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blue.67
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「あおくん、なの…?」
私を見つめるアースアイが涙で霞む。
どんな時でも私を明るく照らしてくれる美しい瞳。
あおくんがどこか遠くへ行ってしまうと分かった日、
泣いて泣いて、いつまでたっても泣いている私に。
「お前、また泣いてんのか。しょうがねえな」
奏くんの瞳が優しく緩んで、きれいな長い指が私の頰にそっと触れた。
あの日、私の頭を撫でてくれた滑らかな手と同じ。
あの日、私の涙をぬぐってくれた優しい指と同じ。
あおくんだ…
奏くんの手が温かくて優しくて、確かにそこで動いていて、
もっと涙でいっぱいになる。
奏くん。奏くん。
その体温が愛しくて、ちょっと偉そうな物言いが愛しくて。
耳に心地よい甘い声がどこまでも心をつかんで離さない。
あおくんだったんだ…
奏くんが私の頭の後ろに手を差し込んで、そっと引き寄せてくれた時、
「…カナデっ!!」
超高速で飛び込んできた華麗な物体にものの見事に突き飛ばされた。
「Kanade, I love you!」
病室の床に尻餅をついている私の目の前で、金髪碧眼美女がものすごい勢いで奏くんに抱きついて、
「おや」
「まあ」
熱烈なキスをお見舞いした。
「コザル弱えな。ダメだろ、簡単に蹴散らされちゃ」
秋くんにダメ出しされたけど、アメリアが強力過ぎてすごすごと退散せざるを得なかった。
いや、だって。相手は高級ペルシャ猫だし!
金髪サラサラだし。スタイル抜群だし。
ワンピースだし。いい匂いしたし。Kanadeの発音めっちゃいいし。
…何の迷いもなくキスしてたし。
「まあ、あれは奏くんじゃなくても忘れられないよね」
秋くんが苦笑まじりに呟いた。
え、なに。
アメリア、どういう位置づけ?
「アミィちゃん、奏のことが好きすぎて。悪かったね」
奏くんのお父さんとお母さんは呆然と床に座り込んでいる私を助け起こしてくれて、優しく接してくれた。
「のいちゃん。奏が好きだった子でしょ。うふふ、これからも奏をよろしくね」
しかもお母さんはなんかめっちゃ嬉しいこと言ってくれた―――っ
「あれ、みんなに言ってるから。いい気になるなよ」
おいこら、チワワ。
お前は誰の味方なんだよ―――!
私を見つめるアースアイが涙で霞む。
どんな時でも私を明るく照らしてくれる美しい瞳。
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「お前、また泣いてんのか。しょうがねえな」
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あの日、私の頭を撫でてくれた滑らかな手と同じ。
あの日、私の涙をぬぐってくれた優しい指と同じ。
あおくんだ…
奏くんの手が温かくて優しくて、確かにそこで動いていて、
もっと涙でいっぱいになる。
奏くん。奏くん。
その体温が愛しくて、ちょっと偉そうな物言いが愛しくて。
耳に心地よい甘い声がどこまでも心をつかんで離さない。
あおくんだったんだ…
奏くんが私の頭の後ろに手を差し込んで、そっと引き寄せてくれた時、
「…カナデっ!!」
超高速で飛び込んできた華麗な物体にものの見事に突き飛ばされた。
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「おや」
「まあ」
熱烈なキスをお見舞いした。
「コザル弱えな。ダメだろ、簡単に蹴散らされちゃ」
秋くんにダメ出しされたけど、アメリアが強力過ぎてすごすごと退散せざるを得なかった。
いや、だって。相手は高級ペルシャ猫だし!
金髪サラサラだし。スタイル抜群だし。
ワンピースだし。いい匂いしたし。Kanadeの発音めっちゃいいし。
…何の迷いもなくキスしてたし。
「まあ、あれは奏くんじゃなくても忘れられないよね」
秋くんが苦笑まじりに呟いた。
え、なに。
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