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第一部 俺のハーレム・パーティがちょっとおかしい/ラッキースケベは必要ですか?
俺も死す!!
しおりを挟む「さぁ、湖に着いたよ」
湖のほとりに丘というより、ちょっとした小山があったので埋葬するための穴を掘った。
俺は、また涙を浮かべていた。
涙をこぼしながら、ただ掘った。
泣きながら穴を掘った。
なぜ、こんなことになってしまったのだろうか?
俺が、キッチンセットを選ばなかったらこんなことにはならなかったのかもしれない。
女神様に騙されたのか?
そうは思いたくない。
あの女神様が人を騙すようなことはしないはずだ。
・・・・・・俺たちが女神だと思っていても実は悪魔だったのかもしれない。
いや、そんなことはない。
なぜだか、俺はあの女神様を疑う気にはなれなかった。
「碧、交代だ。則之は将太と代われ」
智弘と代わり則之と一緒に御者のおじさんの隣に座った。
「碧殿は優しいでゴザルな」
とっさに涙をぬぐった。
泣いていたのは俺だけのようだった。
「ははは、なに言ってるんだ! 将太に性格悪くなったと言われたじゃんか」
「あああ、そうでゴザルな。そうでゴザルな」
「お連れさんは何故お亡くなりになったんだい?」
と御者のおじさんが聞いてきた。
「リッチになってしまったんですよ。そしたら、いきなり斬り殺されてしまいました。俺も一緒に斬られましたよ」
とブレザーの背中を見せる。
「リッチか!」
おじさんは驚き話を続けた。
「この世界ではリッチは恐怖の対象でしかないからの。
昔、魔王の一人にリッチがおってな。そのリッチがマルベラスという大国を滅亡させたのじゃよ。
国民のすべてがアンデッドになって周りの国々を襲い人類存続の危機に瀕したのじゃ。
そこを救ったのも茜様じゃて。これが言い伝えにある『マルベラス・死の大行進』と言われている事件じゃ。
その後もリッチはことあるごとに生まれ災いをもたらす象徴になっておるのじゃよ。
ハルフェルナは魔法に溢れている世界じゃ、魔道に魅せられる者も多いのでリッチも多く出現するのかもしれんな。
リッチは魔法使いや賢者ばかりじゃからな」
「僧侶や司祭様はリッチになったりはしないのですよね」
「いや、いや、マルベラスの事件は聖女様がリッチとなって起こしたともいわれておるかのじゃ」
「聖女もですか?」
まぁ、将太のような優しいやつがリッチになったりはしないだろう。
七海がいきなり斬り殺されたのは、こういう理由があったからなのか・・・・・・
が、どのような理由があろうとあの王を許すことは無い。
「ガサガサ」
「ドドドド」
「危ない!!」
則之が俺を突き飛ばした。
「ガン!」
則之の鎧に剣があたる音がした。
「バシュッ」
「うわーーーー」
「グサッ!! グサッ」
「バシュッ!」
いきなりのことだった、草むらから賊が飛び出てきて御者のおじいさんを斬った。
血柱が吹き上げバタリと倒れたおじさんは以後、動くことは無かった。
一瞬のことでなんだか分からなかった。が、危険な状況というのは分かる。
「あうーーー」
将太が腰を抜かし倒れこんだ。
「寄こせ!」
将太からシャベルを奪い取り即と将太の間に構えながら立った。
「身体強化!」
則之がスキルを使い荷物のそばにあった剣を手にし誰よりも前に立った。
賊を見ると3人とも長剣を両手持ちで構えている。
賊のうち二人は則之に襲い掛かり一人が俺の方へ向かってくる。
怖い?そんな感情は無い。
「ビュッ!」
剣が俺のすぐ横をすり抜ける。
剣から目を放すな。
もう一撃、振り下ろされる。
「ガキン!」
と火花が散る
なんとかシャベルの先端で防ぐことが出来た。
もう一撃、今度は水平に剣が振られる。
「ヒュン」
「ピシ」
すんでの所でかわす事が出来たが服が斬られた。
剣道部の則之も苦戦している。防戦一方だった。
「こいつら賊じゃないでゴザル。剣筋が揃っているでゴザル」
「騎士だ。王国の追っ手だ!」
智弘が叫び
「ファイヤーボール!!」
則之が相手をしている左側の追っ手に呪文を唱えると拳大の大きさの火玉が飛ぶ。
「フッ! キカンわ!! 死ね、小僧!!」
飛んできた火の玉を剣で切り裂いた。
そして智弘に斬りかかった。
顔面寸前でシャベルでブロックをしたが、つばぜり合いであっけなく吹き飛ばされた。
「智弘!!」
吹き飛ばされたところに追撃の剣が!
「バシュ!」
「うううーー」
智弘が肩を斬られた血が噴出した。
「ヒール」
将太が回復呪文を唱え出血は止まった。
俺が対面する追っ手は今度は剣で突いてきた。
突かれる度に一歩、一歩と下がるしかできない。
突いてくると見せかけ横になぎはらう。
完全な防戦一方。
よける、避けるだけで手一杯。
相手に打ち込みを入れるなんてとても出来そうに無い。
智弘も何度かファイヤーボールを試してみるが叩き落されるだけで時間稼ぎにもなっていない。
則之だけが相手と打ち合いを出来ている状況だ。
さすが、姫騎士さま、頼もしいぜ!
シャベルで何度かかわしていたのだが、ついに肩を斬られてしまた。
痛みは無いのだが力が入らない。
また出血が。
「ヒール」
将太のヒールのおかげで抜けた力が戻ってきた。
が、剣道もスキルも無い俺には騎士の剣技に叶うわけもなく足がもつれ地面に尻餅をついてしまった。
追っ手の騎士がニヤリと不愉快な笑いを浮かべた。
とっさに砂を握り締め追っ手の顔にぶちまけた。
見事に目にヒット。
その瞬間、立ち上がりシャベルを相手の腹めがけて突き刺した。
「グニュ」
と鈍い手ごたえがあった。
「オエッ!」
と口から血を吐き出し後ずさりしながらも剣を構えている。
致命傷にはならなかったようだがダメージは与えたはず。
「ジョルジュ!」
と則之と戦っていた追っ手が則之を蹴り飛ばし俺に刃を向ける。
「ガンガンガン」
「ガキンガキン」
と何度も剣が振り下ろされる。
さっきのヤツと違い剣が重い。
ついに剣圧に負けシャベルを落としてしまった。
そこに追撃の一撃が。
「うぐっ!」
腹を刺された。
一気に力が抜け跪いてしまった。
そして最後の剣が振り下ろされる。
確実に頭部を狙って来ているのが分かるが動くことが出来なかった。
あぁぁ、これで終わりか。
茜ちゃんに御土産も買ったのに渡せなかった。
タナとロゼの散歩も行ってあげたかった。
心残りが走馬灯のように巡る。
せめて七海だけは埋葬してあげたかったな。
「サンダーボルト!!!!!」
聞きなれた女性の声が響いた。
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