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blue.109
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奏くんの優しい指が、甘い唇が、奔放な舌が、
丁寧にどこまでも私を辿る。
奏くんに触れられた身体が快感に跳ねて、
緩んで潤んで溢れ出す。
「かなで、…くん」
すがるように奏くんを呼ぶと、その引き締まった身体と優しい腕と甘い唇で全部受け止めてくれる。
「のい、…」
奏くんの甘い声が優しく優しく私を呼ぶ。
長い指から、手のひらから、唇から、舌から、
包み込む滑らかで硬い身体から、
触れ合う奏くんの全てから、想いが流れ込んでくる。
大切なもののように。
限りなく愛おしそうに。
宝物みたいに。
その美しい瞳と甘い声と艶やかな指先で物語る。
「…とけちゃう」
とろとろに溶かされて揺られて弾けて声があがる。
「…溶けろよ」
天国って本当にあるんだ。
境界線が分からないくらい奏くんと溶け合って、どこまでも奏くんに溺れる。
深く深くつながって一つに交わって混ざり合って蜂蜜になってこぼれ落ちる。
奏くんの髪もまつ毛も鎖骨も足の爪まで全てが愛しい。全てが欲しい。
溢れる熱をとめどなく注がれていっぱいになって隅々まで満たされて、それでもまだ欲しくて何度も何度も満たされる。
「…のい」
世界から切り離された蜂蜜の海を奏くんと2人だけで、愛しさと心地良さと甘い疼きと幸せな快感を連れてどこまでも漂う。
「…愛してる」
奏くんがその美しい身体全部で伝えてくれた。
目を開けると、
奏くんが、すごくすごく優しい顔で私を見ていた。
腕を頭の後ろに差し込んでぴったり私を引き寄せて、きれい過ぎる身体で私を全部包み込む。
「のい? 」
青と淡褐色の瞳が愛しさを浮かべて私を映す。
「大丈夫か?」
この愛しい人が私だけを見ている奇跡に涙が出る。あんなに泣いたのに、まだ溢れる。
「…どうした? 」
奏くんが私の頰を手のひらで包んで指先で撫でながらのぞき込む。
その美しい瞳が憂いを帯びて揺れている。
「幸せすぎた…」
奏くんの滑らかな素肌に顔を埋めて、
奏くんが私を抱きしめてくれる幸せを噛み締めた。
奏くんが喉の奥で笑っているのが、振動で伝わってくる。
まだ身体がふわふわ甘く痺れて奥深くがきゅうきゅう鳴く。
「私も、…」
奏くんを見上げると、私の髪に指を絡めて優しく撫でながら、甘い笑いを含んだ瞳で見つめ返してくれた。
「奏くんにあげたい」
同じくらい、奏くんのこと幸せに出来ればいいのに。
奏くんが一瞬動きを止めて、
それから私をまた溶けちゃうくらい優しく強く抱きしめた。
「ずっと俺のそばにいろよ」
奏くんの柔らかくて甘い唇が降り注ぐ。
瞼に、涙に、鼻の頭に、そして唇に。
優しく舐めて食んでなぞって酔わせる。
「お前がいれば、他には何にもいらねえよ」
奏くん。…大好き。
丁寧にどこまでも私を辿る。
奏くんに触れられた身体が快感に跳ねて、
緩んで潤んで溢れ出す。
「かなで、…くん」
すがるように奏くんを呼ぶと、その引き締まった身体と優しい腕と甘い唇で全部受け止めてくれる。
「のい、…」
奏くんの甘い声が優しく優しく私を呼ぶ。
長い指から、手のひらから、唇から、舌から、
包み込む滑らかで硬い身体から、
触れ合う奏くんの全てから、想いが流れ込んでくる。
大切なもののように。
限りなく愛おしそうに。
宝物みたいに。
その美しい瞳と甘い声と艶やかな指先で物語る。
「…とけちゃう」
とろとろに溶かされて揺られて弾けて声があがる。
「…溶けろよ」
天国って本当にあるんだ。
境界線が分からないくらい奏くんと溶け合って、どこまでも奏くんに溺れる。
深く深くつながって一つに交わって混ざり合って蜂蜜になってこぼれ落ちる。
奏くんの髪もまつ毛も鎖骨も足の爪まで全てが愛しい。全てが欲しい。
溢れる熱をとめどなく注がれていっぱいになって隅々まで満たされて、それでもまだ欲しくて何度も何度も満たされる。
「…のい」
世界から切り離された蜂蜜の海を奏くんと2人だけで、愛しさと心地良さと甘い疼きと幸せな快感を連れてどこまでも漂う。
「…愛してる」
奏くんがその美しい身体全部で伝えてくれた。
目を開けると、
奏くんが、すごくすごく優しい顔で私を見ていた。
腕を頭の後ろに差し込んでぴったり私を引き寄せて、きれい過ぎる身体で私を全部包み込む。
「のい? 」
青と淡褐色の瞳が愛しさを浮かべて私を映す。
「大丈夫か?」
この愛しい人が私だけを見ている奇跡に涙が出る。あんなに泣いたのに、まだ溢れる。
「…どうした? 」
奏くんが私の頰を手のひらで包んで指先で撫でながらのぞき込む。
その美しい瞳が憂いを帯びて揺れている。
「幸せすぎた…」
奏くんの滑らかな素肌に顔を埋めて、
奏くんが私を抱きしめてくれる幸せを噛み締めた。
奏くんが喉の奥で笑っているのが、振動で伝わってくる。
まだ身体がふわふわ甘く痺れて奥深くがきゅうきゅう鳴く。
「私も、…」
奏くんを見上げると、私の髪に指を絡めて優しく撫でながら、甘い笑いを含んだ瞳で見つめ返してくれた。
「奏くんにあげたい」
同じくらい、奏くんのこと幸せに出来ればいいのに。
奏くんが一瞬動きを止めて、
それから私をまた溶けちゃうくらい優しく強く抱きしめた。
「ずっと俺のそばにいろよ」
奏くんの柔らかくて甘い唇が降り注ぐ。
瞼に、涙に、鼻の頭に、そして唇に。
優しく舐めて食んでなぞって酔わせる。
「お前がいれば、他には何にもいらねえよ」
奏くん。…大好き。
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