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blue.68
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深夜過ぎ。
すっかり寝静まった病室のベッドで。
奏くんのアースアイを何度も何度も思い出していた。
あおくん。
あおくん。
奏くん。
奏くんて、
「青」井 奏くん、なんだよね…
いや、待てよ。
奏くんがあおくんなら、和泉さんは?
消灯前に和泉さんから電話があったので、奏くんに会えたことを報告すると、とにかく喜んでくれて、
「璃乙が錯乱するのは、母親が事件に関わっているのを察知したからかもしれない」
最後にポツンと付け加えた。
『ママ』『バイク』『おサル』
璃乙くんは誰かの死を視ると錯乱すると思われていたけれど、そうとは限らないってことか。
璃乙くんの気持ちを思うとものすごく胸が痛むけど、奏くんが無事でよかった。
死の予知じゃなくて本当に良かった。
奏くん。
いろいろ考えているうちにどうしても奏くんに会いたくなってきた。
さっきはアメリアに邪魔されたけど、さすがに今は誰もいないはず。
思い立ったら、足が勝手にベッドをすり抜けた。
同じ病院にいるなんてラッキーなシチュエーションは今夜が最後だし。
考えるより早く、手が勝手に病室のドアを開けた。
看護師さんが巡回に来るのは明け方。
通路を見渡しても誰もいない。
奏くん、一目。一目見るだけだから。
そう言い訳した時にはダッシュでエレベーターに乗り込んでいた。
奏くんのいる病棟に潜入したら、巡回の警備員さんっぽい人が見えたから、慌てて手前の通路を折れた。
…セーフ。
「…おい」
「しーっ!」
「何をしている」
「静かにしてくれないと見つかっちゃ、…」
背後から声がして、振り向いたら誰かいた。
「ぎゃあああ―――――っ」
思わず悲鳴を上げると、
「うるさいな、お前が静かにしろ」
超絶美形な結城医師が顔をしかめて立っていた。
なんだよ、もう。脅かすなって。
などと言ってる間もなく、
「どうかしましたか?」
多分悲鳴を聞きつけて、警備員さんが飛んできた。
わー、結城先生っ! パス! お願い! 頼んだ!
必死で目で合図を送ってみると、結城医師はものすごく嫌そうな顔をして、
「…何でもありません。患者の付き添いです」
でも、パーフェクトな対応をしてくれた。
さすが美形。わかってらっしゃる。
「ご苦労様です」
警備員さんは結城医師にお辞儀をすると巡回に戻っていった。
「お疲れ様です!」
続いて立ち去ろうとしたら、首根っこをつかまれた。
もー、最近みんなして扱いが雑じゃない?
「ちょっと、待て。どこへ行く?」
「そんな、先生。聞くだけ野暮ってもんでしょ、…ったっ」
ごまかそうとしたら、速攻ではたかれた。
…び、美形だからって何でも許されると思うなよ。
恨めしさを全面に出して見上げると、ものすごく整った顔が見下ろしてきた。
すみません、顔面偏差値で完敗でした…
すっかり寝静まった病室のベッドで。
奏くんのアースアイを何度も何度も思い出していた。
あおくん。
あおくん。
奏くん。
奏くんて、
「青」井 奏くん、なんだよね…
いや、待てよ。
奏くんがあおくんなら、和泉さんは?
消灯前に和泉さんから電話があったので、奏くんに会えたことを報告すると、とにかく喜んでくれて、
「璃乙が錯乱するのは、母親が事件に関わっているのを察知したからかもしれない」
最後にポツンと付け加えた。
『ママ』『バイク』『おサル』
璃乙くんは誰かの死を視ると錯乱すると思われていたけれど、そうとは限らないってことか。
璃乙くんの気持ちを思うとものすごく胸が痛むけど、奏くんが無事でよかった。
死の予知じゃなくて本当に良かった。
奏くん。
いろいろ考えているうちにどうしても奏くんに会いたくなってきた。
さっきはアメリアに邪魔されたけど、さすがに今は誰もいないはず。
思い立ったら、足が勝手にベッドをすり抜けた。
同じ病院にいるなんてラッキーなシチュエーションは今夜が最後だし。
考えるより早く、手が勝手に病室のドアを開けた。
看護師さんが巡回に来るのは明け方。
通路を見渡しても誰もいない。
奏くん、一目。一目見るだけだから。
そう言い訳した時にはダッシュでエレベーターに乗り込んでいた。
奏くんのいる病棟に潜入したら、巡回の警備員さんっぽい人が見えたから、慌てて手前の通路を折れた。
…セーフ。
「…おい」
「しーっ!」
「何をしている」
「静かにしてくれないと見つかっちゃ、…」
背後から声がして、振り向いたら誰かいた。
「ぎゃあああ―――――っ」
思わず悲鳴を上げると、
「うるさいな、お前が静かにしろ」
超絶美形な結城医師が顔をしかめて立っていた。
なんだよ、もう。脅かすなって。
などと言ってる間もなく、
「どうかしましたか?」
多分悲鳴を聞きつけて、警備員さんが飛んできた。
わー、結城先生っ! パス! お願い! 頼んだ!
必死で目で合図を送ってみると、結城医師はものすごく嫌そうな顔をして、
「…何でもありません。患者の付き添いです」
でも、パーフェクトな対応をしてくれた。
さすが美形。わかってらっしゃる。
「ご苦労様です」
警備員さんは結城医師にお辞儀をすると巡回に戻っていった。
「お疲れ様です!」
続いて立ち去ろうとしたら、首根っこをつかまれた。
もー、最近みんなして扱いが雑じゃない?
「ちょっと、待て。どこへ行く?」
「そんな、先生。聞くだけ野暮ってもんでしょ、…ったっ」
ごまかそうとしたら、速攻ではたかれた。
…び、美形だからって何でも許されると思うなよ。
恨めしさを全面に出して見上げると、ものすごく整った顔が見下ろしてきた。
すみません、顔面偏差値で完敗でした…
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