どこにでもある異世界転移~第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

ダメ人間共同体

文字の大きさ
205 / 304
第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

魔素ネットコーティング

しおりを挟む

蒸留塔の前に到着し装甲車から降り塔を見上げる。
蒸留塔は施設の中心に建てられており高さは100m以上、地上の幅も50m。
上に行けば細くなっているが塔の最上部は20mほどはありそうだ。

現代世界を知っている我々にはそう大きな物ではないのかもしれない。
城など幅がこの塔より大きい建物は幾つもあるが高さに限って言えばハルフェルナでこれ以上に高さのある建物は見たことが無い。

「おいおい、あの悪魔のような頭部は何なんだよ!」
智弘が頭を摩りながら言う。

塔の頭部は、どう見ても悪魔のような顔にしか見えない。
2本の角が両脇に生え鋭く釣りあがった目のような筋があり口角が両脇が釣りあがり・・・・
ニタッ!と笑った悪魔にしか見えないのだ。
遠くからも分かっていたが近くで見るといっそうはっきり分かった。

この顔に見覚えがあった。
茜ちゃんが子供の頃に落書きで書く悪魔の絵がこういう感じだった。

「不気味なデザインですね~! 魔族が作ったのですか?」
七海がジーコさんに聞くと

「文献など何も残っていないのですよ。
 ただ、5,600年前に『一夜にして塔が出来上がった』と言う言い伝えは残っていますけどね」

「一夜ですか~」
と七海は感心するように頷いた。

「七海さんなら、これくらい作れるんじゃない? 
 ルホストも一瞬で囲んじゃったのだから」

そう、ガルメニアがナミラーの町へ侵攻を開始したときに、ご飯時を狙ってちょくちょく攻撃を仕掛けてくるのにキレた七海がルホストの町を土壁で覆ってしまった事件だ。
屋根まで覆ってしまい酸欠になる恐れがあったが外と中から突貫工事で通路を確保したらしい。

「多分、無理じゃないかな? 
 壁みたいに単純な物なら作れるけど、内部構造も作るとなると一瞬では無理だと思う」

「内部には階段や通路なども整っていますよ」

とジーコさんが言うと七海は静かに首を振った。

智弘が蒸留塔に近寄り熱心に見ながら、塔を手でコツコツと叩きながら検証している。

「これはコンクリートじゃないか?
 この世界で初めてコンクリートを見たぞ!」

と智弘が気がついた。

ハルフェルナの建物はレンガや石作りが多く場所によって木造を散見する事はあったが、コンクリートの建物は見たことが無かった。

「中に柱となる金属があるのかな?  あります?」
と、智弘がジーコさんに聞くと

「そこまではわかりませんね。
 考えたことも無かったですよ」

そして智弘が蒸留塔の外壁を熱心に触っている。

「なんかコーティングされているな」
 
蒸留塔に近づき触ってみると表面がコンクリートとは思えないほどツルツルしている。
目を凝らして表面を見るとガラスのような皮膜に覆われている。

「これか~これがあるから風化しないんだ」
智弘が一人得心を得たように声を上げた。

「いくらコンクリートと言っても500年も経てば風化してボロボロになるはずだからな」

「それは魔素ネットコーティングといって失われた技術だよ」
ロッシさんが教えてくれた。

「「魔素ネットコーティング?」」

不覚にも智弘と声を合わせてしまった。

「我々がなぜ、魔法を使えるかと言うと空気中に魔素があるからなんだよ。
 魔素が魔力、魔法の元になっているんだ。
 『なぜ魔法を使えるのか』謎だったのだが、それを証明したのもラーチだよ。
 魔素を手の平に集め、証明する過程で作ったのが魔素ネットコーティングと言われているんだよ」

ロッシさんが教えてくれた。

「「ラーチ!すげーー!!」」

またも俺と智弘は思わず声が合ってしまった。
ハルフェルナの魔法の謎を解明したにもかかわらずマッドサイエンティスト呼ばわり。
俺はラーチに深く同情した。

「簡単に言うと魔素を網目の様に構成して何重にもコーティングするのだよ
 皮膜に見えるけど透明な魔素がネット状になっているんだよ」

「ロッシさん、それが分かっているのなら何故出来ないのですか?」

「魔素集めるのにも魔力がいる。
 ネット状にして何重にもするのには魔力がいる。
 その辺の魔法使いには不可能なんだよ。
 知り合いの魔道師に頼んでみたのだが製作は不可能だったんだよ。
 それに魔素ネットコーティングしても雨、風、炎くらいしか防げないからね」

「へ? たったそれだけですか?」

と俺はマジマジ、ロッシさんの顔を見て聞くと

「それだけ」

「それだけ!?」

「そう、それだけ」

「剣で斬っても傷が付かないとか?」

「簡単に破れるよ」

「魔法を弾くとか?」

「無理!」

「・・・・じゃ、役立たずの技術ですか?」

「そうだね。ほとんど役に立たないね。
 魔法を弾けたら価値があるのかもしれないけど、労力の割りに有効性が低いから失われたというより誰も必要としなかったと言うのが正解かもしれないね」

俺は思った。
ラーチ・・・・色々な意味で可哀想なやつだ! と。


パチパチバチバチ

変な音がする。
音のほうを見てみると七海がいた。
七海は手を器のようにして何かを集めているようだった。
七海の手で作った器が光り、なおも光が集まってくる。

「お、お、おい、七海! お前・・・・・・」

「こうかな?」
と言い七海は手の平を上に向けたまま両手を広げた。
すると1m×1mほどの透き通った網目状のシートができた。

「あ~~どうしよう。どうしよう。
 碧くん~~どうしよう」

「そ、それは魔素ネットじゃないか!」
ロッシさんが驚く。

「私も始めて実物を見ましたよ」
ジーコさんも驚く。

「すげーー!!七海、すげーーー!!」

魔素ネットは食品用のラップシートにしか見えなかった。。

「七海さん、凄いね~ どうやったの?」

「ロッシさんに言われたように魔素を感じて魔素を手の平に集めるようにイメージしてみたの」

「僕もやってみよう」

と将太も七海と同じように手で器を作りイメージしているようだ。
すると七海と同じくバチバチと言う音をたてると50cm四方の透明のラップシートが手の上に出来上がった。

「おおお、将太スゲー」

「七海さんみたいに大きくはできないや。やっぱり七海さんは凄いね~」

が、七海は魔力が弱くなっていると言っていた。
最高の状態だったらこの巨大な塔を覆うくらいのシートが作れたのだろうか?

将太に触発され智弘と則之も真似して作ってみたが
智弘は10cm四方。
則之は作ることが出来なかった。

「拙者は魔力が少ないから作れなかったでゴザルな」

「アレックスさんの方が魔力高いから作れるのじゃない?」

と俺が言うとアレックスさんは試してみたが作ることは出来なかった。
そして、ロッシさん、ジーコさんも真似してみたがシートが出来上がる事は無かった。
俺はと言うと魔力が最初から無いから真似することさえしなかった。

「魔力の量ではなく異世界人しか作れないのかもしれない!!
 これは面白い論文が書けるかも知れんぞ!!」
ロッシさんは一人テンションが上がった。

「これ・・・・・コートとか色々貰ったから碧くんに使って欲しい」

と七海は恥ずかしそうに少しうつむきながら完成したラップシートを両手で広げながら俺に言った。
が、そのコートはイフリートの仮面を付けた西原と戦ったときに燃えてしまったけど。

「じゃ、僕もアオ君に使って欲しいな~」
と将太が上目遣いで両手で拡げている。

「あ、あ、二人ともありがとう。
 どう使おうか?」

「大きい方はボロボロになった学生服に張って上からコーティングしたらどうだ?
 小さい方はズボンの方に撒いたらどうだ?」

「モテモテでゴザルな~ 碧殿!」

「うるせ~よ、則之!!」

「では、私は差し上げる物が無いので『熱いベーゼ』を」

とアレックスさんが言った瞬間、七海と将太が二人揃って俺に背を向けシートをアレックスさんに向け広げてブロックしたのだった。
アレックスさんの後ろでは智弘と則之が膝を叩きながら大笑いしている。

ブチ噛まして~~あいつら二人にアイアンクローを力一杯、ブチ噛まして~~!!

しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

処理中です...