Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】

remo

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「がなでぐん、…」

泣き疲れて声ががっさがさになって恐らく顔も大変なことになっているであろう私を見て、奏くんが吹いた。

ちょっとー、人の顔見て笑うってどうなの。

「お前、…」

奏くんの美しい瞳が私を映して優しく揺れる。

「ホント可愛いな」

え。…い。…うおあああ……!?

奏くんのきれいな顔が優しく私をのぞき込んでいて、その甘く痺れる声が無防備な耳をくすぐって、不意打ちのイケメン攻撃に息が止まる。

動けなくて、瞬きも出来なくて、
ただ吸い込まれるように深く澄んだ奏くんの瞳を見つめていたら、
奏くんの長いまつ毛と整った高い鼻と潤んだ桜色の唇が近づいて、

ちゅ。

一瞬だけ、甘く優しく私の唇に触れた。

あ。奏くんのキス。

唇に奏くんを感じたら、また涙が込み上げてきた。
奏くんに触りたかった。触って欲しかった。
私だってキスしたかった。キスして欲しかった…!

奏くんのキスを抱きしめて、もうこれ以上ないくらいの幸福感に包まれながら泣いていたら、

「あ、…間違えた」

間違えた―――――っ!?

まさかの間違えた発言を頂戴いたしました。

こ、こ、
この期に及んでアミィと間違えたとか言わないよね!?

恨みがましい視線をぶつけると、

「…まあ忘れろ。イズくんには内緒にしといてやるから」

奏くんはちょっと困ったみたいに笑って、私の腕をつかんでその胸から引き離した。

忘れろ、って…

引き離された隙間が寂しくて、力なく奏くんのベッドの隣にへたり込んでいると、

「お前、簡単に男の部屋に入るなよ」

なんか奏くんが説教くさいことを言い始めた。

か、…

「簡単じゃないよ! 警備員と美形医師を、どんな思いで突破して、…っ」

奏くんのバカ!
どうしてもどうしても奏くんに会いたかったからじゃん!!

私の必死の抗議を、奏くんは、

「よしよし」

私の頭を適当にかき回して軽くなだめると、

「お前、もう大丈夫なのか。傷跡が残ったらイズくんが悲しむ」

悔しいくらいきれいな顔を傾けてベッドから見下ろした。

大丈夫じゃないよ――――っ、もう! 
イズくん、イズくん、って、…

「…イズくんて誰?」

全くもって、もっともな疑問だと思うんだけど、呆れ顔の奏くんからまたはたかれた。

「和泉だろ。思い出したんじゃねえのか。ケーキ屋のイズくん」

ケーキ屋の、イズくん??

和泉さんから時々感じる懐かしい匂い。
小さいころ夢見た心躍るスイーツのような。
甘くてふわふわなシフォンケーキみたいな。

『のい。マカロン食べる?』

天使のような美しい顔で私に魅惑的な洋菓子を分けてくれた…

『お前、…変わらないな』

優しくて可愛くて綺麗で甘い匂いがする大好きなケーキ屋さんの、…

「いずみちゃん!?」
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