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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!
女皇帝アクアオーラ・謁見
しおりを挟む翌日、ワイハルトの城から使いがやって来て、アクアオーラ皇帝陛下との謁見が許された。
勇者・茜さまも同席するそうだ。
マジックランドセルを持っていきたかったが携帯は許されなかった。
謁見の間近くの控え室に置いてゆく事になった。
ワイハルト城の謁見の間の廊下を歩く。
鼓動が高鳴る。
妹に会える。
が、果たして茜ちゃんなのだろうか?
茜ちゃん本人なら紅姫討伐・・・・出切るとは言っていないが紅姫と事を構える理由は無くなる。
だが茜ちゃんはクリムゾン魔国と戦うために召喚された。
兄である俺が妹を放って日本に帰るわけにもいかない。
現代に戻るゲートはクリムゾン魔国にある。
少なくともクリムゾン魔国へ向かうことになるだろう。
と色々な事を考えるのだが面倒な事は茜ちゃんを確認してからにしよう。
難しい事は智弘にお願いすることにしよう。
謁見の間の巨大な扉が目の前に迫る。
先頭を歩くチーフテン外務大臣、ビッカース大使の緊張も伝わってくる。
俺と将太がその後を歩き、お子様3人組の智弘、ミリア、龍之介が続く。
ミリアは退屈そうに龍之介はキョロキョロと周りを珍しそうに眺めている。
二人には緊張という言葉が無いようだ。
そして、扉が開かれる。
広く大きな空間が目の前に広がる。
両脇には剣を帯同した騎士がずらりと並ぶ。
召喚されたときのガルメニア城の謁見の間がフラッシュバックされた。
外務大臣を中心とする使節団にたいしても騎士を配置する必要があるのだろうか?
ハルフェルナではそれが当たり前なのか、武力を寄りどころとしている国家だからなのだろうか?
部屋の中央には赤い絨毯が引かれており部屋の奥へと続く。
奥の一段高い所には主のいない玉座が一席備えられている。
アクアオーラ女皇帝陛下は独身だそうで配偶者、跡取りはいない。
40過ぎでは子を授かることも難しいだろう。
・・・・・・・が、前皇帝陛下も、その前も、その前も、その前も、常に独身で子を授かってきたそうだ。
それは一体どういうことなのだろうか?
我々の世界のマリア様と同じと言うことなのだろうか?
胡散臭い。
チーフテン外務大臣の後ろをゆっくりと歩き絨毯の終わったところで跪く。
俺たちもチーフテンさんたちに習って跪く。
「アクアオーラ女帝陛下、ご入室!!」
と両脇にいる騎士の一人が部屋に響き渡る声で告げた。
玉座の横にある扉が開くと
コツコツコツ
コツンコツンコツン
ガキガキガキ
と三つの靴音が聞こえる。
一つはヒールのような音
一つは革靴のような音
一つは鉄製の金属音が
ササー
玉座に座る服の音が微かに聞こえる。
「面を上げ!」
氷のように冷たい声が謁見の間に響く。
チーフテン外務大臣が頭を上げるのをチラ見しながら顔を上げた。
目の前には右足を左足の上に組み、右手を玉座の肘掛に置き、顎に手をあてた絵に描いたような金髪碧眼の美女が座っていた。
白を基調とし所々に青をあしらったワンピースドレスを着ていた。
金髪は長く高原に佇む姿が絵になるような美女だ。
が、チーフテン外務大臣を見る瞳はどこまでも鋭く冷たかった。
確かに若く40を越えているとは信じられない。
24,5歳くらい、悪くて20代後半と言ったところだ。
「お忙しい中、アクアオーラ皇帝陛下に謁見の時間を頂き恐悦至極・・・・・」
「外務大臣! そのような前口上は妾には不要じゃ。
以前にも言ったはずだが!? 妾も色々と忙しいのでな。
この後も会議があるのでな」
女皇帝はチーフテン外務大臣の挨拶を遮るように言った。
「ハハ! 申し訳ございません」
「思いのほか速かったの。
やはり勇者・茜殿を一目見ようということか?」
「ハハッ!
我が国の大統領が勇者・茜さまの熱狂的ファンでして『一刻も早く挨拶をして来なさい』という命を受けた次第で」
「外務大臣! なかなかユーモアのセンスがあるな。もう少し硬いと思っておったぞ」
「ハハーッ!」
と深く頭を下げた。
皇帝と外務大臣のやり取りをそっちのけで玉座の隣に立つ人物に目をやった。
玉座の左にはローブを着た60歳は越えていそうな老人が。
右には背中に青い透明な大剣を背負い、朱色の縁取りがされた白いローブを着た、真っ赤なウエーブがかったロングヘアーの成熟した女性が立っていた。
(茜ちゃん!?・・・・・・)
思わず唇が動いた。
そこに立っていたのは俺の知っている茜ちゃんの姿ではなかった。
が、胸もお尻も一段と女性らしく丸みを帯び、赤い口紅が印象的な化粧をした茜ちゃんであった。
そう俺の知っている茜ちゃんの10年後の姿に思われた。
(現代とハルフェルナで10年もの時間が経ってしまったのか・・・・・・
それでも妹に会うことが出来た。
亡くなったと思った妹と再会できた。それだけで十分だ)
俺は下を向き体を震わせた。
「宰相のリーとは何度か顔を合わせたことがはずだが」
と言ってアクアオーラ陛下は左に手をやった。
「こちらが勇者・茜殿だ!」
と右手に手をやった。
勇者・茜と呼ばれた女性は軽くお辞儀をした。
「いつもなら皇帝陛下の右隣には、グラント将軍がいらしたはずですが将軍はどちらへ?」
「むさ苦しい熊のようなグラントより希代の勇者・茜殿のほうが絵になるじゃろ。
それにグラントは前線で指揮を執っておるからの」
宰相のリーが文官の代表であるなら、グラント将軍は武官の代表ということだろう。
今、グラント将軍はリピン王国との国境へ出征しているという事だろう。
「気になったのだが外務大臣の随伴としては帯同している者が、いつもより年少な者が多いのだが何か理由でもあるのか?」
「彼らは非常に優秀な若者でワイハルトの次代を担う若者達でして、大国であるワイハルト帝国をじかに目と体で体験させるべく随伴させた次第です」
「ほう、そうか」
アクアオーラ皇帝陛下の口調は柔らかかったが目は一層鋭くなった。
勇者・茜がゆっくりこちらへ向かってくる。
(茜ちゃん・・・・・・)
一瞬、俺の唇が動いた。
「あなた、お名前は?」
!? 声が少し太い。茜ちゃんはもっと声が高かった。
「こ、こ、小林 作造です!」
声を上ずらせながら偽名を使った。
「オリタリアでは珍しい名前ですね」
「ぼ、ぼ、僕の家系はイズモニア人だったので」
「そうですか。お若いのに貴国も先祖の国も苦難に見舞われ大変かもしれませんが、今しばらくお待ちください。
クリムゾンの獣たちを始末したらオリタリアへ赴きガルメニアの蛮族を追い払って見せます、今しばらく辛抱してください」
女性はニコッと微笑み片手を出し握手を求めてきた。
差し出された勇者・茜の手を握る。
(・・・・・・・・・違う! 違う! 茜ちゃんじゃない! お前は一体何者だ!)
茜ちゃんが俺を見てこんな反応をするわけが無い!
こんなに冷静でいられるわけが無い。
10年経って大人になったから?
そんなことがあってたまるか!
お前は茜ちゃんじゃないんだよ! 偽物!
やはり茜ちゃんは紅姫に・・・・・・・
そう思ったとき、偽勇者・茜の手を握る力は弱くなった。
そのとき、ドカーーン!! と謁見の間が揺れた。
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