Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】

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「いった~~~~~いっ!!」

左腕に強烈な痛みを感じて飛び起きると、目の前に超絶美形な顔が見えた。

…誰?

「ああ、…麻酔が切れたか」

白衣姿の美形な男性は医師らしく、てきぱきと私の左腕をひねくり回して事もなげに言い放った。

いや、痛いから、痛いから。

「わずかとはいえ銃弾がかすったからな。射創は感染の危険があるし、きちんと消毒しないと跡が残るぞ」

その魅惑的な美しい顔で言われると、もう全面的に反省するしかない。

すみませ―――ん、…

大人しく左腕をゆだねる。

白い天井、糊のきいたシーツ、規則正しく落ちる点滴。
消毒液の匂い、遠くの方から繰り返し聞こえる電子音。
どうやら病院のベッドの上で、診察を受けているところらしい。

目だけで周囲を見回して、視線を美形な男性医師に戻すと、胸元で『Dr.結城』のネームプレートが揺れていた。

「うん、経過は良好だ」
「…ありがとうございます」

イケメン医師に誉められてちょっと鼻の下が伸びたところで、 

「のい? …大丈夫か」

ベッドの周りを囲んでいる白いレールカーテンが動いて和泉さんの顔がのぞいた。

「和泉さん!」

私を見つめる漆黒の瞳が心配の色に揺れている。

「大丈夫ですよ。2,3日で退院できそうです」

美形な結城医師が和泉さんに頷きかけた。

「…のい」

結城医師の診察が終わると、和泉さんが私の枕元にしゃがみ込み、
長い指でそっと私の頬に触れた。

「危険な目に遭わせてごめん」

私の存在を確かめるように、頬を撫でる。
いたわるように見つめる瞳がゆらゆら揺れている。

「無事でよかった」

切なげに目を細め、もう一方の手で私の頭を何度も何度も撫でてくれた。

「のい、…」

髪に指を滑らせ、耳をたどり、
額に瞼に鼻の頭に頬に和泉さんの熱い唇が触れた。

「どんなに大事か思い知った」

私の頭を抱え起こして、そっとその胸に抱きしめる。
大切に愛おしそうに唇を寄せて、頭に目尻に口づける。

「のい。…好きだよ」

吐息まじりの甘い声が耳に響く。

「好きだよ…」

和泉さんの心臓の音が聞こえる。
規則正しく力強く繰り返す。
大きくて温かい優しい胸の中。
安心出来て居心地がいい。

素直に嬉しくて、やっぱり切ない。

和泉さんのこと、すごく好きで。
すごく好きなのに。

あの柔らかくて甘い。
触れるだけの優しい優しいキスを思い出して胸が痛い。
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