子をテーブルに持って来る。
今回はアルコールの入ったお菓子ばっかりなのでハンティは残念そうだ・・・
一応、替わりの物も用意する。
お嬢様方でお酒が苦手な人の分も必要になるから、梅酒ゼリーもノンアルコールの別のゼリーで、フルーツタルトやガトーショコラも用意しとく。
この気遣いがモテる秘訣・・・って言いたいところだが、この年まで全然モテてません!
世の中間違ってる!・・・と声を大にして言いたい。
そんな感じで各々が実食していく
試食にはフェルも参加させた。まだ未成年だからノンアルコールの方担当だ。
甘い匂いに誘われてか勇者達も入ってくる。なんだかなぁ・・・
っとりあえず食わせて意見をもらう。
レポートができない奴に次は試食させん!
そう言ったら、思った以上に細かく意見を貰えた。
俺は一品ごとに意見をメモに取る・・・
そんなお菓子の意見から新カクテルのアイディアが出たりするんです。
従来の飲み方をカクテルとして一つにまとめたなんて作品もあります。
このお菓子をカクテルとして飲むなら・・・って思想で出来上がったものもあるので、
どこにアイディアが転がってるかわかったもんじゃないです。
梅酒のゼリーは思った以上に好評だった・・・、お菓子として出すならもう少し甘くても・・・みたいな話もあったんでメモしておく
フィリアンとケインはミックスベリーのスイーツテリーヌが一番美味しいって言って喜んでた。
妖精の系譜はベリー好きなんだろうな・・・
チョコレート関係は味見をするまでもなく鉄板だから大丈夫だろうと思ってたが、アルコールがきつすぎるって駄目出しされた・・・
ふむ、調整するか・・・、食べるお酒ってのを意識しすぎたからだろう・・・
お菓子であるって事をもう一度見直さなきゃ・・・
スキルに頼っていたから、食べるお酒って意味なら合格、お茶会のお菓子って意味なら不合格・・・
ちょっとした感覚の違いはスキルでフォローしきれないようだ
今日の意見をもとに、また試作しよう・・・
試作のイメージをまとめながら今日はお開きになった・・・
そうして数日、数回に及ぶ試作と試食を繰り返した後、アーリア様のお茶会のお菓子を決める。
今回は時間に余裕があるのが助かった。
出来合いを買って並べるのは楽でいいんだが、今回は最初から貸し切りでやると聞いてるので本格的な物を出そうと決めたのだ。
貸し切りだったら、俺を会場に呼んで出張シェフさせた方が会場的にはいい場所使えるんじゃね?
とも思ったが、店の雰囲気も気に入ってるらしい・・・
褒められると悪い気はしないわけで・・・
前回はテーブルを寄せただけだったが、インベントリで入れ替える事を前提に店の大きさに合わせて大きめのテーブルを用意する
綺麗に見えるテーブルクロス、各自の席に紙ナプキン、
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