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hage.102
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『クリスマスの奇跡!我が校アイドル・ミクちゃんが野獣とカップル!?』
懲りない新聞部が朝も早くから、最新号をばらまいている。
「うんうん、チビザルくんよ、聞きたいかね?俺とミクちゃんのなれ初め。ん?何だよ、お前、いわせるなよ~っ」
いきなり平手でたたかれた背中が痛い。
団長、真冬でも暑苦しいな。
「いやぁ、この頃ミクちゃんに元気がなくてね、ああ、俺にはすぐわかるわけ。だって、いつも見てるから。でぇ~、俺が励ましてたら、ミクちゃんが、泣いちゃってぇ~、慰めてたら~、俺を恋する瞳で見つめてきてぇ~」
どうしてオレは、とっくに授業が始まっている朝の渡り廊下で、かつての団長、早乙女カズマ先輩の恋バナを聞かされなきゃならないんだろう。
「はぁ、まぁ、よかったっスね」
適当に相槌を打つと、なぜか胸ぐらをつかまれて、
「いや!よくないんだよっ」
語気荒く迫られた。
…よくねーのかよ。
「チビザルっ!後生だから、ネ、ネ、ネ…っ」
ね?
「くっ、首輪を見せてくれ!」
鼻息荒くして、何を。
「ネックレスっスか?」
授業サボってまで言うことかな。
首輪って。
『お前は俺のものってこと』
ふいにリツキの声と、オレを辿る感覚がよみがえる。
イタリアで、一晩中リツキとつながって、…
うお。発火するっ
「チビザル!しっかりしろ!やはり、ネネっ、ク、首輪は、恋の必須アイテムなんだな!」
や。
なんか、間違ってるような。
「オレがしてるのは、これスけど」
制服の下から、リツキにもらったピースネックレスを取りだす。
革ひもに銀盤が光る。
あ、チナツはプラチナっつってたな。
「ほほ~う!これか、これだな!…して、チビザルよ、これはどこで手に入れたのかね?」
早乙女先輩が鼻息をかける勢いでネックレスを凝視する。
「え~? 先輩、言わせるんスかぁ~?」
オレに、あの熱い夜のてん末を語れと?
「頼む、チビザル!」
急に真剣な顔をして、オレの手を握りしめる早乙女カズマ。
「これを手に入れられるかどうかに、俺とミクちゃんの未来がかかってるんだ!」
…なんでよ?
「や、これはもらいものなんで、どこに売ってるかとか、わかんないスけど…」
俺の言葉に、涙目になる早乙女カズマ。
泣くなよ!
「このネックレスはラブ度アップの必須アイテムで、これを身に付けてから、口っ、口っ、く、く、接吻をっっ!」
そんなタコみたく赤くなって力説されてもね?
ラブ度アップとか初耳だしね?
「イタリアのどっかに売ってんじゃないスかね?聞いてみましょうか?」
「おおぅ、チビザル!お前ならやってくれると思ってたぜ!」
感涙の先輩がオレを絞め殺、…抱き寄せて背中をバシバシたたく。
この人、受験生じゃなかったっけ。
こんなんでいいのか?
「ちょっと、アイ~。授業サボってどこ行ってたのよ?」
教室に戻ったオレのところに心配したチナツがやってきた。
「あー、…団長につかまった」
「早乙女先輩?それはご苦労な、…って、ホントに西本ミクは先輩と付き合ってるのかな」
思案顔のチナツ。
「先輩は盛り上がってたけどな」
暑苦しさ全開で。
「アイにあんな嫌がらせするほどリツキくんに執着してたのにね。2人の絆にやっと諦めたか…」
絆。
「って、照れるだろぉ」
いい響きじゃね?
「もしくは、新たなワナか」
…チナツがオレの喜びをスルーする。
「アイ。リツキくんはアイを裏切ったりしないけど、西本ミクには気をつけた方がいいかも」
「お、おう」
チナツが真面目なので、ちょっと気圧される。
先輩、嬉しそうだったけどな。
まあ、オレにはリツキのお守りもあるし。
先輩もネックレスでうまくいくなら、それがイイな。
懲りない新聞部が朝も早くから、最新号をばらまいている。
「うんうん、チビザルくんよ、聞きたいかね?俺とミクちゃんのなれ初め。ん?何だよ、お前、いわせるなよ~っ」
いきなり平手でたたかれた背中が痛い。
団長、真冬でも暑苦しいな。
「いやぁ、この頃ミクちゃんに元気がなくてね、ああ、俺にはすぐわかるわけ。だって、いつも見てるから。でぇ~、俺が励ましてたら、ミクちゃんが、泣いちゃってぇ~、慰めてたら~、俺を恋する瞳で見つめてきてぇ~」
どうしてオレは、とっくに授業が始まっている朝の渡り廊下で、かつての団長、早乙女カズマ先輩の恋バナを聞かされなきゃならないんだろう。
「はぁ、まぁ、よかったっスね」
適当に相槌を打つと、なぜか胸ぐらをつかまれて、
「いや!よくないんだよっ」
語気荒く迫られた。
…よくねーのかよ。
「チビザルっ!後生だから、ネ、ネ、ネ…っ」
ね?
「くっ、首輪を見せてくれ!」
鼻息荒くして、何を。
「ネックレスっスか?」
授業サボってまで言うことかな。
首輪って。
『お前は俺のものってこと』
ふいにリツキの声と、オレを辿る感覚がよみがえる。
イタリアで、一晩中リツキとつながって、…
うお。発火するっ
「チビザル!しっかりしろ!やはり、ネネっ、ク、首輪は、恋の必須アイテムなんだな!」
や。
なんか、間違ってるような。
「オレがしてるのは、これスけど」
制服の下から、リツキにもらったピースネックレスを取りだす。
革ひもに銀盤が光る。
あ、チナツはプラチナっつってたな。
「ほほ~う!これか、これだな!…して、チビザルよ、これはどこで手に入れたのかね?」
早乙女先輩が鼻息をかける勢いでネックレスを凝視する。
「え~? 先輩、言わせるんスかぁ~?」
オレに、あの熱い夜のてん末を語れと?
「頼む、チビザル!」
急に真剣な顔をして、オレの手を握りしめる早乙女カズマ。
「これを手に入れられるかどうかに、俺とミクちゃんの未来がかかってるんだ!」
…なんでよ?
「や、これはもらいものなんで、どこに売ってるかとか、わかんないスけど…」
俺の言葉に、涙目になる早乙女カズマ。
泣くなよ!
「このネックレスはラブ度アップの必須アイテムで、これを身に付けてから、口っ、口っ、く、く、接吻をっっ!」
そんなタコみたく赤くなって力説されてもね?
ラブ度アップとか初耳だしね?
「イタリアのどっかに売ってんじゃないスかね?聞いてみましょうか?」
「おおぅ、チビザル!お前ならやってくれると思ってたぜ!」
感涙の先輩がオレを絞め殺、…抱き寄せて背中をバシバシたたく。
この人、受験生じゃなかったっけ。
こんなんでいいのか?
「ちょっと、アイ~。授業サボってどこ行ってたのよ?」
教室に戻ったオレのところに心配したチナツがやってきた。
「あー、…団長につかまった」
「早乙女先輩?それはご苦労な、…って、ホントに西本ミクは先輩と付き合ってるのかな」
思案顔のチナツ。
「先輩は盛り上がってたけどな」
暑苦しさ全開で。
「アイにあんな嫌がらせするほどリツキくんに執着してたのにね。2人の絆にやっと諦めたか…」
絆。
「って、照れるだろぉ」
いい響きじゃね?
「もしくは、新たなワナか」
…チナツがオレの喜びをスルーする。
「アイ。リツキくんはアイを裏切ったりしないけど、西本ミクには気をつけた方がいいかも」
「お、おう」
チナツが真面目なので、ちょっと気圧される。
先輩、嬉しそうだったけどな。
まあ、オレにはリツキのお守りもあるし。
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